賛否両論の「ゲイ向け代理出産・卵子提供セミナー」海外メディアはどう取り上げた?

代理出産と卵子提供セミナー

「ゲイ向け代理出産・卵子提供セミナー」への海外メディアの反応は?

ゲイカップルを対象とした代理出産と卵子提供についてのセミナーが本日19日、渋谷で開催される。ゲイ向けの代理出産ビジネスの到来に、国内では賛否両論、様々な意見が飛び交った。一方、米メディア・ADVOCATEでは、今回のセミナーの共同開催者であるカリフォルニア・ファティリティ・パートナーズ代表のガイ・リングラー(Guy Ringler)医師が、セミナー開催に向けての意気込みを語っていた。

代理出産と卵子提供セミナー

ガイ・リングラー医師の思い

日本では、これまでLGBT当事者や同性カップルが子どもを持つということについて、公に話されることはなかった。

リングラー医師は、これまで仕事をする上でHIVポジティブの人や同性カップルなどの子どもを持つことが難しいとされてきた人々に、その実現を可能にする手段を提供することを大切にしてきたという。彼は、諦めかけていた夢が叶うかも知れない、と希望を見せる人々の顔ほど喜ばしいものはないと語った。

日本の法律と生殖補助医療

日本ではLGBTに対する法的保護や社会的認知度は、米国に比べて30年ほど遅れている。今回、パートナーの東小雪さんとともにセミナーを主催する増原裕子さんはリングラー医師にそう話したという。日本のLGBTの家族形成のためのサービスも進んでいるとは言い難い。

実は代理出産は、日本の法律では禁止されていない。しかし、日本産婦人科学会のガイドラインでは、代理出産は禁止されているという。そのため、代理出産を勧めた医師は医師免許を剥奪される可能性があり、事実上禁止されているのと大差ない。

また、人工授精や体外受精も違法ではない。しかし、それらを受けることが出来るのは、異性カップルに限定されている。ドナーから精子提供を受けることが難しいため、シングルの女性やレズビアンのカップルも子どもを設けるのが難しい現状にある。

LGBTの家族形成の可視化へ

リングラー医師は、このセミナーが日本のLGBTにとって、夢が実現する大きな一歩になればよいと語っている。彼は、今回のセミナーは、日本のLGBTの家族形成についての可視化につながると考えているという。米国の卵子提供や代理出産の専門家から、家族形成のための様々な方法について共有する機会となる。

最近の調査によると、日本のLGBTのうち、子どもがいる割合はわずか4%だという。その一方、米国では生殖補助医療などに関する法制度が整えられ、利用もしやすくなったことでその割合は急激に増加していると、リングラー医師は述べる。

一方、カリフォルニアでは非常に進んでいる代理出産だが、米国全ての州で認められているわけではなく、ニューヨークやミシガンなどの人口の多い州では違法とされているという。

セミナーに対しては国内から反発の声も

今回は米メディアの記事を取り上げたが、これはセミナー開催側の医師が書いたということもあり、LGBTのための生殖補助医療に肯定的なものであった。しかしこれに関しては、両親がゲイであるかという問題以前にも、代理出産自体がはらむ代理母や卵子提供者となる女性の権利保護や子どもの人権問題、さらには男女の非対称性など、様々な観点からの反発の声も寄せられている。

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