同性カップルに養子の返還を命じた判事、批判を受け決定を撤回

April Hoagland and Beckie Peirce

養子をレズビアンカップルから引き離す判断が撤回される

同性カップルであるという理由で、アメリカ・ユタ州のレズビアンカップルから生後9ヶ月の養子を返還させるという決定が出ていた。しかし、多方面からの批判を受け判事はこの決定を覆したという。

親権を剥奪されたレズビアンカップル

エイプリル・ホーグランド(April Hoagland)とベッキー・パース(Beckie Peirce)はアメリカ・ユタ州に住んでいる。彼女らは結婚し、2人の子どもと生活していた。今年6月の米国での同性婚合法判決を受け、カップルは里親になる権利を得ていた。彼女らは現在9ヶ月の女の子を3ヶ月ほど世話しており、その子を養子として引き取ることを検討していた

しかしその養子縁組の審問で判事はこのカップルに対して、7日以内にカップルからその養子を引き離すよう命じ、以下のような発言をした。

「同性カップルが子育てをするということは、子どもにとって最善の選択とは言えないと考える。」

判事は様々な研究で異性愛カップルによって育てられた方が子どもにも良いという結果が出ていると主張した。

決定に対してのカップルの反応

このカップルはこの判事が個人的な宗教的理由から同性カップルに子どもを育てさせたくないがために、信ぴょう性の低い証拠を用いているのではないかと疑っていた。カップルはまた、今回の決定を受け、法的には何も間違ったことをしていないのだから、とても困惑しているという。パース氏は、判事は偏見で決定を下していると怒りの声をあらわにした。

「彼(判事)は私たちの家に来たことはないし、この子やほかの子どもたちと一緒に家で時間を過ごしたこともないのだから、彼は私たちのことを何も知らないのよ。」

April Hoagland and Beckie Peirce

決定が撤回される

この決定に対して今月12日、地元の児童福祉課は、この判事が決定を撤回しないのであれば、断固として戦うと発表していた。さらにLGBT活動家などもこの決定を批判しており、最近の調査では同性愛者であることが子どもを育てる能力にマイナスの影響を与えることはないと証明している、などと主張した。

Human Rights Campaignの代表、チャド・グリフィン(Chad Griffin)氏は以下のように述べた。

「単に両親がLGBTだからという理由で愛情で満ちた家庭から子どもを奪うというのは尋常なことでなく、ショッキングで不当なことだ。…これだけ児童養護施設の子どもたちが愛のある家庭を必要としているという時に、養子を取ろうとしている面倒見の良い両親から子どもを奪おうとするのには呆れてしまう。」

これらの批判を受け、判事は最初の決定を撤回したという。次回の審問は12月4日に行われる予定だ。決定の撤回について、カップルはとても嬉しいと話しており、次回の審問では子どもを引き取れるよう要求するつもりだという。

画像出典:Pink News

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April Hoagland and Beckie Peirce

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