エイズの薬の権利を買収し価格を55倍にした会社が3ヶ月で1400万ドルの赤字

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エイズの薬の価格を55倍にした会社が、1400万ドルの損失を出す

62年前に開発されたエイズに関する薬ダラプリムの権利を買収し、一夜にして薬の値段を従来の55倍の値段で販売したマーティン・シュクレリ(Martin Shkreli)の会社が、7月から9月までの決算で1400万ドルの損失を出していたことがわかった。

薬の権利を買収

マーティン・シュクレリはチューリング・ファーマシューティカルズ(Turing Pharmaceuticals)という会社のCEOであり、今年9月にエイズに関する薬”ダラプリム”の権利を5500万ドルで買収し、薬の価格を55倍に上昇させた。一夜にして1錠13.5ドルだった薬が750ドルにつり上げられてしまったのだ。

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この薬は、特にエイズや癌の患者がトキソプラズマ症という病気を治療するために用いられており、アメリカでは600万人以上の人がこの薬によって病気の症状を抑えている。治療をしなければ、免疫力の弱っている患者は、発作や視覚障害、神経障害などに陥る危険性がある。

数年前はこの薬は1ドル程度で売られていたが、権利が別の人に買収されるたびに価格が上げられていた。しかし、シュクレリが行ったほどの大幅な値上げは見られなかった。彼は、この薬を飲んでいる患者の多くが1年も経たないうちに使用しなくなると発言し、価格の引き上げを正当化していたが、周囲からは大ひんしゅくを買っていた。

ライバル会社の出現

しかし、10月にはライバル会社が出現した。米国・サンディエゴに拠点を置くインプリミス・ファーマシューティカルズ(Imprimis Pharmaceuticals)がダラプリムと同様の薬を1錠あたり1ドル相当で販売し始めたのだ。これによってダラプリム以外の薬でも治療ができるようになった。

インプリミス社のCEO、マーク・バウムはインタビューで「我々は、今回のような提供元がひとつしかない薬の値段を不当に引き上げる会社を調査している。…このような会社はもっとたくさんあるだろう。」と語っていた。

1400万ドルの損失

ライバル会社の出現を経て、ダラプリムの価格を急上昇させたシュクレリのチューリング社は、7月から9月までの間に1460万ドルの損失を出していたことが明らかとなった。これについてチューリング社は、収益の60%を新薬へ投資に使ったのだと主張し、損失の正当化を図っている。

一方、シュクレリはダラプリムの価格を下げることを約束していたが、これは未だに実現されていないという。

画像出典:LGBTQ Nation

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