ゲイの精神科医Tomyのお悩み相談室 「20歳ゲイです。僕はうつ病でしょうか?」

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ゲイの精神科医Tomyの恋愛相談室

ゲイの精神科医のTomyさんがゲイの人々からの相談に回答します。

K.Sさん 20歳ゲイ男性「僕はうつ病?」

相談者からのご相談

2日前に、1年つきあってきた彼に突然別れを告げられました。でも、僕はまだ彼のことが大好きなんです。寝ようとしても彼のことばかり考えてしまって夜もろくに眠れません。仕事に行くのもせいいっぱいです。食事も無理に詰め込むような感じで、自分でもわかるぐらいやつれてきました。もしかしたら僕はうつ病になったんじゃないでしょうか?精神科に行ったほうがいいのでしょうか?

Tomyの回答「心因反応」

今は、まだ別れを告げられたばかりで、急性期。まだショックの真っ最中にあるわけで、感情も不安定なの。眠れなくなったり食欲がなくなったりすることも充分ありうるわ。

でも、これがすぐに病的な状態かというと、そうとはいえないの。辛いことがあれば、不眠や食欲の低下が起きるのはむしろ正常な反応なの。

もちろん実際に、失恋が理由で不安定になり、精神科に来られる方もいらっしゃるわ。でも、たいていは軽い睡眠薬か、精神安定剤を頓服でお出しするぐらいで、「しばらく様子を見ましょう」ということが多いわね。

アナタの今の状態は、「心因反応」というものが一番近いでしょうね。心因反応の特徴は、次のようなものです。

  1. 発症の原因となる明かな体験がある。
  2. 原因となった体験と症状の間に、ある程度関連がある。
  3. 原因がなくなるか、時間が経つにつれ、症状が軽快、改善する。
  4. 症状は基本的に完全に元に戻る。体だって、怪我をしたときは血が出るし、真っ黒になる。痛みもする。でもしばらくすれば、傷は治る。心だって同じ事なのよ。

ただ、いつまでも症状が改善しない場合は、うつ病などの別の疾患について考える必要が出てくるわ。失恋の心因反応はうつ病じゃない。でもこじらせれば、うつ病になることもあり得るというわけ。

概ね目安としては、1~2週間ね。特に不眠が一週間以上も継続されるのであれば、一度精神科を受診したほうがいいでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

1978年生まれ。某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。研修医修了後は精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務する。オネエ口調で読者からの相談に乗るブログ「ゲイの精神科医Tomyのお悩み相談室」が話題となり、最高一日6万PVを達成。自らがゲイとしてのアイデンティティに悩み、乗り越えた経験を生かしながら、オカマキャラ炸裂で舌鋒鋭く斬り捨てる人は斬り、悩む人を救うべく活動を続けている。『オネエ精神科医が教える 壊れない生き方』(メディアファクトリー新書)『悩める女子たち、みーんなラクになれるわよ!』(大和出版)、『おネエ精神科医のウラ診察室』(セブン&アイ出版)『アンタたち治るわよ!』(講談社)など著書多数。ブログ「ゲイの精神科医Tomyのお悩み相談室」を運営。