チリで初となるシビル・ユニオンの施行を祝福
チリの議会では、シビル・ユニオン(civil union)と呼ばれる同性間のパートナーシップを法的に認める制度の導入について10年以上に渡って議論されてきた。今年4月に法案は議会を通過し、大統領の署名も得られていた。今回のシビル・ユニオンの施行開始にあたり、同性カップルの間では喜びと祝福の声が上がっている。
シビル・ユニオンの施行
チリの首都であるサンティアゴでは、法案が施行された22日、何十組ものチリの同性カップルがシビル・ユニオンを祝福していた。このシビル・ユニオンは、南米で最も社会的に保守的な国の1つと長年みなされてきたチリが、はっきりと変わってきた証拠であると同性愛者の人権活動家らは主張していた。
シビル・ユニオンが施行されると、カップルは住民登録事務所へやってきて、彼らのパートナーシップを法的に証明する手続きを行っていった。彼らの中にはチリの伝統的なカウボーイの服装をしている者もいれば、エレガントなタキシードやドレスを身にまとっている者もいた。
(上の写真はサンティアゴのプライドパレードの様子)
登録をする同性カップルの様子
「美しい。なんて素敵なセレモニーなんでしょう。とても感動的だった。私たち家族がここにいて、みんなが涙を流していた。」とバージニア・ゴメスは彼女のパートナーとシビル・ユニオンの登録を終えたあとリポーターに話した。
「歴史は今日から変わるんだ。」とゴメスのパートナーのオルティスは、2人のパートナーシップを証明する青いパスポートのような証書を見せながら話した。このカップルはスペインで結婚していたが、彼らのパートナーシップはチリでは認められていなかったのだ。「これからは私たちは(結婚した)カップルのように2人でいろんなことを決めていける。とってもワクワクしているの。」
チリのシビル・ユニオンで得られる権利
シビル・ユニオンは同性カップルや事実婚のカップルに対して、結婚している異性カップルに認められている多くの権利を与えている。パートナーーはお互いの財産を相続することができたり、健康保険や年金をのプログラムに一緒に入ったりすることもできる。南米の国でこれらの権利を認めているところもあるが、正式に同性婚を認めているのはアルゼンチンとウルグアイだけだ。チリの同性愛者の活動家たちは同性間のシビル・ユニオンで得られる権利を、全ての権利を得るまでの1つのステップとして祝福していた。
「シビル・ユニオンでは私たちの取り組みは終わらない。私たちは同性婚を求めている。再び議論を進めてもらうために議会に対応を求めるつもりだ。」と同性愛者の開放・統合運動のリーダーのローランド・ヒメネスは話した。
チリでは、1999年に同性間の性行為が罪の対象から外された。また、2004年まで離婚が合法化されていなかった数少ない国でもある。2012年にはゲイ男性の残酷な死を受け、チリの国全体での議論を引き起こし議会でヘイトクライム法を成立させる結果となった。
画像出典:GAY STAR NEWS