【イベントレポート】映画『ムーンライト」試写会で泣いた自分はつまり、さびしいんだと思います。

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3月28日に渋谷区の映画美学校にて「ムーンライト」試写会兼トークイベントが開催されました。
アカデミー賞を受賞したことでより注目度が高くなっている本作品について、一個人、一ゲイとしての感想を映画好きのゲイ、OTにレポートしてもらいました。
本記事内には多少の作品内の描写、簡単なあらすじ等が含まれますので、全く前情報なしで映画を見たい!という方は、映画鑑賞後に改めて読んでいただければと思います。

 

 

 

言わないだけで、多くの人が孤独なんじゃないか。

どうも、映画好きのゲイ、OTと申します。先日の3月28日、東京都内で行われた『ムーンライト』試写会に参加し、大変感動した件についてご報告させてください。

本作は、ゲイの主人公シャロンの幼少期、少年期、青年期を追っていく、かなりシンプルな構成の映画です。
長く続く激しいイジメと、ドラッグにはまる母親との愛憎、そして秘めた片想い、それら全てに魂を焼き切られながら大人になっていくシャロンは、ある事件をきっかけに生まれ変わることを誓います。

そこから分かりやすい「強さ」を求め、目に見える変化をたずさえてく彼。
鍛え上げた肉体は強靭そのもので、ゴールドのアクセサリーを身にまとい、自信に満ちた表情で後輩をしかりつけるようになっていきます。
順風満帆とさえ思っていたのかもしれません。

でもそんな彼に、ある日一本の電話がかかってくる。
そこから物語は、クライマックスへと向かいます。それは、“あの人”からの電話でした。……この続きは実際に観て確かめてください。
孤独な海を泳ぎ続けた人の、ひとつの終着点が描かれていると感じました。

 この映画が作品賞を取るというのは、多くの人が、当たり前のように流れる生活の中、実はつかまる場所もなく、足もつかず、静かに溺れまいと生きているということなんじゃないかと思いました。

僕もその一員で、ラスト10分は猛烈に号泣(笑)。

「あぁ、自分って東京来てがんばってるけど、さびしいんだなぁ」と思いました。
全ての人が温かいハグと共に眠れる日がくればいいのに。『ムーンライト』は、そんな偽善的かもしれない祈りを持つことを、優しく許してくれる、そういう映画だと思います。

 ちなみに、俳優が途中で二度切り替わるのですが、二回目は「別人やん!」と言いたくなるような変化で、最初「どんだけ〜!」という気分でした(笑)。が、主演俳優トレヴァンテ・ローズの演技が凄まじい。もう、シャロンにしか見えないんです。「演技」の偉大さを実感できることも、この映画の魅力かと思います。

 また今回、試写会後は渋谷区男女平等・ダイバーシティ推進担当課長の永田龍太郎さんと、東京レインボープライド共同代表理事の杉山文野さんによるトークセッションがありましたが、こちらも深く考えさせられる機会となりました。

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「ひとりの『幼少期のLGBT当事者のリアルとイジメ』が描かれた映画がこれほど注目されたことはこれまでになく、大変意義深いと思う」

「日本は欧米などに比べて、目に見えるヘイトクライムなどは少ないが、同調圧力が強く、真綿で首を絞められるような逃げ場のなさを感じているLGBT当事者の若者も多いんじゃないか」

そういった話をされていました(と僕は理解しました)が、自分自身幼い頃は悩んだ身なので、とても納得感がありました。
この映画を通じて、“LGBT”にまつわる話は、大人の「性の話」ではなく、幼少期からも始まり得る「人生すべての話」だと、もっと多くの方に伝わることを願います。
こんなシンプルな話に作品賞を贈った米国アカデミー賞見直しました!
ぜひ皆さん、劇場に足を運んでみてください。

ムーンライトは3/31(金)より、TOHOシネマズシャンテ他にて公開中
ムーンライト公式ページはこちら

ムーンライトのアカデミー賞受賞に関する記事はこちら

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