3月31日、全米で同性カップルが養子を迎えることが可能に
2016年3月31日、アメリカの連邦裁判所はミシシッピ州の同性カップルが養子を迎えることを禁じた法律を違憲とするとの判決を下しました。これにより、アメリカ全州で同性愛カップルが養子を迎えることが可能になったのです。
(情報元:huffingtonpost.com)
読者のみなさんは同性カップルに育てられる子供についてどうお考えでしょうか?
もし、自分が同性カップルに育てられたとしたら、自分は不幸だと感じますか?それとも、自分に愛情を注いでくれる両親がそばにいれば、両親が同性カップルだとしても幸せに暮らせると感じますか?
同性カップルに育てられた子供たちの中には、自分が育った環境を不幸だという子供も、いる。
同性愛カップルに育てられた子供たちの中には自分が育った環境は幸せなではなかったと語る人たちもいます。
アメリカ合衆国の、ケイティ・ファウスト、ヘザー・バークウィット、ブランディ・ウォルトンの3人の女性はレズビアンカップルに育てられたことで辛い思いをしました。そのため、同性婚へ反対であり、子供は父親と母親のいる家庭で育てられるべきだと文章にしています。
彼女たちはまだ同性婚の法律が整っていない、1980、90年代にレズビアンカップルに育てられています。養子として迎えられたのではなく、母親がレズビアンであることを自覚しながら、男性と結婚し授った子供が彼らです。その後に彼女たちの母親は離婚しています。離婚後に他の男性と再婚した母親もいれば、すぐに女性パートナーと住み始めた母親もいるようです。
彼女たちの多くの訴えは、父親不在の家庭で育った寂しさからの怒りの声のように感じられます。離婚後に彼女たちは父親とは会っていないようなのですが、それが父親が会いたがらなかったのか、母親たちが合わせなかったのかについては語られていません。父親と過ごせなかった悲しみを同性婚へ向けているように思います。彼女たちの多くは2人の母親のことは好きだと述べておりますが、ケイティ・ファウストは母親のパートナーとその友達全員と引き替えにでも父親との生活が欲しかったと言います。
(※名前をクリックすると彼女たちが書いた訴えを読むことができます)
母子家庭で育った私も、父親の愛情を感じられない寂しさは常に感じて育ちました。
私も、父親不在で育ちました。小学校2年生の6月、私が8歳の時に父が仕事中の事故で亡くなりました。父の死にショックを受けた母は病気になり、入院することもありました。そんな環境で育った私も自分の置かれた環境を恨んだこともありあます。ですが私はその生活から学んだことがあります。それは、生きていく中で何が起きようと人生は続いていくということです。父親がいないから、母親がいないから、家が貧乏だからといくら理由を並べて、環境のせいにしたところで、自分の人生は変わらないのです。もし、自分の人生を良くしたいと思うのなら自分が変わらなくてはいけないのです。なぜなら、他を変えることはできないからです。
これはゲイの両親を持った子供たちだけでなく、すべての人に言えることでしょう。ある人は、生まれた時から児童養護施設で育つ人もいるでしょう。貧しさゆえに中学を卒業とともに働きはじめなければならない人もいます。私のように親が死んでしまう場合もあります。両親が揃っていて外から見れば幸せそうに見えるような家庭であっても問題や悩み事を抱えているものなのです。
このように、外から見れば幸せそうに見る人でも、悩みを抱えて生きているものです。人生で大切なことは自分にないものに目を向けるのではなく、自分にあるものに目を向け、それに感謝をして生きることです。そして、それをすることで幸せをはいくらでも見つけることができるはずなのです。
親として子供に教えなくてはならいのは、このような生きる術であり、父と母がいて子供にとって完璧な環境を揃えることではないと私は信じています。
ゲイカップルに育てらた多くの子供は幸せだと語っている。
上の動画は、アメリカのユタ州で行われた同性愛者の集会で12歳の少年が行ったスピーチです。
彼も同性カップルの家庭で育ちました。彼には弟がおり、隣でダンボールで作ったプラカードを持って立っているのが彼の弟です。
彼はスピーチの中で、
「僕の母親が同性愛者であるために、僕が愛情に恵まれた家庭で育っていることを信じない人たちがいます。でも彼らのその考えは間違っています!僕はお母さんたちを愛し、お母さんたちは僕と弟を無条件に愛してくれています。」
と言っています。
その後、彼はユタ州知事のゲイリー・ハーバーが同性婚への反対理由として、「伝統的な家族を守る為」と言っていたことから、「僕たちの家族も守るに値する立派な家族です」とスピーチを締めくくりました。
12歳とは思えないほど、堂々としたスピーチで素晴らしいと思います。
そして、彼はゲイカップルの家庭に育っても、そこには愛情あふれる家族があり、そのあふれる愛の中で彼のような素晴らしい子供が育てられていることを証明してくれたと思います。
最近の研究結果
最近ではゲイカップルに育てられた子供についての研究結果が多く発表されています。
オーストリアのメルボルン大学の研究結果によると、身体、メンタルヘルス、他者との関係、そして家族との関係において同性カップルの子供と異性カップルに育てられた子供の間に違いはそれほどなかったといいます。家族との連携や一般的な健康においては同性カップルに育てられた子供の方が著しく良好であるとの結果が出ています。
調査を実施したSimon Crouch氏は、ある意味、特殊な環境であるゲイカップルの家庭では、一般の家族よりもコミュニケーションを大切にし、問題などにも積極的に向き合う傾向にあるためではないかと分析しています。そして、このことが子供の開放性や快活さなどを育むのではないかと言います。
その一方で、同性カップルに育てられた子供は両親がゲイであることで差別にあいやすいということもわかっています。
このような差別が子供たちの健康に影響を及ぼす可能性もあるとCrounch氏は言います。
(情報元:www.pinknews.co.uk)
日本では、いじめられるだろうという意見が大多数
日本でも、同性カップルに育てられる子供がかわいそうだと思われる大きな理由にいじめがあります。
さて、子供がいじめられたらかわいそうだから同性カップルに子供を持つ権利を与えるべきではないという意見は正当だと思いますか?
私は正当だとは思いません。
ここで改めるべきなのは、いじめる側ではないでしょうか。
両親がゲイということ以外でもいじめの原因になりうることは沢山あります。それは子供の外見や、性格、人種、肌の色など多くの理由があります。人と違うことをからかい、人を見下すことで優越感を得ようとする、いじめは最低な行為です。
そして、それを変えるには社会全体でいじめや差別を許さないという態度を示さなくてはいけないのではないでしょうか。
いじめられるからするべきではないというのではなく、いじめや差別を許さない社会づくりが必要なのだと私は思います。
人生は不公平なもの
人生とは不公平なものなのです。子供は生まれてくる親も家庭も、国も人種も選ぶことができないのです。それゆえ自分の生まれた環境に対して不満を言っていては切りがありません。
今自分にあるものに目を向け、感謝をして、それを大切に生きていけば、自分には多くのものがあることに気づくはずです。
そして、それさえ理解をしていれば、人生を幸せに過ごすことができるのではないでしょうか。
子供が育つ環境について議論をしたところで、それは大人の自己満足に過ぎないのです。
なぜなら、子供にとって完璧な環境など、不公平なこの世には存在しないものなのではないでしょうか。