友情、カモフラージュ、老後。行きついたのは…
友人(フェムビアン/シングル)は、ゲイの旦那が居ます。
かねてより、お互いに気の合う友人同士だった2人は
ある取り決めをして婚姻しました。
「友情結婚」という名の、共同生活が幕を開けたのです。
順風満帆の結婚生活のハズだった。
子供無、共働き、家賃負担は旦那。家事負担は自分。
食費や高熱費は折半。
共働きだけど、財産はそれぞれ自分のもの。
ゲイの旦那名義のマンションは
管理費やローンは旦那が全額支払っているので
妻である友人は家賃0円で住んでいました。
その分家事は友人が殆ど担当。
互いの実家を定期的に行き来し
家の中ではよき友として、たのしく過ごしていました。
新婚生活が数か月過ぎると、現実に呼び戻された。
結婚前、ゲイの旦那と取り決めたのは
「旦那の恋人が泊まりに来る日は、妻は家に帰らない」こと。
家賃0円だもの、その日だけホテルか
友達の家か、ネットカフェで過ごせばいい───
友人は、そう軽く考えていました。
が、段々と旦那の恋人が泊まりに来る日が
増えていくと
出費もかさむようになり
仕事がある日は、家でゆっくりすることもできなくなり
疲労を感じ始めました。
たかが紙切れ一枚。されど紙切れ一枚。
元を辿れば互いの利益のための契約結婚。
親やノンケの友人には
もちろん純粋な婚姻として
結婚式を挙げ、お祝いも貰いました。
今更、なすすべもありません。
付き合ってくれる友人にも、帰る家がある。
その友人の結婚生活を聞き、
複雑な思いを抱えた私たちでしたが
時刻は深夜。
友人といえど、私達にも生活があり
付き合える時間も限られています。
さびしげに手をふる友人に
どんな顔をすればよいか、
悩みました。