バイセクシュアルウィーク
9月23日は、バイセクシュアルデイと言われる日です。1999年から、バイセクシュアルの理解を促進するために始まったもので、9月23日の週は”バイセクシュアルウィーク”と呼ばれています。そこで、Bisexualweek.com に掲載されている「バイセクシュアルの22の事実」を紹介します。
1. 他人のアイデンティティーを容易に決めつけないこと
例えば、同性同士で結婚しているからといって、ゲイカップルもしくはレズビアンカップルだと決めつけないこと。これは異性カップルでも同じことが言えます。これらすべてはバイセクシャルであってもあり得るカップルの形です。もちろんカップルだけじゃなく、個人個人にもあてはまります。その人自身がそう自認していないのであれば、勝手にゲイ、レズビアン、ストレートなどと決めつめるのは止めましょう。
2.バイセクシャルはモノガミー(同時に持つパートナーは一人だけの人)になれないと決めつけないこと
バイセクシャルであることと、モノガミーやポリアモリー(同時に複数の人と性愛関係を持つ人)であることは関連性がありません。そのセクシュアリティであってもモノガミーの人もいれば、ポリアモリーの人もいます。セクシュアリティーとパートナーとどういう関係を望むかを結びつけるのは止めましょう。
3.バイセクシャルであれば性に対して奔放でいることに対して興味があると決めつけないこと
バイセクシャルに関して触れる際に、それがその人の個人的な話に密接な関係がある場合以外、そういった性的に奔放なイメージの強い写真や動画を選ばないでください。例えば、バイセクシャルの女性を紹介する際に、グループセックスなどの写真を使うのはやめましょう。
4.バイセクシャルの人が特定の相手と交際しているというだけで、その人がゲイやレズビアンやストレートになることを”選んだ”と決めつけたり、ほのめかさないこと
5.その人がバイセクシャルになるために、必ずしも男性とも女性とも性的な関係があったと決めつけないこと
ゲイやレズビアンの中にも、同性との性的な関係はなくてもカミングアウトする人たちはいます。バイセクシャルも同じです。多くの場合、異性との性的な関係もしくは同性との性的な関係のどちらかを経験しないまま、カミングアウトすることが多いのです。
6.バイセクシャルということが自分のアイデンティティーを示すものとしては弱いと決めつけないこと
バイセクシャルと言っていた人がやはりゲイだった、レズビアンだったということは起こりますが、実は逆のケースも起こるのです。
ゲイ、レズビアン、ストレートだと自認していた人がバイセクシャルと自認を改めることは起きます。
カミングアウトは”過程”であり、自分のアイデンティティーは変わっていくものです。
7.会話や、コミュニケーションにおいて関係してくる場合のみセクシュアリティのことなどを聞くこと
「初めまして!セクシュアリティはなんですか?」などといきなり他人のセクシュアリティを聞くのは失礼なことです。やめましょう。
8. 他人のセクシュアリティの自認を疑うようなそぶりはやめること
例えば、誰かを”本人はバイセクシャルだと言ってる人”、”今はバイセクシャル”などと表現するのはやめましょう。ゲイやレズビアンやストレートの人の場合、そういった表現は使わないのですから。
9.バイセクシャルだからトランスジェンダーに対して嫌悪がある、世の中には男女の二つのジェンダーしかないと思っているなどと決めつけないようにすること
バイセクシャルの中にもトランスジェンダーのパートナーがいる人たちはたくさんいますし、バイセクシャルの中にもトランスジェンダー、Xジェンダーの人たちはいるのです。
10.もしパンセクシャルだと自認している人がいたら、それを表す言葉をきちんと選ぶこと。バイセクシャルに対しても同じことが言える
例えば、バイセクシャルという言葉を使っているだけで、好きになる要因に相手の性別、ジェンダーが関係していない人もいます。
11.”セクシュアリティでカテゴリー分けされたコミュニティ”にぴったりはまらない人たちがいること
地域、人種、社会的な階級などによって、バイセクシャルという呼ばれ方より違う呼び方を好む人もいます。バイセクシャルだけでなくLGBTのコミュニティ内でもそういった呼ばれ方の自由はあり、どう人に呼ばれるか、という点は議論され続けており、変化し続けています。
12.バイセクシュアルは、男にも女にも同じように魅力を感じる人だと思わないこと
バイセクシュアルは、どのような人に魅力を感じるかという点でも多様です。特定の身体的性別や性自認を持った人に惹かれる人もいれば、身体的性別や性自認に関係なく他人に魅力を感じる人もいるのです。
13.アカデミックの世界ではセクシュアリティはグラデーションだと提言していること
