ファイアーエンブレムif, 同性愛の矯正治療のような描写が国際問題に

same-sex-fire-emblem

Nintendo of America が声明を発表

Nintendo World Report にて、1月20日、Nintendo of Americaは、日本国内でも2015年6月に発売されたニンテンドー3DSのRPGゲーム『ファイアーエムブレムif』の北米版と欧州版から、ドラッグを用いた同性愛者の矯正治療と受け取られる一部の描写を削除すると発表した。

「薬物による同性愛治療と見受けられるような表現は入れていない」

同性婚がファイアーエムブレムで可能に!ファンの反応 でも触れたように、本作のファイアーエンブレムは同性婚の要素が取り入れられたRPGだ。日本では2015年6月25日に発売され、欧州と米国では2016年中に発売予定だ。最新作のファイアーエムブレムには、2つのバージョンがあり暗夜王国バージョンと白夜王国バージョンが準備されている。暗夜王国バージョンでは主人公は男性であり、白夜王国バージョンでは主人公は女性で、それぞれ男女どちらとも結婚をすることができるようになっている。

注目を浴びているファイアーエンブレムif だが、”US版と欧州版のゲームでは同性愛治療などといったように捉えられる表現はしていないと” Nintendo of America は声明を出した。

レズビアンのキャラクターが男性好きに”治療される”?

ファイアーエンブレムifの日本版では、男性の主人公と「ソレイユ」という女性キャラクターとの会話において、かわいい女の子を見ると卒倒してしまい、クールで強い女性になれないというソレイユの悩みを解決するために、自分以外の女性が男性に見えるという“魔法の粉”を、主人公が彼女に飲ませるというシーンがある。

この魔法の粉は一時的なもので、ソレイユは魔法の粉の効能がなくなると元に戻る。しかし、魔法の粉が効いて男性の主人公を女性だと思っていたときに恋に落ちてしまい、薬の効能が落ちて男性だと気づいてからは男性として好きなままだと言って、結婚を申し込む。

「同性愛治療だ」

このプレイシーンに関して、Nintendo of America には”同性愛治療のようだ”という批判が噴出したようである。Nintendo World Report は以下のように語る。

このシーンは、何かしらの薬を通じて人の心を変える、というようにではなく、多くの人に違った意味で解釈されてしまった。同性愛者を異性愛者に”治す”方法として、様々な宗教的組織にて行われるような同性愛治療方法のようだ、という声が相次いだ。このような”同性愛治療”は科学的に証明されていない方法であり、暴力的で”異性愛者が正しい存在”と換気させるようなものだ。

NinendoWorldReport – Fire Emblem: Fates Changes Controversial Support Conversation in Western Regions

「欧州版と北米版は変える」という姿勢

Nintendo of America は、「欧州版や北米版では同性愛治療と見られる表現をなくす」と声明を出したが、逆に言えば日本版では表現を変えないということだ。「同性愛は間違ったもので、異性愛が正しいもの」と思わせるような表現は、たとえ日本であろうがどこであろうが、同性愛者やLGBTの自尊心を傷つけるものではないだろうか?それを通じて日本のLGBTや同性愛者が傷つくのではないだろうか? “北米版や欧州版では批判を浴びるから、ゲームの仕様をローカリゼーションの一環として変える”という姿勢は、批判逃れをしているだけで、LGBTの人権について考えた発言ではないのではないだろうか。

日本国内でもLGBTや同性愛に関する視線は厳しくなっており、同性愛に対する非難発言をした議員はテレビなどでもニュースになるようになった。ニンテンドーは、日本であってもこのようなことは許されない社会になってきているということを理解した方がよいのではないだろうか。

READ  任天堂「ファイアーエムブレム」で同性婚が可能に!国内外の反応は?
READ  PS4人気ゲーム新作にトランスジェンダーキャラクターが登場
READ  「同性愛は異常」ってなにこれ、流行?同性愛を非難するのは個人の自由?
same-sex-fire-emblem

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です