台湾の2大都市がパートナーシップ制度で協力
台湾では現在、台北(タイペイ)・高雄(カオシュン)・台中(タイジョン)の3つの市が同性パートナーの登録制度を導入している。そのうち台北市・高雄市は台湾では第一・第二の経済都市であり、両市が2016年1月から同性パートナーシップ登録制度を共同で運用していくことを明らかにした。今回の変更によって、台湾における同性カップルの生活が多少なりとも改善されることが期待されている。
台北市・高雄市の協働
台北市と高雄市は、2016年1月1日から登録されているパートナーシップの情報を共有することとなった。これにより、片方の市で登録を行ったカップルは、他方の市に引っ越した場合などに改めて登録を行う必要がなくなる。台北市では、2015年6月に同居する同性カップルに登録制度を認め始めてから11月までに44組のカップルが登録を終えている。
また、公式文書を取得したりパートナーシップ登録を解消したりする処理も、今回の変更によってより行いやすくなるという。
今回の変更を加えた理由
今回、パートナーシップ登録制度の運用にあたり台北・高雄両市が手を組むことにした理由について、民政部が以下のように発表している。
「同性カップルにもっと精神的な安心感を与えるため、また彼らが生活を送っていくうえで互いに約束したことを保証するためである。」
また今回の変更は「ジェンダーの多様性を実際に反映させ、同性カップルの権利を向上させるため」なされたものでもあるという。
台湾のパートナーシップ登録制度
高雄市では2015年5月から同性パートナーシップ登録制度を開始させた。これは台北市よりも早く、台湾初の快挙であった。それに続く形で、台北が6月17日から同様の制度を導入した。さらに10月1日からは台中市も、パートナーシップ登録制度を開始させている。
これらの登録制度では、日本の渋谷区の同性パートナーシップ制度と同様に、婚姻関係にある異性カップルと同等の権利が保障されているわけではない。しかし、過去には認められてこなかったが制度によって認められるようになった権利もあり、例えば病院でパートナーの手術同意書にサインができることなどが含まれる。
台湾では現在、同性婚は認められていない。同性婚に関する法案の第一読会が2013年に行われて以来、これについての議論は進められていないという。この法案は宗教団体などからの激しい反発を受けている。