ゲイカップルがカトリックの新聞のパーソン・オブ・ザ・イヤーに!
米国の週刊新聞ナショナル・カトリック・レポーター(National Catholic Reporter)が、あるゲイカップルをパーソン・オブ・ザ・イヤー(persons of the year)に選出した。選ばれたグレッグ・バークとマイケル・デレオンは米国全州で同性婚が合法化されるきっかけとなったオーバーグフェル対ホッジス(Obergefell v. Hodges)裁判で、原告として同性婚の合法化へと大きく貢献していた。
パーソン・オブ・ザ・イヤー選出の理由
米国のカトリックコミュニティにおける主要メディアであるナショナル・カトリック・レポーターが、米国全州での同性婚の合法化に尽力したゲイカップルの活躍を称え、彼らをパーソン・オブ・ザ・イヤーに選出した。バークとデレオンのカップルは、ケンタッキー州において同性婚が認められていないことへの異議を唱えていた。
「オーバーグフェル対ホッジス裁判の原告として彼らが果たした歴史的な役割、そして彼らのゲイのカトリック教徒としての忠実な強い信仰表明を称え、私たちはグレッグ・バークとマイケル・デレオンを、ナショナル・カトリック・レポーターの2015年パーソン・オブ・ザ・イヤーに指名した。」
2015年6月の米国連邦最高裁の同性婚合憲判決は、このカップルが原告として訴えた案件のほか、オハイオ州、ミシガン州、テネシー州からの3件の訴えと合わせたオーバーグフェル対ホッジス裁判の判決にあたるものである。
受賞したゲイカップル
ナショナル・カトリック・レポーターの社説では、選出されたカップルについて以下のように書かれている。
「33年間お互いにゆるぎない関係を築き(2004年にはカナダで結婚し)、バークとデレオンは生涯を通じて教義を実践しているカトリック信徒であり、Our Lady of Lourdes Parishのメンバーとして 28年間、積極的に活動してきた。また、彼らは2人の子どもたちを育てている。これら全てを考慮して、彼らはコミュニティにおいて極めて重要な存在であるといえる。」
「約4年前、バークが性的指向を理由にボーイスカウトの指導者をクビになった際に、バークとデレオンとしては不本意ながらも、彼らの結婚に注目が集まった。…彼の解雇は現地メディアで広く取り上げられた。ケンタッキー州における同性婚の禁止への異議申し立てをしてくれる原告を探していたルイビル(Louisville)弁護団はこのカップルに関心を寄せた。」
「バークとデレオンは(弁護団からの)その申し出を受け入れ、その結果、歴史に残る出来事が起こった。」
バークとデレオンの2人は今回の受賞について、「驚いたが、深く感動した」と述べた。
性的指向を理由に解雇される人たち
ナショナル・カトリック・レポーターは、米国のボーイスカウトでは同性愛者であることを公表している人の指導的立場への任命禁止が解除されている一方で、スカウトは信心深い団体に支えられているため、オープンリーゲイの人たちを指導的立場から排除していると指摘する。
「2015年に、米国では少なくとも10人の教会の従業員が性的指向を理由に解雇された。解雇されたのは、長きにわたり学校や教会のコミュニティから深く尊敬されていた人がほとんどだ。多くの場合、彼らの性的指向についてやそのパートナーまでもがコミュニティ内で知られていた。彼らは宗教的儀式を伴わない民事婚を行うまでは、これといった困難に直面することもなかった。」
更に、今日の教会の課題についても言及されている。
「バークとデレオンは、今日の教会が直面しているこの大きな課題を象徴している。彼らは私たちに、…どのようにグレッグ(バーク)とマイケル(デレオン)たちとともに生きていくのかという疑問を突き付けたからだ。」
「現在、それに対しての教会の回答は混乱状態で、統一されておらず、時に非常なものだ。グレッグとマイケル、そして数えきれないほど存在するゲイ、レズビアン、トランスジェンダーのカトリック信徒たちはもっとふさわしく評価されるべきである。」