10年前に見た、忘れられない10分間の映画
10年前、筆者はレズビアン&ゲイ映画祭の短編集を初めて見ました。レズビアンの映画でした。ゲイである自分には共感出来ない面も多いかもと思った中で、強烈に印象深かった作品に出会えました。レズビアンである中年女性の主人公が母親のお墓参りに行く、というただそれだけの10分にも満たない話だったのですが、主人公にはパートナーも子どももいて、主人公の姉妹(確か、妹)はFtMトランスジェンダーで、こちらもパートナーを連れてきている。
そんなセクシュアリティに富んだ家族たちが、亡き母親の墓地(日本と違い、草原の中にぽつんとお墓がある)で、幼い子どもたちとピクニック感覚でお墓参りをしているところにクレジットが流れてきて、あっさりと映画は終わりました。当時まだ親にカミングアウトしていなかった自分には、「親が亡くなってしまう」感覚を疑似体験したように思えました。そして、おぼろげな記憶では、その映画の主人公は亡き母には最後までカミングアウトをしていなかった。もし自分だったら、どうするだろうか…というクエスチョンを投げかけてくれた作品でした。
今日(7/11)から開演!東京レズビアン&ゲイ映画祭
さて、今日、7/11から東京レズビアン&ゲイ映画祭が開演します!東京レズビアン&ゲイ映画祭は海外の短編映画も見ることができます。ここでは短編映画が好きな筆者が、海外短編集のオススメポイントを3つご紹介します!
1.セクシュアリティ
色んなセクシュアリティを一挙に観られるのが短編集の醍醐味!セクシュアリティによって映画の雰囲気を比較するのも面白いかも。例えば、ゲイ映画はしっとり系、レズビアン映画はさっぱり系、トランス映画はこってり系(注・あくまで筆者の解釈です)などなど、「性の多様性」を味わい尽くすには持って来いです!
2.ドラマ
長編作品の魅力は、一つのストーリーを深くじっくり味わえるところ。対して、短編集は様々なストーリーの作品たちをつまみ食い的に味わえちゃえます!パッと明るいコメディからジーンとするロマンスまで、「ドラマの多様性」を感じられる優れ物が短編集なのです!
3.ナショナリティ(国民性)
複数の国の作品が一挙に観られるというのも海外短編集の魅力です!今年の海外短編集の作品群の製作国は、フランス・チリ・イギリス・アメリカの4か国。国が違えば、文化が違う。例えば、ゲイの観客が同じゲイが登場する作品を観ていたとしても微妙な国民性・お国柄の違いを感じたりできるかもしれません。職場や学校でのワンシーンが自分の国とどう違うのか、スクリーンを通して発見できるかも。
映画好きや映画狂いこそ短編集を見るべき
映画好き・映画狂いと言われるそこのアナタ!短編集なら、個々の監督のトガった撮影スタイルを観られる絶好のチャンスですよ!一つ例に挙げるならば、昨年の上映作品「ロニーと僕」。全編iPhone5で撮影がされており、映画なのに映画らしくない感覚を呼び起こさせる実験的試みがなされていました。
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