「第三のジェンダー」英国議会が導入検討しているものとは

Christie Elan-Cane1

英国議会で「第三のジェンダー」導入のための聞き取りが行われる

ジェンダーが男か女のどちらかにはっきり当てはまらない第三のジェンダーの必要性を唱えている活動家たちが英国議会に対し、その主張の正当性を証明する話をするつもりであると報道された。

女性と平等の特別委員会

現在英国では、男性と女性の2つのジェンダーしか法的には認められていない。そのため、例えばジェンダーを持たない人や男女両方の要素があると考える人など、性別二元論(性別は男と女の2種類しかないという考え方)に含まれないジェンダーを持つ人々は、そのジェンダーを法的に認知されていない。

しかし、英国議会の女性と平等の特別委員会がトランスジェンダーの権利のための調査を続けており、そこで男性とも女性とも自認しない人々の法的な認知を求める活動家から意見を聞くことになった。委員会は10月13日に開かれる予定だ。

委員会の参加者

この委員会には活動家のChristie Elan-Caneも話し手として参加する予定で、Elan-Caneは男女のジェンダーを持たない人やMやFでなくXと表記されたパスポートの発行のために、法的なアイデンティティ獲得に向けて活動している。

Christie Elan-Cane1

Christie Elan-Caneは男性とも女性とも自認していない。

 

更にAshley Reedからの聞き取りも行われる予定で、Reedはアイルランドのようなジェンダーのシステムの必要性を訴える署名活動を行っている。アイルランドでは特別な治療などを行っていなくても、自分でジェンダーを決めることができる。現在31,994を超える署名が集まっており、この署名では性別二元論に当てはまらない性自認を持つ人への対応も求めている。

その他、委員会では医師などを含む6人から聞き取りが行われる予定だ。

第三のジェンダーを認めている国

アイルランドでは、トランスジェンダーの人々が法的な手順を経た合法的なジェンダーの変更を可能にした法律が昨年制定された。

オーストラリアでは、男性とも女性とも自認しない人に対して性別欄がXと記載されているパスポートを発行し始めている。

サモアやフィジーなどのオセアニア地域では男とも女とも取れない第三のジェンダーの存在が確認されており、更にインドやネパール、バングラデシュなど南アジアにも第三のジェンダーが正式に認められている国がある。

Facebookでは男性・女性以外に約50の選択肢の中からジェンダーを選択できるようになり、日本国内でもXジェンダー(性自認がいわゆる男性・女性のどちらにも一致しない立場をとる人など)という言葉を聞くようになってきている。ジェンダーは必ずしも男女に限らないというのが世界的な流れなのかもしれない。

画像出典:Pink News

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