切っても切れない関係。それが家族の絆です。
自分のセクシャリティに気づいた時、驚きや不安と共に
「家族にどう話せばいいのだろうか?」
「家族には絶対秘密にしなきゃ」
そんな相反する思いを抱いた方も少なくないでしょう。
この「LGBTと家族」は、
セクシャル・マイノリティの家族への考え方、関わり方を
より多くの方へのアンケートから探っていこうという企画です。
様々な方の体験したこと、考えたことの中には
あなたが共感できる事例も見つかるかもしれません。
※「LGBTと家族」では、様々なセクシャリティの様々な世代の皆様の家族との関わりをご紹介したいと考えています。セクシャル・マイノリティの皆様、是非アンケートにご協力ください。
アンケートフォームはこちらエピソードの募集を終了しました。
LGBTと家族No.005
家族へのカムアウトは当分無理だと思っています
(おそらく)アセクシャル/身体・性自認は男性(17歳)家族構成:母、父、弟、猫2匹
Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
15歳の終わり、ちょうど高校入学くらいから疑いはじめていて今は自分の中ではほぼ確信になっています。自覚した理由は、自分の中の性欲に気づいたからです。性的指向が無くて性欲はあるというのはどう表現すればいいか分かりません。
Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
怖くなりました。対異性、対同性共に恋愛的にも性的にも興味がわかない自分が何者かが分からず、じゃあ自分の性欲が何なのかも分からず、ひたすら怖くて、不安でした。今も。 せっかくアセクシャルというくくりを手に入れて少しだけ安心した後も、ネットにたまに書かれる「十代で決めるのは時期尚早」にかえって不安を掻き立てられます。
Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
いいえ
理由は主に3つです。
1,先ほど書いたネットの情報(10代でアセクシャルは分からない)のせいで、 今から無責任なことは言えない気がしています。このアンケートも無責任で申し訳ないのですが・・・ 。
2,カムアウトは自分を理解してもらい、隠さず堂々と生きるためのものだと思います。が、3人ほどにカムアウトした経験上、僕のようなセクシュアリティを(自分ですら完全には理解できていないのに)LGBTに精通していないシスジェンダーの異性愛者が理解できるとは思えませんし、カムアウトしてもただ変態扱いされて笑い話で終わるか、逆に凄く真剣に問い詰められて結局理解してもらえずに終わり、お互い苦しむだけだと思うからです。
3,両親と弟(特に父)が、男女のジェンダー区別を極めて重視し、また同じ性的マイノリティの同性愛者をキモいと言って笑いものにするのを見てきたからです。今カムアウトできるとしたら猫だけですね。
Q. 今後、家族に話す機会があると思いますか?
まだわからない。
僕が理解されると考えにくい現状は、アセクシャルの知名度自体が低い現状仕方がないと思いますし、先ほど書いたように家族が同性愛者を笑うのも、社会的な風潮を反映しているだけのように思えます。でもだからこそ、社会が変われば家族も変わる可能性があります。なのでその辺の様子をみつつですね。すぐには期待できそうにないですが・・・。余談ですが家族に言わずひっそりLGBTsの理解への活動が出来たらいいなと思っています。
Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
弟と違って僕は恋愛や性の話をあまりせず、興味もなさげ(実際ない)なのでよく同性愛と疑われるのですが、それに関する母の言葉。 「もし貴方が自分をゲイだって言ったら、一瞬ものすごくクラっとくるけど、でも頑張って認められるから大丈夫。だってうちの子だもん」 この一言でカムアウトは当分無理だと思いました。
Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
セクシュアリティ関係では家族に対しては不満が多いのですが、家族に限った話では無かったりもするのであまり気にしてません。むしろ今まで17年の感謝が大きく、この家族に産まれて良かったと思っています。ただひとつだけ、僕は将来恋人も妻も夫も作らず生きていくと思います。そうした時に、そんな僕を不幸だと思い、「幸せ」の道へ「矯正」しようとはしないで欲しいです。
LGBTと家族 No.006
家族が俺のことをどう思ってるのは気になります。
トランスジェンダー(20歳)家族構成:母、父、妹
Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
6歳
Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
おかしいこと。
Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
父と母。
Q, あなたが伝えた人はどのような反応をしましたか?
