一夜にして薬の価格が55倍へ
元ヘッジファンドマネージャーから、製薬業界のビジネスマンになった男が、致命的な病気のための薬の権利を買収し、一夜にして薬の単価を$13.5 から$750 にした。($1 = ¥100 にして、一錠¥1,350から¥75,000 にアップ)
55億円で薬の権利を買収
RAWSTORY によると、”Turing Pharmaceuticals” という会社の創業者かつCEOであるマーティン・シュクレリ(32)が”ダラプリム”という薬の権利を55億円で買収。買収の直前、”Turing Pharmaceuticals”は、90億円の資金調達を終えていた。
トキソプラズマ症の治療薬である「ダラプリム」
今回買収されたのは「ダラプリム」という薬で、この薬は”トキソプラズマ症”を治療するために用いられる。トキソプラズマ症は、赤ん坊、エイズなどによって免疫力が弱まっている人、そして一部のガン患者に感染する病気で、深刻で、命に関わる危険な状態に陥る。数年前まで一錠100円程度で売られていたが、薬の権利を持つ製薬企業が変わるにつれて少しずつ上昇していた。しかし今回の件のように55倍の上昇などということは今までなかったのである。
「もっと効果がある薬を開発するためだ」
今回の件に関して、シュクレリは、今回の件で得たお金を使ってよりトキソプラズマ症に効果があり副作用の少ない薬を開発するのだという。
「この会社は患者たちからお金を搾取しようなどというよく深い会社ではない。私たちはビジネスをやろうとしているのだ。多くの患者はこの薬を1年程度しか使わないし、私たちが新しく設定した価格は、稀な病気に対する治療薬としては他の薬と同じような価格だ。この件に関して私たちが批判を受ける筋合いはない。」
実は2回目…
シュクレリは2011年にも同じようなことをしていた。古い薬の権利を買収し、その価格を釣り上げるというものだ。シュクレリは当時の彼の会社だったレトロフィンという会社の取締役会で解雇された。その件に関して、彼は自分のヘッジファンドで怒っている投資家へ支払いをするために、レトロフィンを利用したということで、アメリカの高等裁判所はシュクレリを非難していた。また、あるアトランタのエモリー大学で感染症を専門とする教授は、「トキソプラズマ症は、現状の治療法よりも良い治療法が必要だと言われている病気ではないと私は思います」と語っている。
画像出典:RAWSTORY