【連続アンケート企画】LGBTと家族 その4〜私と家族の関係〜

切っても切れない関係。それが家族の絆です。

自分のセクシャリティに気づいた時、驚きや不安と共に
「家族にどう話せばいいのだろうか?」
「家族には絶対秘密にしなきゃ」
そんな相反する思いを抱いた方も少なくないでしょう。

この「LGBTと家族」は、
セクシャル・マイノリティの家族への考え方、関わり方を
より多くの方へのアンケートから探っていこうという企画です。

様々な方の体験したこと、考えたことの中には
あなたが共感できる事例も見つかるかもしれません。

※「LGBTと家族」では、様々なセクシャリティの様々な世代の皆様の家族との関わりをご紹介したいと考えています。セクシャル・マイノリティの皆様、是非アンケートにご協力ください。
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LGBTと家族 No.014
2度と会いたくない両親の存在を考えるのも苦痛

バイセクシュアル、身体は女性・性自認は男性(33歳)家族構成:パートナー、父、母、妹

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
中学生になるくらい。

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
レズビアンなのかと思っていたが、心の中でつじつまが合わず混乱した。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
パートナー
交際する時に現在のパートナー(ストレートの男性)に。
男女関係なく、家庭の役目をこなしている。

Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
時に女性として見てしまうこともある。
それだけはどうしようもない。
ただ『パートナー』と呼び、『彼女』『妻』などの名称は極力使わないようにする。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
父親に「女らしくなれ」と言われ続け、苦痛だった。 母親からは「女である以上、絶対に幸せにはなれない。一生男の奴隷だ。」と言い聞かせられつづけていたので、もしかしたら、それに対する嫌悪から自分を女性と認めたくないだけなのかもしれないと思っている。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
両親には2度と会いたくない。存在を考えるのも苦痛。 ただ、妹だけは救いたかった。 今のパートナーに出会えて自分は「男性」としてでも「女性」としてでもく、一人の人間として幸せになれた。

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LGBTと家族 No.015
少しでも理解してくれようとしている母

ゲイ(40歳)家族構成:母親と同居

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
小学生の頃。プールの授業の時に、担任の若い男の先生の股間を目で追っていた。

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
自分は変なんだな、と。いずれ女性を好きになるだろうとも考えた。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
つい最近、同居している母親に。
初めは戸惑って、罵られたりもしたけれど、しばらくしたら何とか気持ちの整理をつけてくれたよう。
その頃にはパートナーの紹介も出来た。

Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
肯定的な「何で言ってくれなかった」と、否定的な「マトモな人を産めなかった」かな。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
以前はLGBTの人が出ていると、その人を否定するような言葉が多かったが、少しでも理解しようとネットで調べたりしてくれている。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
内孫を残せなくて申し訳ない気持ちと、ずっと孫を期待させていた事への申し訳ない気持ちと、少しでもゲイについて理解しようとしてくれている事への感謝。

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LGBTと家族 No.016
自分にとって当たり前が伝わらない不思議

アセクシャル若干Xジェンダーのクエスチョニング(24歳)家族構成:父、母、妹、弟

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
スカート・女性用下着が苦手なことについては12歳ごろ。
恋愛しないことについては18歳ごろに周りとの違いを自覚。
アセクシャル、Xジェンダーという言葉を知ったのは22歳。
アセクシャルXジェンダー寄りクエスチョニングだと自認しはじめたのは24歳。

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
周りと違いを感じ始めた時は「なんでこんなに当たり前のことを言っているのに伝わらないのだろう」と不思議だった。
アセクシャルという言葉を見つけて自分が当たり前だと思っていた感覚はマイナーなものなのだと知り「今まで誰に言っても理解されなかったのは自分の感覚が特殊だったからなのか」と納得した。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
いいえ
アセクシャルという言葉が、家族にとって、自分を理解する助けにはならないと思うから。むしろ混乱させたり誤解を生んだりする可能性の方が高いので、自分のセクシャリティについて解説する必要性を感じない。

