LGBTに多い ”うつ病”とその対処法

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未だ残るLGBTへの差別と偏見

「ホモとかレズって頭おかしいよね」
「異性とセックスすれば直るんじゃないの?」

電通ダイバーシティ・ラボによる”LGBT調査2015″では、LGBTを含むLGBTは7.6%(13人に1人)となっており、この数値は自分の友達や職場、家族や親戚にもLGBTが存在する可能性が高い事を示しています。

こうした事を受けて、最近は学校や企業、そして自治体でもLGBTへの様々な取り組みが広がっていますが、いまだにLGBTへの偏見は根強く、最初のような信じられない発言がネットなどで飛び交っています。

うつ病は”甘え”ではない

同じように偏見を持たれて、LGBTに深く関連している事があります。それは「うつ病」です。

LGBTとうつ病、どちらも目で見てはっきりとわかるものではないので間違った情報が広がりがちです。うつ病についても「怠けている」「ただの甘え」など事実とは違う心ない言葉が溢れていますが、うつ病は決して他人事ではありません。

2002年に厚生労働省が行った調査では、うつ病の有病率は6.5%であり、15人に1人が生涯に1度はうつ病にかかる可能性があると報告されています。また、厚生労働省が3年ごとに全国の医療施設に対して行っている「患者調査」では、1996年には43.3万人だったうつ病等の気分障害の総患者数は、2008年には104.1万人と、12年間で2.4倍に増加しています。

2002年に調査が行われた世界保健機構(WHO)の「自殺の原因とされる精神疾患の割合」では、気分障害(うつ病)が約30%と一番多くなって います。日本では自殺が社会問題となっていますが、それを減らすためには自殺の大きな要因となっている精神疾患、そしてその中でも一番割合が高いうつ病への理解と正しい治療が必要です。

LGBTはうつ病のリスクが高い?

LGBTが13人に1人と言う調査と合わせると、うつ病とLGBTの両方に重なる人が割合は少なくないと考えられます。特にLGBTは学校でいじめにあったり、家族をはじめとする周囲に理解されなかったりする事が多く、日常生活でLGBTを隠し続けている事が精神的に大きな負担となり、うつ病の要因となります。

うつ病の症状として以下のような心身の不調が現れるので、長く続くようであれば速やかに医療機関を受診をしましょう。

うつ病の症状とその対処法

《基本的症状》
抑うつ気分(気分の落ち込みが続き、特に朝に強く出る)
物事への関心や喜びの喪失(楽しみだった趣味や活動にも気が向かなくなった)

《身体的症状》
疲労倦怠感、頭痛、肩こり、胃痛、下痢や便秘、この他にも息苦しさや発汗など様々な形で現れます。

またよく見られる症状として、寝つきが悪くなったり早朝に目が覚めてしまうような睡眠障害、何を食べても美味しくなかったり食べる気がしないといった食欲の低下、以前のように仕事や学業が進められなくなってしまう注意力散漫などがあります。

今すぐできる対処法1. 自分の状態とうつ病を理解する

うつ病 こころとからだ
http://utsu.ne.jp/

うつ病についての基本的な情報や身体の痛みとの関係、症状チェックシートや病院検索ができるサイトです。
うつ病の原因となる様々な悩みは、自分の中に溜め込まずに誰かに伝えるのが一番です。受診した病院で話すのが今後の治療にも反映されるので良いと思いますが、それ以外にも様々な場所に相談窓口が設けられています。

今すぐできる対処2. 誰かに相談する。1人で溜め込まない

厚生労働省 こころの耳
http://kokoro.mhlw.go.jp/agency/worker/

ここには相談できる連絡先がまとめられています。職場での悩みやセクハラ、生活についてなど相談項目ごとに分かれているので、困った事に合わせて連絡先を選んでみてください。特に「よりそいホッとライン」はLGBTの専用回線もあるので安心して相談できます。

周りの友人でも良いですが、相談できる場所をたくさん知っておけば、自分の心に重くのしかかる負担を分散できる可能性が高くなります。LGBTとうつ病の両方で辛い思いをしている人がいる事を知ってもらい、そうした声をこれからの社会に反映させていく事も大切です。悩みを溜め込まずにしっかりと相談して、自分の気持ちを少しでも軽くしましょう。

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http://lookingupstuff.com/

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