台湾史上初の女性総統誕生!同性婚実現の行方はいかに?
2016年1月16 (土) は台湾史に残る記念すべき一日に!民進党・蔡英文候補が國民党・朱立倫候補と親民党・宋楚瑜候補を破り、次期台湾総統の座を見事に射止めました!同時に行われた立法委員の選挙結果と合わせて、今後の台湾における同性婚実現の可能性を考えてみましょう。
300万票差で圧勝!立法委員選挙でも大逆転!
選挙前の支持率調査どおり、民進党・蔡英文候補が約689万票を集め当選を決めました!続く国民党・朱立倫候補が約381万票、親民党・宋楚瑜候補が約157万票で、蔡英文候補が2位以下に300万票以上の差をつけての圧勝。台湾初となる「女性総統」が誕生した歴史的選挙となりました。
選挙後の記者会見の中で、蔡英文次期総統は次のように述べています。
在2016年,
我們又一次地透過民主選舉,
向全世界展現做為一個民主國家的驕傲,
以及身為台灣人的光榮。
我們也再一次告訴了國際社會:
民主的價值,已經深入台灣人的血液;
民主的生活方式,更將是2300萬人永遠的堅持。Via : 蔡英文Facebook公式ページ
2016年、
私たちは再び、民主的な選挙を通して、
民主国家としての誇りを、
台湾人であることの名誉を、世界中に示しました。
そして、私たちは再び、国際社会に伝えたのです。
民主の価値は、すでに台湾人の血液となり、
民主的な生活は、ここにいる2,300万人が、
永遠に堅持すべきものであるということを。訳 : Kazuki Mae
對我來說,這不只是一場選舉的勝利。
這個結果,是在告訴我,
人民期待一個更願意傾聽民意的政府,
一個決策更透明的政府,
一個有能力解決困難、照顧弱勢的政府,
一個可以把國家帶到新時代的政府,
還有,一個會堅定捍衛國家主權的政府。Via : 蔡英文Facebook公式ページ
これは、単なる選挙における「勝利」だけではありません。
「民意に耳を傾ける政府」、
「政策決定に透明な政府」、
「困難と解決し、社会的弱者に関心を向けることができる政府」、
「国に新しい時代をもたらす政府」、
そして、「国家主権を確固として守ることのできる政府」。
みなさんの新しい政府に対する期待を、
この結果は私に伝えてくれているのです。訳 : Kazuki Mae
また、総統選挙と同時に行われた立法委員選挙においても民進党が大躍進!過半数以上を占める68席を獲得し、国民党に変わって国会における第一政党に躍り出ました。国民党以外の政党が第一政党を務めるのも、台湾の歴史上今回が初めて。台湾政治に大きな変化の波が押し寄せた、記録的な一日となりました。
画像出典:蔡英文Facebook公式ページ
同性婚支持を公式表明した初めての総統。
蔡英文次期総統は、選挙以前から同性婚の支持を公式に表明していることで、LGBTコミュニティーに限らず、多くの国民から注目を集めていました。
2015年10月31日(土) に台北で開催されたアジア最大級のLGBTプライド「台灣同志遊行」当日午前には、自身のFacebookページで「同性婚支持」を表明する15秒間の録画メッセージが公開され話題になりました。
映像の中では、次のように述べられてました。
在愛之前,大家都是平等的。
我是蔡英文,我支持婚姻平權。
讓每個人,都可以自由去愛,追求幸福。Via : 蔡英文facebook 公式ページ
愛の前においては、だれしも皆が平等です。
私は蔡英文、婚姻の平等を支持いたします。
すべての人が、自由に愛し、幸せを求めることができますように。訳 : Kazuki Mae
さらにその後、選挙での支持を呼びかける広報CMにおいてもレインボーフラッグを掲げる若者たちが登場。蔡英文次期総統の視界には「LGBTコミュニティーの存在」もしっかり映っているということがアピールされています。
政治のトップに立つ重要人物がここまで目に見える形でLGBTへの理解を示したのは、アジアでも稀に見る出来事ではないでしょうか。新総統の誕生によって「同性婚実現」の可能性が現実味を帯びてきました。台湾は「新しい社会」に向けて、確実に歩みを進めています。
画像出典:蔡英文Facebook公式ページ
映像出典:民進党公式YouTubeチャンネル
課題は「結束力」。
今後4年間の台湾政治の主導権は民進党が握ったわけですが、国民の「真の信頼」を獲得するためには課題点も残されています。
「党としてのまとまりに欠ける。」
これが、今日に至るまでの民進党の動きの中でよく問題視されてきた点です。
記憶に新しいところでは、2015年4月に台南市議会で起こった議会の「無期限停止」宣言があります。
2014年11月に各都市の市長や市議会委員を選ぶために行われた「九合一選舉」で、民進党が圧勝。台南市議会でも、民進党・賴清德市長をはじめ、民進党28議席、国民党16議席と民進党優勢。もともと民進党支持者が多い土地ということもあって「立場は安泰」かと思われました。
ところが、議員の投票で決める「議長」に選ばれたのは民進党ではなく「国民党」の議員。民進党側に日本で言う「造反組」が紛れ込んでいたのです。
この結果を受け、賴清德市長は「民進党議員の賄賂受け取りの可能性」を疑い、議会への参加を拒否。議会の「無期限停止」を宣言し、その後2ヶ月間にわたり混乱した状態が続きました。
民進党が第一政党となった新しい国会においても、同様の問題が起こらないかと不安を抱いている人は少なくありません。国政においてどこまで党の結束を固めることができるのか、蔡英文次期総統のリーダーシップが問われるところです。
画像出典:(1枚目)Wikipedia台南市議會 / (2枚目)賴清德Facebook公式ページ
喜びに沸く台湾!蔡英文新総統に期待が集まります!
国民の熱い決意を追い風に「新しい時代」への幕開けを迎えた台湾。これから世界に向かってどのような姿を見せてくれるのか、蔡英文新総統への期待はますます高まるばかりです!新しい立法委員で構成される新国会は2016年2月1日から、蔡英文新総統率いる新政府は2016年5月20日より始動します!
そして、LGBTコミュニティー大注目の「同性婚実現」の行方は如何に?アジア初となる歴史的瞬間は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません!
画像出典:蔡英文Facebook公式ページ