LGBTと選挙や政治について、区議会議員に聞いてみた

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台東区議会議員 本目さよさんにインタビュー

現役の台東区議会議員である本目さよさんは、自身が30代女性であるという視点を活かし、子育て支援を推し進めている。そんな本目さんは社会的弱者という共通点からLGBTにも積極的に興味を示し、「当事者と話したい」と自身のブログに書いている。そんな彼女に、LGBTと選挙に関してお話を聞いた。

「今の政治では、若い女性の声が理解されていない」という想い

みなさんこんにちは。本目さよと申します。今の政治の世界は年配の男性の方が多く、私たち若い女性の声は理解されていない、反映されていないんじゃないか、という想いから政治を志し、議員をしております。私はずっと前から、「性別に関わらずやりたいことができる社会を作りたい」という想いがあり、それを達成するためにどうしたらいいんだろうと考えていた時に、ある人から「政治の道ならできるんじゃないか」とアドバイスを受けました。それまでは選挙のこともよくわからないくらいだったのですが、一生懸命勉強し、なんとか議員になりました。

女性は、女性に生まれて良かったと思う人が男性より少ない

ちょっとした余談になるのですが、私は高校時代、セーラー服が嫌だったんですね。セーラー服って寒いんですよ。学ランだと肌着、シャツ、セーター、学ランって四枚切れるじゃないですか。セーラー服だと肌着、セーター、セーラーで三枚しか着れないんです。足元はスカートで寒いし、朝礼の時、コートは脱がなきゃいけなかったんですね。「ずるくない?」とずっと思っていました。そのことがきっかけで、なんで女子はスカート何だろう、環境のせいなのかなど、ジェンダーというものに興味を持ち始めたんです。大学時代の研究の一環で、「男性に生まれてどう思いますか、女性に生まれてどう思いますか」、という質問を同年代の人にしたんですが、女性は良かったと答える人が男性より少なかったんですね。

その理由には「出産」というキーワードが深く関連していたんです。出産によって仕事を辞めなきゃいけないとか、やりたいことできなくなるとか、生理が辛いとか。大学院では育児ストレスの研究をしていました。研究で社会を変えられればいいんですが、それにはすごく長い時間がかかってしまう。だからまずは社会に出て、本当に育児休暇をとれるのか、本当に会社を辞めなくてはいけないのかを体験したい、そしそういう制度を整備して働きやすい会社を作りたいと思って、就職しました。

「台東区では、(LGBTへの取り組みは)ほとんど進んでいない」

私は民主党に所属しているのですが、その関係で当事者の方たちにヒアリングをする会があって、そこに参加してきました。しかし、台東区でどうかというと、ほとんど進んでいません。あるとすれば、去年の12月の男女平等推進基本条例が議員条例が可決されたんです。その中の男女の定義に、「すべての性的指向とすべての性自認の人を含む」という風にしたんですね。その言葉から派生させて、今後推進してたいと思っています。

また台東区の生涯学習センターには図書館と、パソコンをレンタルするスペースがあり、そのパソコンは有害なアダルト系や暴力系のサイトにフィルターにかけているのですが、当初そのフィルター項目の中に「同性愛」が入っていたんです。先ほど話した条例も可決されたのに、性的指向だけでフィルタリングするのは差別じゃないかと、ずっと言い続けていました。
表立ってではなく、直接担当の課長に行って話したりして、長くかかりましたが最終的にはフィルターは外してもらえました。「同性愛」をフィルタリングすることで、エイズ予防のサイトが引っかかってしまっていました。子供達が同性愛について調べた時、助けてあげるよって言っているNPOとかに辿り着けないなんて、おかしいですよね。

また、教科書についても進めています。「思春期になると自然に異性を好きになります」という文章が載っている教科書があるのですが、調べたら台東区はその教科書を使っていたんですね。今年は教科書を選ぶ年ですので、変えられたらと思います。

