通名でも登録できるように
Facebookは、トランスジェンダーやドラァグクィーンなどの人が実名以外の名前で登録することを禁止したことへの批判を受け、「実名主義」の方針の見直しを検討していた。そして15日、ついにその新しいシステムが導入されたと発表された。
Facebookの実名主義
Facebookは昨年、トランスジェンダーなど、実生活では別の名前を使用している人たちにも法的な『実名』の使用を強制しているとして反発が寄せられた。そのためFacebook側は、一般的に「実名」というのは法律上の名前を指していたが、今後は「本名」、つまり友人や家族の間で知られている名前の登録も可能になると、実名主義に関しての変更を約束していた。
以前、Facebookの「偽名」を報告するシステムは、トランスジェンダーやドラァグクィーンをターゲットとして使用されていて、自分のアイデンティティを証明できるものを持っていない人たちの多くは、使用を禁止されていたのだ。
「実名主義」自体は継続させる方針
15日、Facebookはこのような不当な扱いを防ぐため、いくつかの点を変更を加えることを発表した。
Facebookでは、ユーザーは友達や家族に知られている名前を使用する必要がある。グローバル事業部副部長のジャスティン・オソフスキー(Justin Osofsky)氏は、今回の変更点について以下のような説明をしている。
ユーザーが通名を使用する場合は、その人の話す内容などはより実情を反映させていると考えられるため、言動がより重要視されることになる。
また、これによってほかのユーザーへの匿名の中傷やハラスメント、詐欺行為、犯罪行為も減少すると期待される。
Facebookとしては実名主義は継続させていく方針だが、フィードバックを受け、全ての人たち、特に排除や差別を受けやすいコミュニティの人たちにとっても、この実名主義がうまく作用するように工夫する必要があった。
マイノリティなどへの配慮
また、オソフスキー氏は自身のFacebookのページでの投稿で以下のように述べている。
「ユーザーが、すでに周囲に認知されている名前で登録する際に、彼らがFacebookでの名前の証明を求められる人数を減らしていきたいと考えている。
また、自分の名前を証明を求められた場合にも、その証明がより簡単にできるように変更していきたい。」
と説明した。これらの変更によって、LGBTや民族的なマイノリティ、虐待・ストーカー・いじめなどにあっている人たちなど、法的な名前以外を使用したい人たちが、その状況に応じて通名での登録ができるようになると考えられている。これについて彼は、その名前の証明を求められた場合に、彼らの状況を説明するための新しいシステムをテストしているところだと述べた。
またFacebookとしては、まだまだ改良は始まったばかりだと考えており、これからもユーザーとの対話を重ねながら、改良を続けていく姿勢だという。
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