「死にたい」と思う若いゲイの人たちへ。私も、死のうと思ったことがありました。

gay teen suffer

思春期の苦悩と将来への不安、そして自殺願望

僕は幼稚園の頃にはすでに男の子が好きでした。中学生になると自分を偽りなからの生活が息苦しく感じながらも、周りの目を気にして誰にも何も言えませんでした。そして、このまま永遠に自分を隠しながら生きて行けるのかととても不安に思っていたのを今でもよく覚えています。

中学も後半になると進路を決めなくてはならなくなり、それとともに、将来について考える機会が多くなりましたが、その当時の僕には同性愛者の知り合いもおらず、今のようにネットもなかったので、そういう人たちがどういうように暮らしているのか知る術はありませんでした。

そんなある日、テレビを見ていると、「新宿二丁目に潜入捜査」というような、ドキュメンタリー番組が放映されていました。
番組では、潜入捜査をしているレポーターが新宿二丁目と思われる街角に立っていました。そこに、見知らぬ男性がレポーターに声をかけ、誘ってきました。今考えればこれはとても普通の行為で、異性愛者であれば普段いわゆるナンパという行為として一般的に行われている行為だとわかりますが、その番組ではそれがとても悪いことであるかのように恐ろしい語り口と音楽を付けて放送されていました。

この放送から、僕は同性愛はいけないことなのだと学びました。

そして、同性愛者である僕の将来とは他のクラスメートとは違い、結婚もできずに子供も持てず、ただ一人で毎日寂しく暮らし、そして死んでいくのだと悟りました。悩みを誰にも打ち明けられず、自分でもどうすればいいのかわからず、孤独で寂しい日々が続きました。そして、そんな希望のない人生ならば今終わらせてしまった方が幸せなのではないかと思い、何度か包丁を手にしたことがありました。でも、行動に移す勇気がありませんでした。

同性愛者の3人に2人が自殺を考えたことがある

同性愛の若者の自殺率はとても高いです。

日本でも統計が出されており、ちょっと古いのですが、2005年に京都大学大学院科学研究科の日高康晴氏(現在は関西看護医療大学講師)がインターネット・ホームページ上で6000人のゲイ・バイセクシュアルの男性を対象に行ったアンケートでは3人に2人がこれまでに自殺を考えた事があり、14%は実際に自殺未遂の経験がある事が分かっています。(2005年8月-11月調査実施)
ただ、自殺した同性愛者の実態は亡くなられた方がゲイやレズビアンであったかどうか、またそのような事で悩んでいたかなどを把握する事ができないために事実の把握が難しく、実際の自殺率に関しては把握ができていないのが現状のようです。

一方、欧米では調査が過去20年間で頻繁に行われ、その自殺企図率(自殺を企画し、図ること)の高さが問題視されています。思春期のLGBの自殺企図率が20-40%で、そうではない高校生全体の自殺企図率は7-13%と推定され、LGBの自殺企図率はそうではない高校生に比べ数倍高いという結果が出ています。(引用元:http://www.nhk.or.jp/heart-net/mukiau/shirou3.html)

生きていれば、道は必ずある

若い時には、嫌な思いをする事があるかもしれません。

それは日本の社会ではまだ同性愛者がからかいの対象であったり、笑いの対象になる事が多い事や、年配の方や地方に住んでいる方の中には未だに同性愛についての理解ができていいないため、同性愛に対して嫌悪感を抱いている方が少なからずいることは確かです。そして、そのような人たちが同性愛についてネガティブな発言をするのを耳にして、傷つく事があるかもしれません。また、同級生などからからかわれる事があるかもしれません。

でも、自分が間違ってるだなんて、思わないで。

今あなたがいるその小さなコミュニティーでは同性愛は非難の対象になっているかもしれません。でも、それはそのコミュニティーが間違っているのです。すでに他のたくさんの国では同性愛に対しての意識は変わっています。マイノリティーである同性愛者にも幸せに暮らす権利があり、結婚する権利を保障しています。それぞれ好きになる人が違うように異性を好きになる人がいれば、同性を好きになる人が居るのはとても自然な事であり、自然界でもたくさんの動物の同性間の性行為が確認されています。
そして、世界にはたくさんの人がこのことを理解し、あなたと同じように同性を好きになり、同性のパートナーと幸せに暮らしている人たちがいます。僕もその一人です。僕も学生の頃は苦しみ、悩みました。死んでしまった方が楽なのではないかと思った時期もありました。でも、今はそれを行動に移さなくて本当によかったと思っています。

2014年12月、僕は日本で知り合い10年間付き合ったドイツ人の彼と同性婚(正式にはパートナーシップ)を行い、ベルリンで暮らしています。ベルリンではたくさんの同性カップルが暮らしており、街中を手をつないで歩いているのをよく見かけます。中には養子をとって子育てをしているカップルや、ゲイカップルとレズビアンカップルとで協力しながら子供を作り育てている人たちもいます。

若い期間は人生の中ではほんのひと時です。学校生活を終えれば自由が待っています。自由になった時、今居るコミュニティーが同性愛に対して理解がないのであれば、そこを出ればいいのです。

そのために、若い時に準備をしてください。勉強を頑張って、どこででも暮らしていける語学力と知識、技術を身につけてください。そうすればありのままのあなたを受け入れてくれるコミュニティーは沢山あります。そして、自由を手に入れたのであれば、たくさんゲイの友達を作ってください。そこでは今まで隠していた本当の自分に戻ることができ、今よりも楽しく暮らす事ができるはずです。そして、年を重ねる度に人生は楽しく、豊かなものになるはずです。

今は苦しんでいるとしても。いつかきっと楽しい幸せな時がやってきますから、
画像出典:When being gay was illegal in England

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ABOUTこの記事をかいた人

高校、大学の6年間をアメリカで過ごしたあと、2004年5月に日本へ帰国。働き始めると同時期に、今のパートナーと日本で出会い、すぐに同棲生活をスタート。 パートナーの出身国であるドイツでは同性婚(正式名所はパートナーシップ)が可能なことから、将来を考え、ドイツへの移住を決意。同棲から10年が経った2014年12月にドイツにて、パートナーシップを行い、 現在は新しい家族(ラブラドール レトリバーのメス)と共にベルリンで暮らす。