元”外国人”だった自分の経験
今ではドイツで同性婚をし、ベルリンで暮らしている僕たちですが、ドイツに来る前は日本で10年間同棲をしていました。僕は以前アメリカに留学していたのですが、その経験から家族が近くにいない寂しさや海外で外国人として暮らす寂しさを理解していました。そして、日本でドイツ人の彼と一緒に住み始めた時は外国人として日本で暮らす彼がそのような寂しさを感じないよう努力をするよう心がけていました。ここでは、そんな外国人のゲイの人とうまく付き合う3つのポイントをお伝えします。
1. 彼にとっての唯一の”HOME”を作る
僕にとっての家とはリラックスできる場所であり、自分の居場所です。なので、彼にも一緒に住んでいる家を”我が家”と思ってもらえるよう努力をしました。
家具などを買う時は必ず彼の意見も聞くのはもちろん、部屋はいつも綺麗に保ち、居心地をよくしていました。また、彼の居場所を作ってあげるようにも心がけました。もし、彼がよくテレビを見る人であれば、テレビの前に座り心地の良いソファを置いて、彼の定位置を作ってあげます。僕のパートナーの場合は書斎でした。彼はIT関係の仕事をしているのでプライベートでもパソコンをいじっている時間が多くパソコンさえあれば幸せ、と言うような彼なので、書斎を作ることで、いつでも自分の好きな時にパソコンに集中できる環境を作り、そこに彼の居場所を確保しました。
2. たまには彼の好きなものや、出身国の食べ物を作ってあげる
日本人と外国人が一緒に住んでいて一番初めに問題になるのが食べ物です。海外に住んでいると特に日本人は和食が恋しくなります。日本に住んでいる外国人も同じで、生まれ育った自分の国の食事が恋しくなるのです。そのため、僕は定期的に彼に好きな物を聞いて作っていました。食べた事がない物を作るのはとても難しいのですが、彼の嬉しそうな顔を見るのも楽しみですし、彼の国の食べ物の事や、彼がどんな時にそれを食べていたのかなど彼の国の文化を知る事もでき、作る度に彼についてもまた少しわかった気になりました。
また、もともとあまり和食が得意ではなかった彼にも和食を少しづつ出すことで、徐々に和食に慣らし、今ではお寿司や焼き魚も食べられるようになりました。最初は食べ物の趣味が合わなかった僕たちですが、お互いに歩み寄ることで今では食生活で問題を感じることはなくなりました。
3. とにかくよく話し合う
僕たちはコミュニケーションをとても大事にしています。何か問題があった時、将来のことを考える時、いつも二人で話し合い人生の舵取りをしています。同棲期間中に2人で話し合うことに慣れおくことで、その後の2人の人生はとても楽になります。1人では解決が難しいことでも2人であれば簡単に解決できますし、何よりも心強いです。そして、普段の生活でも相手の行動で直して欲しいところがあれば2人で話し合ってお互いに直しています。毎日一緒に暮らしていると自分でも気づかないうちに相手を傷つけてしまっている事もあります。そんな時は必ずそのことを相手に伝え直してもらうようにしています。日本人にとって自分の要求を相手に伝えることはちょっと難しいですが、2人で長く一緒に暮らすためには避けては通れない事だと思います。これを繰り返し、お互いが学び合い共に成長していく事で、2人の共同生活は楽しいものになっていくのです。
大切なのはお互いの努力
恋人とはいえ、外国人と暮らすのはとても難しいことです。話す言葉も違えば、文化も常識も考え方も違います。10年以上も一緒に住んでいる僕たちでも今でも考え方の違いに驚くことがあります。
彼がいつでも帰りたいと思える居場所を作れば自然と家で一緒に過ごす事も増え、会話も増えます。お互い思いやりを忘れずに、相手の気持ちを考えて接し、直して欲しい言動や行動があればそれを正直に伝え、お互いに直す努力をしていくことで一緒に住んでいる時間が長くなればなるほど人生のパートナーとしてお互いに居心地のいい相手となっていくのではないでしょうか。
画像出典:7 Tax Tips for Same-Sex Couples