【サムソン高橋】ゲスの極み放談〜フロリダ銃乱射事件

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お久しぶりの放談です

サムソン高橋(以下“S” ):ごぶさた。サイトがリニューアルして以来、久しぶりね。
いたる(以下”I” ):無駄な口叩くんじゃないわよ。明るく健全で世のためになって面白いLGBTサイトを目指してるんだからね!
S:(瞳孔の開いた瞳で)僕がんばる! んで、最近のLGBTニュースは何があるのよ。まずは国内で。
I:んーと、あまり具体的には言いたくないんだけど。
S:しょっぱなからなに口ごもってんのよ。
I:LGBTの誰かが、なにか新しいイベントをしようとするじゃない。で、そういうのに対する反応って、必ずしも賛成意見ばかりじゃないわよね
S:アンチやるのって気持ちいいしね。
I:そういうのは無視するとして、誰かがより良くしようと思って普通に建設的な意見をしようとするじゃない。例えばツイッターを利用して忠告しようとするわけよ。そしたら言われたほうもカチンときちゃって、それが結果的に罵詈雑言中心の過激なやり取りになっちゃって、お互い善かれと思ってやってきたことが台無しになっちゃうというケースがあるのよ。
S:プロレスになっちゃうのよね。
I:肝心の内容よりそっちのほうが見てて面白くなっちゃったりして。なんだかそういうのってもったいないなあと思うわけよ。実際に会って具体的で建設的なやりとりすればいいのに、SNSで焼け野原みたいな状態になっちゃって。
S:具体的に何かあったの?
I:いや、それは皆さんのご想像にお任せするってことで。
S:気になるわ……

アメリカってとんでもない国

I:で、日本もいろいろあるけど、基本平和だなあって思ったわけですよ。例のオーランド銃乱射事件で。
S:あの事件、いつ知ったの?
I:6月12日(日)の夜、私としてはパソコンの前でのんびりタイムなわけですよ。そしたら第一報が飛び込んできて。とんでもない事件だと思ったんで、Letibee Life編集部に連絡して、その時点で入手できた情報でまとめ記事「フロリダ ゲイクラブ銃乱射事件 報道まとめ その1」を作って公開してもらったの。でも事件は現在進行形で、情報も流動的だったから、一度公開したまとめ記事に後からどんどん新しい情報を追加するやり方で徹夜して翌日の夕方まで作っていたら、最終的にとんでもない量になっちゃって。
S:巻物かと思ったわよ。3mくらいスクロールしなきゃいけなくなっちゃったじゃない、あれ。
I:でも僅かな情報だけをベースにした、さも分かったようなまとめ方はできないと思ったし、色んな情報で多角的にあの事件を見るにはああしなきゃいけなかったのよ。犯人の動機だって二転三転したでしょ?
S:最初はISのテロだとか、ヘイトクライムとか言われてたわよね。そしたら犯人がゲイだったという驚愕の情報も飛び込んできて。
I:発表される死傷者の数もどんどん増えてったしね。最終的にはアメリカの銃犯罪史上最悪になっちゃって。
S:私、とりあえずあれは「アメリカの事件だなあ」と思ったのよ。
I:それは「日本からしたら他人事」ってわけじゃないわよね?
S:違う、もっと単純なとこで。日本でもとんでもない人がとんでもない事件起こすことはあるけど、ここまでひどい事態にはならないじゃない? アメリカの銃社会ってのが大きな要因でしょ、今回の
I:容疑者がどんな銃器持ってたか調べたら、「これ、『ランボー』かよ!」ってやつだったもんね。一般市民がこんなの買えるんだ!?って驚いたわよ。
S:『危険な情事』レベルの小さい銃かと思ったら自動小銃、あれ、アソールトライフルっていうんだけど、直訳したら襲撃ライフルだもんね。で、事件をきっかけに銃規制法案が提案されたんだけど、否決されちゃったという。
I:アメリカって色んな意味で、とんでもない国よね。

アイデンティティが混乱するわね。

S:あと、この事件では宗教もすごく大きな要素じゃない。日本人だと宗教の重要さって実感わかないからさ。ミシシッピ州でアンチLGBT法が可決されて大きな議論になったんだけど、あれもキリスト教保守派やイスラム教から言わせれば「宗教の自由を認めろ」って話らしいのよ。そう言われると私はどう反論していいか、ちょっと口ごもっちゃうなあって。
I:あと、人種問題ってのもこの事件の一因としてあるんじゃない?
S:あるでしょうね。ラテンナイトだったってのもあって、被害に遭った人たちは大部分がヒスパニックだったんだよね? 日本人から見たらヒスパニックもアラブ系も区別さえつかなかったりするけど、そのぶんメジャーな有色人種とマイナーな有色人種のいさかいや心のしこりもあったんじゃないかと。
I:ただ人質になった人の話を聞くと、黒人や女性には手を出さなかったりしてるんだよね。
S:でも、同僚によると容疑者は「黒人と女性に対して異様な敵意を持っていた」という証言もあったりして。
I:わけわかんないわね……。
S:本人も自分のアイデンティティがわけわかんなくなってたんじゃないかなあ。

