「Xジェンダーとか思い過ごしだろ(笑)にはこう返せ」の反響
「Xジェンダーとか思い過ごしだろ(笑)にはこう返せ」の、「実際どのように返すのかという部分が曖昧だ」という指摘をいただきました。今回は、そのあたりの具体的な話について書こうと思います。
私の返し方:同性愛→性同一性障害→Xジェンダー の順に説明
「Xジェンダーとか思い過ごしだろ」と言われた場合、その場で完璧に理解してもらうことは不可能です。そもそも「思い過ごしだろ」という言い方をしてくる時点で、相手はセクシュアリティやセクシュアル・マイノリティ自体にさほど興味も知識もありません。身近にもLGBTがいなかったりします。
しかしLGBTを軽視しているか、というのは人それぞれなので、そこで諦めることはありません。Xジェンダーというセクシュアリティは、他のセクシュアリティの知識があってこそ理解できますから、基礎的なことから説明していくのです。一言に収まる、かっこいいフレーズはありません。しかも、「こう返せ」とタイトルに入れたものの、「返す」なんていう鮮やかなものではなく、お互いに気を使いながらの地道なキャッチボールなのです。
具体的に会話にすると…
私「私はXジェンダーと呼ばれるセクシュアリティなんです」
Aさん「???」
私「ゲイやレズビアンって、同性を恋愛対象とすることだよね?」
Aさん「それはわかる」
私「性同一性障害(トランスジェンダーという単語も通じません)の人は、自分の性別をどう思うかってことでしょ」
Aさん「あー、そうかもね」
私「どんな性別の人が好きか(性対象)というのと、自分をどんな性別だと思うか(性自認)っていうのは、別なんだよ」
Aさん「うんうん。言われてみれば」
私「私は、性同一性障害に近いんですよ。女性の体なんですけど、8割方男性だと思ってる。胸が目立っていやだし、胸をつぶす下着(ナベシャツ)は、体型に合わないから、美容整形の乳房縮小手術(女性のかたちで胸を小さくする)などの方法をとろうかとも思ってるんですよ」
Aさん「何となく分かったかもしれない?」
となります。しかし、身近にセクシュアル・マイノリティがいない人(いないというより、カミングアウトしてくれた相手がいない)ならば、どんどん説明を忘れていきます。
数ヶ月後のAさん「(筆者)さんだって、男性と結婚するかもしれないでしょ?そしたら、もうセクシュアリティなんか問題じゃないよね?」
私「私は男性も好きだし、男性と結婚してもいいんだけど、私が自分をこう思うっていうのとは、別問題なんですよ」
Aさん「・・・???」
つまりは、セクシュアリティの話になるたび、基礎的なこと(性自認と性対象は違うよね?)から繰り返し説明していくのです。「Xジェンダーなんて思い過ごしだろ」と言われることで傷つきはしますが、逆に、理解してもらえたときは、相手の仕事・業界にもその見識を生かしてもらえたりします。また、相手の見方や返答によって、こちらの考え方が育てられることもあります。だから、「この人には言いたいな!」と思える相手を見極めて、説明していきましょう。
社会的に通用する自分なりの説明方法を手に入れることが重要
また私は学生なのですが、大学の先生には説明をしてあります。アルバイトやボランティア先のボスにも説明をしています。このように、家族や友達ではない人にも話してみることは大事です。なぜならば、私は現在ライターとして記事に書いていますが、このようにきちんと社会で通用する自分なりの説明を持てるようになるからです。渋谷区では同性パートナー条例が可決し、アメリカ全州で同性婚が可決しました。この先、LGBTはどんどん私たちの生活で当たり前のものになっていきます。私たちはこれから就職など社会に出て行きますが、就活の準備に加えてみても良いかもしれませんよ。
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