女性同士のロマンスを描く映画『キャロル』。「同性愛宣伝禁止法」のロシアでも公開決定!

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「同性愛宣伝禁止法」のロシアで、女性同士の恋愛映画の上映が決定

女性同士のロマンスを描いた映画『キャロル』が、2016年3月にロシアでも上映されることが決定した。

ロシアでの映画『キャロル』の公開

映画『キャロル』はアカデミー賞の受賞が強く期待されている作品で、1950年代のニューヨークを舞台に、ケイト・ブランシェットが演じるキャロルと、ルーニー・マーラが演じるテレーズの2人の女性の間のロマンスが描かれている。

この映画『キャロル』をロシアで上映する権利を獲得し、2016年3月に公開予定であることを、ロシアの映画配給会社アートハウスが発表した。

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しかし、ロシアには「同性愛宣伝禁止法」があり、未成年者に対して公の場で同性愛について知らしめる行為が禁じられている。

そのためアートハウスによると、この映画の公開にこぎつけるまでには、政府からの様々なプレッシャーがあったという。さらに、公開の許可は降りたものの色々な制限を受けることになるだろうと、アートハウスの関係者は予測している。

「『キャロル』は、米国ではR指定(17歳未満は保護者同伴)だが、ロシアでは、法律で定められているために、公開を18歳以上に限定することになるだろう。」

万が一18歳未満の未成年者がこの映画の観客に含まれていた場合は、アートハウスは100万ルーブル(約170万円)以下の罰金が科せられ、公開も一時中断されるという。

彼はまた、同性愛宣伝禁止法によって、主要なテレビ局などでの映画の宣伝は制限される他、映画館によっては上映を拒否するところもあるだろうと考えている。

ロシアでのLGBTを扱う映画の公開

アートハウスはこれまでも、ロシアにおいてLGBTを取り上げた映画を公開させてきた。しかし、今年、英国で制作された映画『プライド』(2014)を公開した時には、問題に直面していたという。

映画『プライド』では、1980年代の炭鉱労働者によるストライキを舞台に、LGBTの支援団体と炭鉱夫たちが協力して問題に立ち向かっていく様子を描いていた。しかし、過激な表現が含まれているとみなされ、公開してすぐに上映を制限されてしまったのだ。

アートハウス関係者の期待

しかしアートハウスの関係者は、ロシアでの『キャロル』の成功を確信しているという。

「『キャロル』は今年のメインの映画であるのは言うまでもなく、最近のヒット映画の中でも最もエキサイティングなラブストーリーであることは間違いない。」

また彼は、これだけたくさんの障害に直面しながらも、

「LGBTについての論争によって、我々は、教養のある広い考えを持った知識階級に売り込みやすくなっている。」

と述べ、映画の公開にはポジティブな面もあると前向きに予測した。
映画『キャロル』は日本でも2016年2月11日に公開することが決定されている。

画像出典:magicinfoto / Shutterstock.com

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