キンゼイ報告という性に関する調査によると、誰に魅力を感じるか、ということはグラデーションだと言われています。完全な異性愛者を0とし、完全な同性愛者を6とすると、バイセクシュアルはこの0~6の間のどこかにあてはまるということです。
14. キンゼイ報告だけではないこと
キンゼイ報告だけでなくもう1つ、”クレインの性的指向グリッド”では、セクシュアリティはどんな人に性的魅力を感じるか、どんな経験をしているか、などといったファクトで決定されるものだという提言もあります。
15.LGBTの問題を語るとき、バイセクシュアルを除外して推測や声明を出したりしないこと
たとえば、LGBTカップルはバースコントロール(妊娠しないように気をつけること)や、意図せぬ妊娠などを心配する必要がないと言うことは間違っています。バイセクシュアルは異性の人と関係を持っている可能性もあるのです。
16.バイセクシュアルは、だれと関係を持っているかということに関わらずLGBTコミュニティの一員であること
バイセクシュアルの人をストレートと思わないでください。また、LGBTの運動に関わってくれている”ストレートアライ”だと思わないでください。たとえば、ブラッド・ピットやアンジェリーナ・ジョリーはメディアに、「LGBTムーブメントの支持者、もしくは協力者だ」とときどき言われます。実際には、アンジェリーナ・ジョリーはずっと前にカムアウトをしたバイセクシュアルの女性であり、彼女が異性の人と結婚したからといって彼女はバイセクシュアルでなくなったわけではありませんし、彼女は今もLGBTコミュニティの中の一員であって、LGBTを支持するストレートアライではありません。
17.バイセクシュアルはストレートからだけでなく、ゲイやレズビアンからの偏見にも苦しんでいることを理解すること
生まれつきバイセクシュアルであるというだけで、優柔不断だとか、欲深いとか、信頼できない人だとか、淫らな人などという偏見を受けることがあります。こういった偏見は、真実ではありません。
18.バイセクシュアルの人と、バイセクシュアルであるということ自体を結び付けないこと
バイセクシュアルの人は、バイセクシュアルと呼びましょう。省略する形として「バイ」という言葉がありますが、最初からバイと呼ぶのではなく、バイセクシュアルなどと言った後にまたバイセクシュアルを表すために「バイ」と言うのは大丈夫です。しかし、バイセクシュアルの人の中には、ちゃんと”バイセクシュアル”と言われることを好まれる人もいます。相手がどう言われるのを好むかを大切にしてあげてください。「バイ」だけでなく、他にも「バイ*」、「バイ+」などといった言い方もあります。これらはバイセクシュアルだけでなくパンセクシュアル、ノンモノセクシュアル、フルッド、クィアなどといった人にも当てはまるような、バイセクシュアルコミュニティに当てはまる、様々な人を指します。トランスジェンダーのコミュニティ内にいる多様な人々を表す「トランス*」という言い方と同じようなものだと思うかもしれませんね。これらの省略は一般的とは言えないので、このような省略を使う場合には、読む人がわかるように注釈を入れることをお勧めします。
19.バイセクシュアルをバカにするようなフレーズを避けること
たとえば、「両刀使いなんだな!」とか「どっちつかずだな」だとか、「男も女も楽しめるなんて得じゃん!」だとか、「誰かと付き合える可能性が2倍ある」などといったことを言わないでください。
20.LGBTコミュニティを表すのにゲイという言葉を使うのを避けること
「ゲイとトランスジェンダー」などという言葉は、ゲイの男性とトランスジェンダーの人々を表す言葉であって、LGBTコミュニティ全体を表す言葉ではありません。もしLGBTコミュニティのことを表現するのであれば、”LGBT”が最も一般的に受け入れられる言葉です。もしくは、”LGBTQ” という、LGBTとクエスチョニングもしくはLGBTとクィアという意味を持つ言葉の方が良い時もあるかもしれません。
21.誰もが平等に婚姻ができる権利と、同性婚は違うものであること
たとえば、「同性カップル」という単語は、あるカップルがゲイなのかレズビアンなのかわからない時に、ゲイカップルやレズビアンカップルを表す際に使うべきです。
22. バイセクシュアルとカムアウとカムアウトすることは恥ずかしいことだ、などと言ったり思ったりしないこと
バイセクシュアルとカムアウトしたからといってどんな人でも大丈夫だとか、性生活が奔放という意味ではありません。バイセクシュアルであるということは、一つの性的指向にすぎず、ストレートだったり、レズビアンだったり、ゲイであるということと変わりません。変な意味を付与してはいけません。
元記事:BISEXUAL AWARENESS WEEK REPORTING BEST PRACTICES
画像出典:WilliamWay