同性愛者へのいじめ反対を訴えるビデオを見せた教師が批判を浴びる
カンザス州の小さな町にあるConway Springミドルスクールで、トム・リーヒ氏は社会科の教師をしていた。彼が授業の一環として、同性愛者へのいじめに反対する意図の動画を生徒に見せたことで議論が起こっている。リーヒ氏は保護者などから批判を受けて、退職を求められることになった。
ビデオ「Love Is All You Need」
8年生(13~14歳)の歴史の授業で寛容さについて扱った際に、リーヒ氏は「Love Is All You Need」というタイトルの短いビデオクリップを生徒に見せた。
このビデオは、いじめに反対するビデオの中でも人気を集めているものであり、Youtubeでは1200万回以上再生されている。ビデオでは、同性愛と異性愛の立場を逆転させることで、同性愛が社会の規範となり、異性愛の人がマイノリティとして描かれている。現実世界の同性愛嫌いの構図を反転させて映し出しているのだ。
リーヒ氏に寄せられた批判
リーヒ氏の授業の後、学校はビデオクリップの内容などが気に入らなかった生徒の親から不平不満を浴びせられることとなった。ビデオの中には、教会が組織的に異性愛を嫌悪するシーンやいじめられた異性愛者である少女が自殺を試みるシーンがあり、それらが批判の標的となっている。
リーヒ氏は新聞の中で、以下のように話している。
「僕は役に立たないしょうもないビデオなんていらない。…僕は大切な何か、深刻な何かを伝えたかった。だから思いついたのがこれだった。」
「僕は自分のしたことがとても賢いと言っているわけじゃない。それは正しい選択じゃなかった。でも、僕は思いつきで動く人間で、その時は正しいことのように思えたんだ。」
リーヒ氏への処分
彼は先月、今回の件の後に休暇を与えられた。しかし、今度は学校に戻ってくるなと言われているという。
リーヒ氏は言う。
「僕の授業に子どもたちを出席させたくないという人もいる。僕は、少し休暇を取ってから復帰すると思っていたんだ。そしてみんなが待ちくたびれていて、すべてが良くなっているはずだと思っていた。でもそんなことはなかった。」
学校側は新聞などのメディアに対し、リーヒ氏は休暇中だという姿勢を保っている。しかし、今回の件について学校は詳しくは語っていない。
画像出典:Pink News