史上初!中国で同性愛に関する映画が認可される

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中国の検閲が同性愛映画を初めて認可

Gurdian によると、中国の検閲が初めて、同性愛者にスポットライトをあてた映画の放映を許可した。今まで「ブロークバック・マウンテン」などを始めとした、同性愛に関する映画がいままで全く許可されてこなかったにもかかわらずである。

「検閲にとっては小さい一歩かもしれないが、映画界の人にとって大きな一歩」

今回認可された映画は “Seek McCartney(英題)”というもので、2人のゲイ男性(一方はフランス人、一方は中国人)の関係を描いた映画だ。監督のワング・チャオは中国版ツイッターであるWeibo にて「(検閲の)映画部局にとっては小さい一歩かもしれないが、映画界の人にとって大きな一歩だ」と語った。

Seek McCartney

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中国における同性愛の状況

1997年まで中国では同性愛は違法だった。1997年、中国で同性愛は合法化され、2001年に”精神的疾患”のうちの1つとして数えられなくなった。しかし、いまだ中国では同性愛やドメスティックパートナーシップ(同棲関係)は禁じられたものとして見られており、教科書に同性愛は治す必要のある問題だと書かれている。また、日本でも存在するような、家族からの「結婚しろ」「子どもの顔がみたい」という圧力が中国にも存在する。また、職場における「結婚して落ち着け」という圧力も強いもので、中国のゲイの人々からの報告によると、ゲイだからという理由で昇進を見送られたり解雇されることもあるのだという。2014年の12月に催眠術や電気ショックによって同性愛を”治す”治療を違法だと裁判所が判断したのにもかかわらず、いまだ中国の至るところに”同性愛治療クリニック”が存在するのだという。また、中国の2013年のある調査によると、1,200万人のゲイ男性が女性と偽造結婚をしている。このように、中国は、同性愛に対する姿勢は非常に厳しい。”同性愛治療クリニック”なるものが存在するということから、日本よりも厳しいと言えるだろう。

検閲の変化

今回認可された映画、Seek McCartney は中国とフランスの共作だ。中国では外国の企業が作成した映画を放映するかどうか、認可する作品数が決まっており、その数はたったの34 個だ。これは自国の映画産業を守り、育てることを目的としたものである。認可される作品は、大人向けの作品であることは稀で、大ヒット作かつ誰もが良いと思える映画であることが多い。

本件に関して、専門家たちは「必ずしも検閲の態度が軟化しているわけではない」と警鐘を鳴らす。また、と中国のLGBTアクティヴィストのファン・ポポは「この映画が放映されるからといって、中国で将来ゲイ映画が認められるというわけではない。中国による映画の評価基準はしっかりしたものではない。基準はとても曖昧だ。個々の検閲官の裁量によって決められている。」と語った。

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画像出典先:A Beautiful Man

 

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