ヘイトクライムの被害者に安全な場所を提供する
Seattle Timesによると、スターバックスのシアトル支部が、ヘイトクライムの被害を受けやすいLGBTに対して避難場所を提供するという新しい取組みに参入することを決定したという。
セーフ・プレイス・プログラム
ゲイの警官ジム・リッター氏によって、シアトルの警察庁でセーフ・プレイス・プログラムというプログラムが始められた。リッター氏は54歳で、30年間も警察庁で勤務しているベテラン警官である。彼は、企業をLGBTのアライにするために、セーフ・プレイス・プログラムを5月にはじめたという。このプログラムで、従要員らはヘイトクライムの際の通報の仕方を学び、警察が現場に到着するまで被害者に安全な場所を提供できるようにトレーニングを受ける。
このプログラムはまた、LGBTに対してのヘイトクライムの報告数が増加していることにも関連しており、警察庁がLGBTへのヘイトクライムを深刻に受け止めているという姿勢をあらわしているようだ。
リッター氏は、警察に通報されている数よりもずっと多くのヘイトクライムが起こっていることに問題意識を感じていると話す。
「私は『警察に通報しましたか?』と聞くと、彼らはしてないと答える。これは大きな問題だと確信している。私たち(警察)が知らなければ、捜査を進めることができないからだ。」
スターバックスの参加表明
スターバックスは今月4日に、このプログラムへの参加を表明しており、シアトルの97店舗全ての従業員2000人にトレーニングを実施する予定だという。スターバックスの地域オペレーションディレクターであるヘザー・ジェニングス氏はこうコメントしている。
「これは私たちの組織としての理念―安全で全ての人に開放された環境を作り出すこと―に合致している。」
スターバックスを含めた参加企業は、店舗にレインボーのデザインのマークを掲示する。
プログラムの成果
リッター氏は、セーフ・プレイス・プログラムは既に市民に対しても良い影響を与えており、警察に連絡がくるようになったと考えている。シアトルのプライドシーズンの間には8件のヘイトクライムがあり、そのうち7人を検挙したという。
また、このプログラムが始まってから、リッター氏は650ほどの企業に対してコンタクトを取ったが、その全ての企業が彼の提案に賛成しプログラムに参加したということだった。また、シアトル市長もこのプログラムに賛成している。
シアトルだけでなく、ほかの国や地域でもLGBTに対してのヘイトクライムが増加しているというニュースが出ている。今回のような企業・店舗との連携も解決策の一つになるのかもしれない。
画像出典:GAY STAR NEWS