アフリカなどで行われる女性器切除って?―ガンビア議会が女性器切除を禁止する法案を可決

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ガンビア議会が女性器切除を禁止する法案を可決

主にアフリカで行われている女性器切除。女性や少女の健康を損なう可能性もあるこの慣例について、ガンビア議会は12月28日、女性器切除を禁止し、違反した者には厳しい処罰を設ける法案を可決させた。

女性器切除とは

女性器切除(Female Genital Mutilation)は女子割礼とも呼ばれ、東アフリカ諸国を中心に、アフリカの半数以上の国で行われている慣例である。これは大人の女性になるための通過儀礼として、あるいは性欲を抑え、結婚までの純潔・処女性を保護するなどの目的で行われている。この慣例によって、女性や少女は外性器の全てあるいは一部分を医学的根拠にも基づかないままに切除・切開されている。

英国に拠点を置き、女性器切除の慣例の撲滅を目指して活動するNGO、28 Too Manyによると、この割礼によって、一生涯にわたる身体的・精神的な害や後遺症がもたらされる可能性もあるという。同団体によると、2010年には、15歳から49歳までのガンビアの少女や女性のうち80%近くが女性器切除を受けていた。

女性器切除を禁止する法案が可決

今回可決された法案では、女性器の切除に関わったものは3年以下の懲役か5万ダラシ(約15万8千円)以下の罰金が科せられることになっている。女性器切除をうけた女性が命を落とした場合は、終身刑となる可能性もある。

今回の法案の可決で、ガンビアはサブサハラアフリカの国のなかで27番目に女性器切除を禁止する法律を整備した国となったという。

ガンビアのヤヒヤ・ジャメ大統領は昨年11月にも、このような慣例はイスラム教の聖典であるコーランにも述べられていないとして、女性器切除について非難していた。ガンビアでは国民の8~9割がイスラム教を信仰している。

今回の議会の動きやジャメ大統領の姿勢について、活動家らは驚きながらも喜びを見せている。

ジャメ大統領の人権侵害

しかし、ジャメ大統領は1994年にガンビアの大統領に就任してから、拷問や同性愛者への迫害など、人権侵害の問題で頻繁に批判されている。ここでは、ガンビアにおける同性愛について少し掘り下げてみよう。

2014年9月には、ガンビア議会は「悪質な同性愛」は最悪の場合終身刑に処すという法案を通過させている。ここで言われる「悪質な同性愛」とは、繰り返し同性との肉体関係を持った者、HIVポジティブである者、同性の未成年者と肉体関係を持った者を意味する。それまでも同性愛は違法で処罰の対象となっていたが、最高でも14年間の懲役刑であった。

またジャメ大統領は2015年のスピーチで、

「もしここ(ガンビア国内)で同性愛行為をするのなら、私はあなたののどを掻き切るだろう。

もしあなたが男でほかの男と結婚したいのであれば、我々はあなたを捕まえ、その後二度とあなたを目にするものはいないだろう」

と衝撃的な言葉を残していた。

画像出典:ANDRZEJ GRZEGORCZYK / Shutterstock.com

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