ニューデリーでプライドパレード
インドのニューデリーにおいて、ジェンダーやセクシャリティの多様性を祝福し、そのLGBTの権利向上の必要性を社会に訴えるため、11月29日にプライドプライドが行われた。
賑やかな雰囲気で行われたパレード
29日、何百人ものLGBT活動家がドラムのリズムに合わせて踊り、カラフルなバルーンを手にしながらパレードに参列した。
このパレードの主催者らはプライドパレードはインドのLGBTコミュニティが近年達成してきたことを祝福する一方で、コミュニティが直面している根強い差別に光を当てて欲しいと訴えていた。
デリー・クィア・プライド委員会は、「自然の摂理に反する性行為」として同性愛行為を禁止しているインド刑法の第377条の廃止を訴えた。
インドにおける同性愛
10年以上に渡って、同性愛者は保守派がかなり強いインドの一部地域(特に大都市)においては、ある程度許容されてきた。インドの映画産業ボリウッドでも同性愛のテーマが取り上げられているものがある。しかし、未だに同性愛者であることは多くの場合恥ずかしいことであると捉えられ、同性愛者の多くはクローゼットのままである。
ニューデリーでデジタルマーケティング会社を経営するハーシュ・アガルワル(Harsh Aggarwal)氏は、進歩は見られるが、とてもゆっくりとしたペースであると語った。「しかし、変化は起こっているんだ」と強調した。
第377条をめぐって
2009年にニューデリー高等裁判所は、19世紀に制定された同性愛を禁止しているインド刑法の第377条は、憲法に反しているという判断を下していた。しかし、2013年になると、最高裁判所は、同性愛の性行為を禁止する法律は依然として合法であると、高等裁判所での判断を覆した。同性愛者の権利という点では、逆戻りしたことになる。第377条では、同性間での性行為を行った場合に、10年以下の懲役を課されることになっている。この法律は、イギリスの植民地時代に作られたものだ。
一方同29日には、インドのアルン・ジェートリー(Arun Jaitley)財務大臣が第377条について言及し、2013年に最高裁が下した保守的な判断を考え直す必要があると発言した。
「数百万人がこれ(同性間の性行為)に関係しているのなら、彼らを押しのけることはできない。」
また彼は、インドの同性愛者の権利に対する姿勢をより現代という時代にあった形に変えていく必要があるとし、第377条について50年前はその法律は「正しかった」だろうが、現在はそうではないと強調した。
画像出典:LGBTQ Nation