ワシントンD.C.で、全ての医療従事者にLGBTに関する研修を義務化する法案が可決

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LGBTに関する研修を全ての医療従事者に

Pink Newsによると、2月8日、米国・コロンビア特別区(ワシントンD.C.)で、LGBTQ文化適正継続教育改正法( LGBTQ Cultural Competency Continuing Education Amendment Act)が制定されたと、コロンビア特別区の区議会が発表したという。これにより、コロンビア特別区内の医療従事者はLGBTに関する研修を受けることが義務化される

LGBTの患者を想定した研修の義務化

この改正案は満場一致で可決され、LGBTの医療上の新しい方針基準として設定される。

看護師を含めた全ての医療従事者に対してこのような研修を義務化した法案を可決させたのは米国では初めてのことだ。研修では「文化適正についての知識、またはレズビアンやゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダーノンコンフォーミング、クィア、性的指向や性自認、性表現におけるクエスチョニングなどの患者に焦点を当てた特別な臨床研修から2単位」を履修する必要性があるという。

法案策定の背景

この法案は、一部のLGBTの患者(特にトランスジェンダー当事者)が治療を受けるときに直面する可能性がある特別な問題に対処するために策定された。

LGBT当事者はうつやメンタルヘルスのリスクが高いという結果が統計的に得られている一方で、多くの医者は、これまでLGBTの患者が直面しうる問題についてどのように対処するかについての研修を受けたことがなかった。

同様な法案は他地域でも提案されているが、全ての医療従事者に研修を義務付けるなど、これだけ包括的な法案を可決させたのはコロンビア特別区が初めてだったという。

発案者のコメント

今回の法律を発案した区議会議員のデビッド・グロッソ(David Grosso)氏は、以前、Washington Bladeに対して以下のように話していた。

「この法案について審議されている間、私たちはLGBTの住民から、医療提供者の手によって彼らが受けた辛い経験についての心打たれるお話を聞きました。」

「特に、私たちのトランスジェンダーの友人や隣人は、医療現場で失礼な行為を受けたり、誤解をされたりしていました。この深刻な問題を改善させるため、今回の法案をはじめとして私たちは取り組みを続けていきたいと思います。」

医学会からの反対意見も

しかし、この法案が可決されるまでには、ワシントンD.C.の医学会からの反対もあったという。「良かれと思って決定されたことであっても」、政治家は「医者が何を学ぶべきかという決定」をすべきではないと彼らは主張した。

だが、これに対して法案の支持者は、文化適正の研修の義務化によって、急激に医療実績が向上したという研究を示したという。

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