ゲイとして開き直れない苦しみ

I:で、パルスの常連だったり複数のゲイアプリ利用してたことがわかって。もう真相は闇の中なんだけど、容疑者がゲイの資質を持ってたりゲイ体験があったのはほぼ間違いない。
S:事件について私が書いた記事「【サムソン高橋・非シャイニー宣言】フロリダ ゲイクラブ銃乱射事件に思う」、「蛇足かな」と思ってばっさりカットした文章があるんだよね。それはホモフォビアについて書いた文だったんだけど、ホモフォビアには外部からのものと本人の心の「内なるホモフォビア」があるって内容で、容疑者は外からのホモフォビアと内からのホモフォビア両方に苦しめられてたんじゃないかなあって。
I:二度結婚してて子供もいてムスリムの家庭で、クローゼットのゲイの苦しみもあるじゃない? あと、リア充になろうとしてなれなかった苦しみもあるっぽいんだよね。
S:パッと見て「わりとイケメンでモテそうじゃん」とか思ったんだけど。
I:だよね? 不謹慎だけどイケると思ったもん、俺。ノンケっぽく写ってて頭ボサボサのやつとか。
S:あ、あれって私「ゲイとノンケの二面性」とか書いたんだけど、ひょっとして「ノンケっぽく写ったほうが受けがいいかも」って試行錯誤の結果だったのかしら?
I:(笑)
S:で、見た目は普通っぽいというかイケメンなのに、学校時代のクラスメートには「いつもおどおどしてて、居場所を見つけたかったんだろうけど、彼を好きな人は誰もいなかった」って言われてるというね……。中学の遠足のバスで補助席だった自分としては他人事とは思えないわよ。
I:あんたみたいに変な子だったのかしら?
S:そういや、元婚約者から「父親からも『あいつは同性愛者だ』とか言われてた」って証言があったのよ。
I:お父さんにゲイ活動がバレてたってこと!?
S:いや、私の勝手な推測だけど、「あいつはファゴット(オカマ野郎)だ」みたいなレベルだったんじゃないかしら。ムスリムとしての男らしさに欠けてたんじゃないかと。で、何度か結婚して、子どももできて、警備会社で働いて、お父さんからしたら「うまく矯正がいった」って感じだったと思うんだよね。
I:むりやり矯正しても、どっかで歪みが爆発するのよね……。
S:だから今回、アメリカ的要因を抜きにしたらどうしても連想せざるを得ないのが秋葉原無差別殺傷事件で。あの実行犯も母親からとんでもない虐待を受けて育って、もちろん事件は本人の責任だけど、ああいう育て方じゃなかったらこの事件も起きなかっただろうなと。
I:日本でも、隠れゲイの人ってまだいっぱいいるじゃない。結婚して家庭持ちつつゲイバーに通ったり。そういう生き方はできなかったもんかしらね。
S:生まれたときから厳格なイスラムの家庭だったら割り切るのも難しいでしょ。今回の事件を起こさなかったら容疑者が幸せな人生を送れたかというと、周囲の話を聞く限りそれも難しかったと思うのよね。先の秋葉原の犯人は母親から見捨てられる形で自立できたんだけど、親からの虐待ゆえか、対人関係がダメでどこ行っても勤められなくなっちゃったという。
I:本当、考えるだけで憂鬱になる事件だったわね……。

日本ってどうして……

S:今回日本における報道でわかったこともあったよね。これだけLGBTがどうこう言ってても、世間からは隠されちゃうもんだなって。
I:そうそう。ゲイクラブってのがこの事件の重大な事実だったのに、あまり報道されなかったんだよね。ちょっと事件を詳しく報道するときに「同性愛者が集う場所だったようです」とか言われた程度でね。
S:容疑者にゲイ疑惑が浮上してからは、もうほとんど報道されなかったわよね。日本特有の「臭いものにフタ」「見て見ぬふり」ってのはあるんだなあと思ったわよ。
I:単純に理解の範疇を超えちゃったのもあると思う。とある国際政治ブロガーっていうのがこの件について最初はISがどうたらこうたらって威勢よく記事を書き連ねてたんだけど、犯人のゲイ説が出てからぱったりとトーンダウンしちゃって。
S:どう触れていいかわかんなくなっちゃったんだ。
I:あと、LGBT関係で下手なこと言ったらバッシングされちゃうって、報道側も腰が引けてるのもあると思うんだよね。めんどくさそうだぞ、という。
S:下手な扱いされたら文句言うのは正しいと思うんだけど、LGBTがアンタッチャブルな存在になるのもなんだかなって感じね。

オーランド・プライドは10月8日開催!

I:最後にこの事件について言っておきたいのが、オーランド・プライド”Come Out with Pride Orlando”が10月8日に開催されるのよ。この時期、日本のゲイの多くは手軽な台北プライドに行くんだろうけど、それもいいけど、今年はちょっと特別だから時間と金をかけてオーランドに行ってみたらいいんじゃないかなって。追悼イベントもあるだろうし、もちろんプライドだから単純に楽しいイベントもあるだろうしね。もともとゲイシーンは華やかなとこだし、観光地としてもディズニー・ワールドユニバーサル・オーランドがあったりするし
S:パルスも営業再開してるかしらね。
I:たぶんね。意味のあるイベントになるはずと思うわよ。
S:私は、この件は考えると暗くなるだけだったんだけど、とりあえず愛って大事ね、みたいな気分になったわ。
I:どうしたの。気持ち悪いわよ。
S:バーやハッテン場で好みじゃない人を無下に断るときにも、ちょっとした優しさを持つことにしよう、と思ったわよ。
I:あんたは断るほうじゃなくて断られるほうよね。根本的なところ、間違えないでちょうだいっ!

■参考記事
フロリダ ゲイクラブ銃乱射事件 報道まとめ その2

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