LGBTの差別禁止法は「今の国会に受け入れられるのは難しい」

個人的な意見ですが、LGBTへの差別を禁止する法律案が今の国会に受け入れられるのは難しいと思います。自民党の方はトランスジェンダーに関してはだいぶ寛大なんですが、レズビアン、ゲイに関してはあまり前向きではない印象を受けますね。渋谷区の議会を傍聴していた際、「性同一性障害は配慮するべきだけど。病気の問題ですから」などといった発言をしている人もいました。根底には、家族っていうのは男性と女性で、子供がいるんだっていう保守的な価値観があるのだと思います。

私は区議なので国のことはわかりませんが、地方でいうと、東京から離れれば離れるほど年配の方が多く、女性も少ない。LGBTのこととなるともっと理解がないでしょうね。年齢でいうと、若い人とかはそういったことに比較的寛容だと思います。普通に受け止められている方が多いです。しかし60代の方となると、それ私わからないんだよね」と平然と言ってしまうような現状です。

LGBTって政治では取り上げづらいですよね。私でいえば当事者の知り合いが周りにいなかったことが大きいですし。それに、とても言いづらいことですが、支持を得られない、つまり票になるかわからないんです。私が押し出している「子育て支援」ですら票にならないと言われるんですね。若い世代は投票に行かないので、投票に来る高齢の方向けに施策を打ち出していったほうがいいと。LGBTとなると、本当に顔が見えない。票が得られるのか、むしろ言うことで票を失ってしまわないか、という悩みはありました。

「全員が全員強いわけじゃない、弱い人もいていいと思う」

2回目の選挙をちょうど終えたんですが、実は今回正直言うと選挙出るかどうかを悩みました。政治家は「鈍感力」が高いほうが向いているといわれているんですね。打たれ強い、何か言われても気にしないという人のほうが長く続けることが可能だと。それが私にあるかと言われたら、ないです。でも、全員が全員強いわけじゃない、弱い人もいていいじゃんと思うんです。32人いる台東区議会の中で、一人くらい弱い人がいて、弱い人の気持ちがわかって代弁するっていうのも大事だと思います。
LGBTの話題についても、いまの台東区議会の中で発言する人がいるとは思えないんですね。私がいなくては、誰も何もしない、議事録にさえも残らない。私はマイノリティの代表としているつもりです。まだ私のやることはあるんだろうなと思い、続けております。

「あ、区民の中にやっぱり当事者がいるんだ。」というのは、政策を進める上で大きな力になります。

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可能ならば、LGBTのみなさんには、お住いの地域の政治家にコンタクトをとっていただけると嬉しいなと思うんです。「あ、区民の中にやっぱり当事者がいるんだ。」というのは、政策を進める上で大きな力になります。公表してほしくないというのであればもちろんしません。こういうので困ってるというのがあれば教えていただきたいです。私たちの方から必至につかみには行きますが、それだけでは不十分ですし、その他の区の課題もあります。ですから皆さんの方からも歩み寄っていただければと思います。

台東区は小学校も制服が多いので、女子はスカートが多いんですね。台東区一学年1000人くらい子供たちいるのだから、1人くらい私と同じ思いをしている子がいるのではないかな、と。だから教えて頂きたいです。なにか政策を通そうにも、「そういう事例があがってません。」と言われてしまって、結局何も進められないんです。
人に迷惑をかけない限り、その人の考えだったりその人の行動だったり思いだったは自由だと思います。『みんな違ってみんないい』っていうのを、みんなが受容できる社会でありたいなと思いますね。

とても丁寧かつ謙虚であり、政治家らしさを感じさせない方であった。「自分のお父さんくらいの方から『先生』と呼ばれてしまうので、偉ぶらない用に気をつけなくてはといつも思っています。」とにこやかにおっしゃっていた。

政治の世界におけるマイノリティとして奮闘しておられる本目さん。今後の彼女の活躍を心から応援したい。

via 子育て本命!〜優しい政策〜 台東区議会議員 本目さよのブログ

Perch

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