アメリカでトランスジェンダーへのヘイトクライムの報告数が3倍に

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トランスジェンダーへのヘイトクライムが急増

アメリカでトランスジェンダーのコミュニティを標的にした犯罪の報告数が急激に増加しているという。FBIの統計調査では、トランスジェンダー当事者へのヘイトクライムの報告数が1年間で約3倍に増加したことが発表された。

ヘイトクライム報告数の増加

11月16日にFBIによって発表されたヘイトクライムの報告数についての統計で、トランスジェンダーに対しての暴力や脅迫がかなり増加していることが明らかになった。トランスジェンダーへのヘイトクライムの報告数は2013年の31件から2014年の98件まで増加した。

一方で、トランスジェンダー活動家は、実際の被害数はもっとずっと多いはずだと述べる。

「私たちはこの数字が実際起きている事件の最低数だと思っています。」

とHuman Rights Campaignの法務局長は話した。

また、別の団体Trans People of Color Coalitionでは、トランスジェンダーを標的とした殺人が2015年に入ってから急増していると感じている。

「1月と2月には毎日殺人が起きていました。…とても怖いことです。3月までには2014年の1年間の合計死者数を上回りました。」

とTrans People of Color Coalitionの事務局長は付け加えている。

トランスジェンダー追悼の日

transgender day of remembrance

毎年11月20日はアメリカを中心とした国でトランスジェンダー追悼の日とされており、トランスジェンダーの尊厳や権利について考えていく国際的な記念の日である。

トランスジェンダー追悼の日は、トランスジェンダーというアイデンティティが原因で亡くなった人、またはそう推定される人をしのび、悼む日である。今年も2014年10月1日から2015年9月30日までの12ヶ月間で亡くなった271人のトランスジェンダー当事者を追悼したが、そのうち85%はアメリカ人とされている。昨年の全体の報告者数は226人であり、そこから被害者は増加する結果となった。

しかし、一般的にヘイトクライムの正確な被害者数を出すのは難しいとされている。実際の被害者のうち、どの程度が警察に報告しているのかの推定は困難であり、多くのトランスジェンダーの被害者の死は、警察に報告されていないと考えられている。

トランスジェンダーのコミュニティ内の混乱

「私たちトランスジェンダーのコミュニティにいる人たちは今、混乱しています。」

「これは本当に緊急事態です。」

トランスジェンダーへのヘイトクライムが増加している現状を受け、トランスジェンダーの女優のラヴァーン・コックス(Laverne Cox)はそう述べた。

一方で、彼女は「あなたがただ自分らしくいるだけで、あなたの生活が危険にさらされることがあってはならない。」と付け加えた。

アメリカと同様に、英国でもトランスジェンダーへのヘイトクライムについて増加傾向が見られている。ロンドンではヘイトクライムの報告数は、昨年の108件から135件へと、1年間で25%増加したという。

画像出典:Pink News

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