反応はなくその場は終わりその後も触れられない。
Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
先入観が強くセクシャルマイノリティを気持ち悪いと思っている。
Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
俺のことをどう思っているのか気になります。
LGBTと家族 No.007
自分自身を偽って生きるより、ありのままの自分を認めてやること
レズビアン(52歳)家族構成:子供3人、母、パートナー
Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
女の子が好きだなと思ったのは6歳。 女の子と初めて付き合ったのは13歳。 そのあと紆余屈曲して結婚したのは19歳。やっぱり女性しか愛せないんだと自覚したのは28歳。
Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
ずっとモヤモヤしていたが、人間としては男女どちらも好きにはなれるけど、性的指向は女性なんだと結論が出た。
Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
初めてカムアウトしたのは母。13歳の頃。
次にカムアウトしたのは当時結婚していた人。28歳。
そのあとカムアウトしたのは子供達。
Q, あなたが伝えた人はどのような反応をしましたか?
13歳の頃、母の反応は「あ、そう。」と次の言葉は「しっかり勉強しなさい。」
28歳の頃、当時結婚していた人の反応は 「あ。そう、でも離婚はしたくない。一緒に生活して子供を一緒に育てたい」
子供達の反応は「あ、そうなんや。でもお母さんが幸せならそれでいい」
母からは、強く生き抜ける術を身につけなさい。
夫からは、セクシャリティより人間性を。
子供からは自分を愛してくれる母には変わりない。
ということを言ってもらえたと思う。
母とも子供とも関係性は変わらない。 夫とはそのあと別居。彼にもそのあと恋人ができていたが、籍は抜かず、家族としては何かあったら一番に(特に子供のこと)信頼おける関係性は続いた。そのあと交通事故で死別。
Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
息子が小学生の頃カムアウトした時 「お母さんが〇〇ちゃんのことが好きだというのと、僕が△△くんのことが好きだというのは、意味がちょっと違うんだね」
Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
今のパートナーと関係存続が危機な時、息子が「お母さんと〇〇ちゃんが別れても、僕たちは〇〇ちゃんとの関係は続けて行くから」と言われたこと。 その息子が海外で暮らすようになり「僕はとてもいい環境で育てられたんだと思う。なぜなら海外では同性愛は当たり前のこと。うちはごく普通だったんだ。」
Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
自分がどんなセクシャリティでも、それは自分の一部であって全部ではない。
私は社会人として仕事を頑張り、母として家族を愛し、守り、育ててきた。
亡くなった夫の父や母は私にとっても両親であり、今でも関係を大切にしている。
子供達にとっても父親は父親であって、祖父母であって変わるものはないのでとても優しく接して大切にしている。
そして、私のパートナーも子供達を大事にし、子育てに関わってくれた。
なので、今では、パートナーの老後はうちの子供達が協力して世話をしてくれるそうだ。 なぜ、こんな関係性を育てられたかというと、うちの子供達はみんなに愛してもらって育ってこれたからだと思う。
私は自分の生き方を通じて、こういった関係を育てるのに努力して来た。
現在同性同士で子育てをしている方、これから子供を持とうと思ってる方。また結婚した後で自分のセクシャリティに気づいてしまった方も少なくない、でも親が、自分自身を偽って生きるより、ありのままの自分を認めてやることが、子供やまわりの人々のありのままを受け止められることに繋がるんだと思う。
LGBTと家族 No.008
歳をとって孤独だったら可哀想だと涙目になった父
ゲイ(39歳)家族構成:父、母、妹
Q, 自分のセクシャリティを自覚したのは何歳の頃でしたか?
16歳
Q, 自分のセクシャリティを自覚した当時、どう感じましたか?
否定したかった。
Q, 自分のセクシャリティを家族の誰かに伝えたことはありますか?
はい
23歳の時に母親に伝えた。
Q, あなたが伝えた人はどのような反応をしましたか?
非常に驚いていたが、経済的にも自立しているから、好きなように生きれば良いと言ってくれた。しかし、後々分かったことだが本心ではストレートな生き方に戻れるなら戻って欲しいと思っているらしい。
Q. あなたが伝えた後に家族から言われた言葉で印象にのこっているものは?
「お願いだから、家では女装はやめて。」 色々と混乱していたらしい。
Q,セクシャル・マイノリティに関して、あなたの家族の中で印象的なエピソードがあったら教えてください。
妹にも父親にも母親が勝手にアウティングしていた。父親は歳をとった時に、子供や家族がいなくて孤独だったら可哀想だと涙目になっていたらしい。
Q, ご自分の家族に対して感じること、考えていることなどを教えてください。
理解はしきれていないし、完全に受け入れているわけでもないけれど、自分の生き方や在り方を尊重してくれていることに感謝している。家族の自分に対する心遣いから、自分自身も家族のことをより強く大切に思えるようになった。
※「LGBTと家族」では、様々なセクシャリティの様々な世代の皆様の家族との関わりをご紹介したいと考えています。セクシャル・マイノリティの皆様、是非アンケートにご協力ください。
アンケートフォームはこちらエピソードの募集を終了しました。