Q,今後、家族に話す機会があると思いますか?
いいえ
恋愛観について家族と語ることがないから。自分が”女性らしい”格好を好まないことは家族は既に知っているし、恋愛をしたことが無いことも知っている。
親は単にさばさばした娘だと思っているのかもしれないが、それで充分だと思う。恋愛抜きに人生のパートナーとして結婚できる相手を見つけられれば、家族から見て”普通の”女性として生きていけるから。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
特にそういう話になることがなかった。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
セクシャリティに限らず、あまりお互いのプライバシーに踏み込まない家族だから適度な距離感を保てるのだと思う。
恋愛の話が苦手なのも察してくれていて、あまりそういう話にならない。
恋愛感情を持たないがゆえに社会生活を送る中で困難を感じることも多々あるが、家族の中ではあまり不都合を感じたことが無い。
価値観を押し付けず過度な理解も求めない、適度に距離感が保たれた関係だからかと思う。

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LGBTと家族 No.017
家族に隠し続けるのは自分が辛い

バイセクシャル(16歳)家族構成:母親、中学生の弟2人、自分(高校生女性)

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
14歳の時、バイセクシャルという言葉を知って初めて、私はこれだと思いました。
でも実際は小学生の頃から同性にも恋愛感情を持っていたのを覚えています。

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
驚きはしませんでした。
でも、何か人に言えない、大きな秘密に気づいてしまったような気がしました。
なんとか自分を誤魔化して、バイセクシャルという事実から目を背けてました。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
いいえ
まず、自分で自分を受け入れるのにとても時間がかかってしまったからです。
自分ですらなかなか受け入れられなかった事実を、親や兄弟に伝えてすぐ受け入れられないだろうし、受け入れたとしてもそこまでたどり着くのに時間がかかり、家の中で孤立してしまうような気がしてしまうんです。

Q,今後、家族に話す機会があると思いますか?
はい
いつか話さなければと思っています。
隠しているのも、自分が辛いですから。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
テレビでセクシャルマイノリティについての特集を家族で見ていた時に、母親が「うちの子はこうじゃないと思う。そうだったら困る。」と言ったことです。
お母さん!私もそうなの!バイセクシャルなの!って叫びたかったです。

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LGBTと家族 No.018
家族とは理由がないと会いたくない

ゲイ(41歳)家族構成:父、母、姉

Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
15歳

Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
おかしくなっちゃったのかな。
どうすればいいんだろう。
誰にも相談できない。

Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
33歳の時、両親宛てにメールを送った(母はメルアドを持っていない)。
返事が来たのは母から。
「あなたが幸せならそれでいい」と。
それまでのお見合いしろの攻勢はぴたっと止んだ。
その後、会っても特にセクシュアリティーの話はなし。
父は理解してるのか理解していないのかよくわからない。

Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
(母)あなたが幸せならそれでいい。
(父)いつまでひとりでいるんだ。

Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
(父)「俺が(恋人)見つけてやろうか?」
(僕) 「(爆笑)」
*ただでさえ友達もいない、息子とろくにコミュニケーションも取れない父がゲイ、ましてや息子の好みの人など見つけられるはずはない。

Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
世界(ライフスタイル)が違う。別世界の住人。
仲良くしたい気持ちはあるが、理由がないと会いたくない。
気を遣う相手。
心は100%開けない。
一緒にいると疲れる。

 ※「LGBTと家族」では、様々なセクシャリティの様々な世代の皆様の家族との関わりをご紹介したいと考えています。セクシャル・マイノリティの皆様、是非アンケートにご協力ください。
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いたる

LGBTに関する様々な情報、トピック、人を、深く掘り下げたり、体験したり、直接会って話を聞いたりしてきちんと理解し、それを誰もが分かる平易な言葉で広く伝えることが自分の使命と自認している51歳、大分県別府市出身。LGBT関連のバー/飲食店情報を網羅する「jgcm/agcm」プロデューサー。ゲイ雑誌「月刊G-men」元編集長。現在、毎週火曜日に新宿2丁目の「A Day In The Life」(新宿区新宿2-13-16 藤井ビル 203 )にてセクシャリティ・フリーのゲイバー「いたるの部屋」を営業中。 Twitterアカウント @itaru1964