家族と観るならコレ!LGBTが登場するオススメ映画

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さりげなく楽しめるLGBT映画

LGBTを題材にした映画は数あれど、「濃厚なラブシーンがあったらうちのお茶の間は気まずいかも…」「カミングアウトしていない人ともサラッと観たい…」そんな風にお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそんな方に向けて,

・セクシュアリティやカミングアウトの有無に関わらず楽しめそうな映画
・ 主人公ではないがキーパーソンとしてLGBTが登場する映画

を3本選んでご紹介します。ぜひ、ご家族やお友達と一緒に楽しんでくださいね。

『噂の二人』

噂の2人

(1961年公開 アメリカ製作)

白黒映画×オードリー・ヘップバーン×同性愛!異色の名作

幼い少女たちが通う女学校を共同経営しているカレン(オードリー・ヘップバーン)とマーサ(シャーリー・マクレーン)は旧知の親友。しかし、反抗期の生徒の策略から「二人の女教師は恋人同士」だという噂が広まり…。

『ローマの休日』での鮮烈な銀幕デビューの後、今なお人気の高いオードリー・ヘップバーンが主演。彼女が出演しているというだけでも観たがる人は多いのでは?白黒映画でここまで同性愛をメインテーマにしている作品は貴重です。
同じ原作で1936年に『この三人』のタイトルで映画化された際には、同性愛に関する描写はすべてカットされたというから、当時の映画製作としては想像以上に冒険的な内容だったのでしょう。
映画内で女性同士の恋愛がかなりスキャンダラスなものとして扱われていることに時代を感じます。今観ると差別的に思える表現もありますが、そこもまた時代背景を考えさせられるポイントです。
ラスト20分、怒濤の展開とシャーリー・マクレーンの映画史に刻むべき名演技を見逃さないでください。
img via: Amazon.co.jp – 噂の二人

『Vフォー・ヴェンデッタ』

Vフォー・ベンデッタ

(2006年公開 アメリカ・イギリス・ドイツ)

第三次世界大戦後の世界!独裁国家と戦う冒険活劇

舞台は独裁者に支配された第三次世界大戦後のイングランド。
その国家に反旗をひるがえす謎の仮面を着けたテロリスト、V。彼に救われたイヴィー(ナタリー・ポートマン)は恐怖政治に巻き込まれていく…。
手に汗握る展開と派手な演出が観客の想像力を掻き立てる。

ナタリー・ポートマンが役作りのため髪を丸坊主にしたことでも話題になった本作。
ナタリー演ずるイヴィーが国家反逆の罪に問われ収容された施設で、彼女はある手記を発見。そこには、同性愛者であるが故に同じく施設に収容されてしまった女性の半生と想いがつづられていたのでした。この手記が出てくるのはほんのワンシーンですが、映像もあいまってインパクトは絶大。
私は本作を中学生の時に父と観に行き、上映後に「ナチスも同性愛者を強制収容所に送っていた」という話題になりました。
私はまだカミングアウトもしていない上に未成年でしたが、映画に絡めてさりげなくLGBTの話を出来るきっかけになった作品です。
img via: Amazon.co.jp – Vフォー・ヴェンデッタ

『トイレット』

トイレット

(2010年公開 日本・カナダ製作)

カナダの兄妹達と日本人の“ばーちゃん”の奇妙な共同生活

カナダに住むレイ、モーリー、リサの三人兄妹は母を亡くし、言葉の通じない日本人の“ばーちゃん”(もたいまさこ)とその愛猫と一緒に暮らしている。
コミュニケーションが上手くとれないように思えた彼らだが、いつしか心の交流が始まっていく。

外国人キャストの中でたった一人の日本人、しかも台詞はほとんどないばーちゃん役のもたいまさこの存在感が圧巻。
LGBTに関することは一見出て来なさそうですが、ひきこもりの次男モーリーが同級生からゲイの話題をふられて動揺するシーンがあります。モーリーのセクシュアリティは明言されていませんが、なんらかの当事者性はあるのでしょう。ひっそりとスカートを手作りするモーリーが起こした行動とばーちゃんの反応は、この映画のクライマックスに思えます。
公開時のキャッチコピーは、「みんな、ホントウの自分でおやんなさい」。
『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子監督がメガホンを取った本作はゆるやかな空気感。みんなでお茶を飲みながらまったりと鑑賞してはいかがでしょうか。
img via: Amazon.co.jp – トイレット


さて、観たことのある映画、気になる映画はありましたか?
LGBTにフォーカスしたものはもちろん、さりげなくLGBTのエピソードやサブキャラクターが登場する作品が増えていったら嬉しいですね。
映画鑑賞が趣味の私、まだまだ観たい映画やご紹介したい映画が沢山ありますが、それはまた別の機会に…。皆さんのオススメ映画もぜひ教えてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

角 亜維子

平成生まれのレトロ育ち。 女子美術大学卒。 幼少期より抒情画やアングラ演劇に親しむ。 憧れの女性像は山口小夜子、イーディ・セジウィック、大島弓子作品のキャラクター。 レズビアンであり、特定非営利活動法人ReBit のメンバーとしてLGBTに関する出張授業や講演にも参加している。 同法人運営WEBサイト「LGBT就活」編集長兼ライター。 雑誌編集インターン、広告会社ライター等を経て現在はフリーランス。 随筆、評論、インタビューからフィクションまで、執筆お仕事募集中。