実は超ゲイフレンドリー!大阪府西成区の驚くべき実態

謎の熱気が溢れる”釜ヶ崎”

伝統的に男色の文化が存在したまち、釜ヶ崎(現:大阪府西成区)。この地区にあるNPOで、カミングアウトしてアルバイトしている筆者が、西成区の魅力をご紹介いたします!

“釜ヶ崎”の由来:「オカマを先に、風呂に入れてやれ」?

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銭湯や商店街が複数生きている街。

という説も存在するように、男色の文化が色濃く存在したこのまちは、もともと労働者街です。現在でも日雇い労働者が数多く存在し、住人の8割は男性だそう。生活保護を受給する人、ホームレスになる人、住所不定の人、お酒やギャンブルに依存する人、バンドを組んで本を出版し平和を訴えデモに参加する人(元はアル中だった)など、さまざまな「おっちゃん」がいます。
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おっちゃんの話を聞くと、「10代の頃に労働者としてやってきたが、1日18時間働かされた。続けていくにはお酒を飲むしかなかった」という人もちらほらいました。実際、その世代の人は亡くなり、少なくなりつつあります。

大阪出身の人に話を聞くと、「西成は危ないから行かないようにと言われて育った」という声が上がります。偏見の大きい街です。実際、暴動が繰り返されていて、最新では2008年の第24次釜ヶ崎暴動です。「西成の人間だから」という理由で警察に対応してもらえなかったから、など考えさせられる理由も。「私は西成にいる」と言えば驚かれることは多いです。
だからこそなのか、すごく物価が安い!ぼろっちい商店街は活気があり、銭湯も大衆演劇場も生きている、昭和の情緒がこってり残る町並みはムード満点。撮影に訪れる人も多いそう。この「釜物価」により、一泊1200円~3000円という安宿が点在し、外国人のバックパッカーが集まります。大阪らしいユーモアに溢れた看板・昭和レトロの素敵なデザインの街並に混じって、日雇い労働のチラシも目に入ります。謎の熱気と活気に溢れた街(住人からは「そうかな?昔に比べればだいぶ静かになり人も減ったけど・・・」と言われることも)。
私が初めて訪れたとき、「そのうち、本当にお金に困ったらこの街で暮らせばいいじゃん!」と思いました。

筆者の夏バイト先;NPO「こえとことばとこころの部屋」通称ココルーム

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代表の上田假奈代氏(写真)は「喫茶店のふりをしている」と言い表すが、おっちゃんたちが注文できない日でもお店にいられるカフェ。毎年、無料で40~60の市民講座を提供する「釜ヶ崎芸術大学(通称、釜芸ーかまげい)」という事業の母体です。そして釜芸は、おっちゃんたちが通う市民大学です。
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横浜トリエンナーレという、日本最大級の国際展にも2014年に出場いたしました。出張人数50人!皆さんの応援に助けられ、クラウドファウンディングで旅費を工面しました。

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ゲイフレンドリーすぎるおっちゃんたち

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チラシを貼っているココルームの冷蔵庫は、おっちゃんが色をつけたそうです

もともと釜芸の講師にはセクマイの方がいたりと、LGBT関連の企画は行ってきました。2015年度の釜芸では「男女の色恋  女と男が、なにをする? でも、そもそもあなたが「男だ」「女だ」と、だれがいつ、なぜ決めたのだろう。」という講座が始まりました!

カミングアウトしても驚かない西成区のおっちゃんたち

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「おっちゃん」たちは、私のセクシュアリティ(Xジェンダー)についてとやかく言わない。LGBTの話をすると、「あの辺ハッテン場あるって」「あの辺は大阪の新宿二丁目やで!」と情報をくれるくらいです。ココルームのバザーを手伝うおっちゃんは「女装趣味のヤツが、目立たず買えるようにな。いい人多いからな」と言って、ステージ衣装や女性下着を正面から外したところに配置するほどです。「この間、『男女の色恋』という授業がありましたしな。男性女性というのは、資本主義による考えなんですってな」と言う人もいました。波瀾万丈な人生を生きてきた人ばかりです。家族と縁を切られたり、そもそも家族が亡くなっていたり、出身地の友人に縁を切られたり・・・。ちょっとやそっとでは、びくともしないのですね。

また、アートの事業所だからなのか、ゲイカップル・トランスジェンダーなど、LGBT当事者たちとも顔を合わせたり・・・。
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44回をむかえた夏祭での、浪曲の様子。
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合唱部も活躍!(筆者も合唱部としてステージに上がりました)

3日間続く祭りの最終日には、その年亡くなった身寄りのない人々が毎年300人ほど名前を読み上げられる、慰霊祭が行われます。どんどん世代が若くなり、西成の歴史を見てきた人々は亡くなりつつあります。

アクセス

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著者近影

〒557-0001 大阪市西成区山王1丁目15-11
tel&fax..06-6636-1612
営業時間:10:00〜19:00まで 〈日曜休み〉
●地下鉄御堂筋線・堺筋線「動物園前駅」2番出口から動物園前一番街を南へ徒歩約2分
●JR新今宮駅から徒歩約5分
ココルームでは、ボランティアや、インターンシップなど、お手伝いの人をいつも募集しています。
NPO法人「こえとことばとこころの部屋 COCOROOM」HP
(こちらに、日本語・外国語で大まかな説明が書かれています。)

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