ロシア議会が公の場での「カミングアウト」を禁じる法案を検討中
これまでも「同性愛宣伝禁止法」など同性愛について否定的な見方を強めてきたロシア。今度は同性愛者の公の場での「カミングアウト」に対して、罰金や懲役などを課すなど違法化する法律の導入を検討している。
検討されている法案
ロシアの新聞Isvestia、Newsweek reportsによると、この法案は公の場で「自らの非伝統的な性的指向を公に告白すること」を違法としている。これが成立すると、学校や文化的施設、政府関係の機関などでカミングアウトをした者には5,000ロシアルーブル(日本円で約1万円)以下の罰金や15日以下の懲役などを課されることになる。
この法案の背景には、ロシアで2013年に成立した未成年者への「同性愛宣伝禁止法」の効果が認められなかったことが考えられる。よってカミングアウトを禁じる法律は「同性愛宣伝禁止法」の改正案として追加される見通しだ。
ロシア議会の同性愛への見解
共産党のイヴァン・ニュキチュクは同性愛について、子どもや孫の世代までに影響を与え、子孫の繁栄を妨害するとして、「普通の人間にとっての、そして人類全体にとっての重大な脅威だ」と話した。
また、71歳の議会の天然資源委員会の副委員長は、「生物学的に、子どもを産めないということは死んでいるのと同じであり、これは同性愛が人類にとっての絶対的な危険であることを意味する」と述べた。さらに彼は、「女性はより分別があり、自分の感情をよりコントロールできるから」カミングアウトを禁じる法律はゲイの男性のみに適応されるだろうと、ロシアのラジオ番組で語っていた。
法案についての周囲の反応
疑うまでもなく、この法案は同性愛者の人権活動家など多方面から批判されている。サンクトペテルブルク市の議員ヴィタリー・ミロノフなど、2013年の「同性愛宣伝禁止法」成立の主要な賛同者として知られている者も今回は非難の声を上げている。彼は、子どもたちに影響を与える可能性のある公の場での主張は既に禁止されており、現在の法律で十分であると述べた。
画像出典:ADVOCATE