トランスジェンダーのテディベアが登場する子ども向けの本が世界中から賞賛される
新しい子ども向けの本でトランスジェンダーの人々が直面する問題を扱ったところ、それが国際的な賞賛を集めている。作者のジェシカ・ウォルトンは、約3年半前に父親にトランスジェンダーだとカミングアウトされた。それがきっかけとなり、今回の本「Introducing Teddy」を執筆するに至ったのだという。
トランスジェンダーのテディベア
「心の中では、私は男の子じゃなくて、女の子のテディベアなんだってことは前からずっとわかっているの。」とトーマスは言った。
「ティリーって名前だったらよかったのにな。」
この話は、テディベアのティリーの周りへのカミングアウトを通じて、友情が変化していく様子を描いている。
オーストラリア人の作者ジェシカは、子ども向けの本の中でトランスジェンダーの親や主人公があまり登場していないと感じていたため、この本を自分の息子のエロールのために書いたと話した。
世界中から関心を集める
ジェシカにとってこの本は初めての作品だったため、クラウドファンディングを使用して自費出版で本を出すと決める前に、イラストレーターのドゥーガル・マクファーソンと組んで、これまでの出来事を物語に落とし込むのを手伝ってもらったという。
「Introducing Teddy」は人々の共感を呼び、2万ドル以上の資金を集めることができた。これは当初ジェシカとドゥーガルが希望していた額の2倍である。
このプロジェクトは国際的なメディアの関心も惹きつけ、2016年6月に独立系出版社Bloomsburyより世界全体に出版される予定だ。
ジェシカ、ティナのそれぞれの思い
「幼い子どもにとって本当によいこととは、子どもたちに自分の家族が関係する物語を読み聞かせる時に、物語の中に彼ら自身を発見できているとわかることなのだと思います。」
とジェシカは話す。
一方で、本は成功をおさめているにも関わらず、ジェシカは最初、ティナに本を見せるのが怖かったという。
「私が本を書いているとき、ティナは私のためにずっと近くにいてくれました。私は下書きを初めて彼女に見せたときは、彼女からのOKが欲しかったのですごく緊張していました。」
また、ティナは作品について以下のように話している。
「私は嬉し涙を流しました。本当に素晴らしくて、こんなに素晴らしいものが、こんなに美しく前向きな本ができるなんて。この本は違いについて、そして違いを受け入れることについての本です。私はこの本を見たとき、娘のを誇りに思いました。イラストも美しいし、物語には本当に人の心に訴えかける力がありました。」
また、この本には自分のアイデンティティに誇りを持ち、受け入れていくという強いメッセージが込められているとティナは考えている。
「私は誰にでも、正直になって認めなければならないけれど、それを隠してたいり恥ずかしいと感じていたりすることがある思います。けれど、そこから抜け出して自分らしく生きて、立ち上がって、誇りをもっていく必要があるのです。」
画像出典:Pink News