日本とはこんなに違う!ベルリンで同性婚してわかった3つの真実

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ヨーロッパのゲイの首都、ベルリン

僕はドイツで同性婚をし、現在はドイツ人パートナーと共にベルリンで暮らしています。ベルリンはゲイフレンドリーな街として有名で、ゲイやレズビアンカップルに対する差別は法律でしっかりと禁じられています。また、マイノリティーであるLGBTが社会にしっかり受け入れられているため、ベルリンは僕たちのような同性カップルにもとても住みやすい街です。そこで、ベルリンに住んでわかったベルリンが同性カップルにとても優しい街である3つの真実をご紹介します。

1. 同性婚が当たり前

初めて僕がベルリンへ引っ越してきてまず感じたのはベルリンの人たちがとてもゲイフレンドリーだと言う事でした。僕たちがゲイカップルだという事を知っても誰も驚きもせず普通に接してくれます。

例えば部屋探しの時にも、「僕たち結婚したので住むところを探しています。」と言っても驚く事もなく、そのまま会話は続きます。新しく知り合った友達になぜドイツに来たの?と聞かれた時もドイツで同性婚をするために引っ越してきたんだと伝えても誰も驚かず、平然と会話はそのまま会話は続きます。
そのくらいベルリンでは同性婚が社会に受け入れられているのです。街を歩いていても手をつないで歩いている異性カップルの隣を、同じく手をつないで歩いている同性カップル。カップルの多い映画館へ行けば異性カップルと同様に映画を見ながらいちゃいちゃする同性カップル。これがベルリンの日常です。

2. ゲイカルチャーの中心地

ベルリンのゲイカルチャーには長い歴史があります。現在では世界の各地で開かれるようになったセクシャルマイノリティの人権を訴えるゲイプライドですが、ヨーロッパで初めて同性愛者の人権を訴えるパレードが行われたのがこのベルリンでした。もともと、第二次世界大戦後も続いていた同性愛行為を禁止する法律、「Section175」に反対した同性愛者たちが19世紀末にベルリンで始めた運動でした。そのため、ベルリンは「ヨーロッパのゲイの首都」と言われています。
そして、その長いゲイカルチャーの歴史の中で中心地となってきた場所がシェーネベルク(Schöneberg)にあるNollendorfplatzという場所です。
現在でもヨーロッパで最大と言われているGay FestivalはこのNollendorfplatzで開催されたりしていますが、ゲイバーやクラブはベルリンの街のあちらこちらに点在し、ゲイカップル達もそれぞれベルリンの好きな地域で暮らしていたり子育てをしたりしています。このようにベルリンでは同性愛者も異性愛者も壁を作らずにお互いを尊重し合いながら一緒に暮らしています。ゲイバーやゲイクラブも通常のクラブと同様にベルリンタウンのみではなく、街のいたるところにあるのです。

3. 大人気だったベルリン元市長がゲイ

2001年から2014年の13年もの間、ベルリンの市長を勤めたクラウス・ヴォーヴェライト氏(Klaus Wowereit)。彼はベルリン市長選挙前の党大会のスピーチにて、「私はゲイですが、それもまたいい事です。」(Ich bin schwul, und das ist auch gut so!)とカミングアウトをし大いに注目を集めました。彼の発言「und das ist auch gut so!」のフレーズは流行語にもなったそうです。

その後市長に就任した事でもベルリンの人々がどれだけゲイフレンドリーなのかがわかると思いますが、その後も彼の人気は衰えず、テレビドラマに本人役で出演したりととても人気のある政治家だったようです。このような市長がいたこともあり、ベルリンの街はますますゲイフレンドリーになっていったのではないでしょうか。

ベルリンの人口は約345万人、そしてベルリンには約30万人の同性愛者が暮らしています。日本に住んでいると他の国の同性愛者たちがどのような生活を送っているのか知る機会はあまりないと思いますが、沢山のヨーロッパの国ではマイノリティーであるLGTBの権利が保証されていて、沢山のLGBTが幸せに暮らしています。

外国はアメリカだけじゃない!

また、多くの日本人にとって外国はアメリカであり、アメリカが世界であると思っている人が多いように感じます。ところが世界はアメリカのみではなくもっと広いものです。日本やアメリカよりも進んでいる国は沢山あります。ヨーロッパの国々がその良い例です。少なくともLGBTに関してはアメリカや日本よりも理解が進んでいるように僕は思います。沢山の先進国が集まっているヨーロッパの国々は互いに刺激し合いながら常に前進しています。日本もアメリカ以外の国へもっと目を向ける事が出来れば人々のLGBTへの理解も深まるのではないでしょうか。
日本の経済力や技術は先進国の中でも進んでいると思います。ところが、人権問題や政治、労働環境の問題と言った事では先進国の中では遅れています。そのような面で進んできるヨーロッパ諸国に目を向け、そこから倫理を学びとる事ができたら日本の暮らしもLGBTにとってもっといいものになるのではないでしょうか?

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ABOUTこの記事をかいた人

高校、大学の6年間をアメリカで過ごしたあと、2004年5月に日本へ帰国。働き始めると同時期に、今のパートナーと日本で出会い、すぐに同棲生活をスタート。 パートナーの出身国であるドイツでは同性婚(正式名所はパートナーシップ)が可能なことから、将来を考え、ドイツへの移住を決意。同棲から10年が経った2014年12月にドイツにて、パートナーシップを行い、 現在は新しい家族(ラブラドール レトリバーのメス)と共にベルリンで暮らす。