差別に負けずに生きてきた、あるゲイの話 2/3

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周りとの衝突の始まり

ある日、親に日記を読まれたわけ。律儀に想いを全部日記につけてたりしたんだけどさ。その日記を読まれて、「これは病気だから」って言われた。言われたことはショックだったんだけど、バレちゃったもんはバレちゃったでしょうがないし、その時は自我が目覚めてたから、「自分のプライバシーは守られていないっ!」っていう想いもあったんだよね。その裏切り行為があってから、親を拒絶するようになった。一切作ったものを食べない、できるだけ関わらない。学校は送り迎えしてもらうしかないけど、それだけしか接点を持たない。どうしても許せなかった。

親もいつしか心配するようになるの。自分でもわかってた。自分はだめな子ってわかってた。でもどうしようもなかった。いつしか、夜は叫び続けるような状態にまでなって、いつ死んでもいいやって思ってた。ある日、ぱっと気づいたら紙を細く切って、何センチと積もった紙クズの中で寝てた。それを親が見て「これはいよいよやばいぞ」ってことになって、病院に連れて行かれたの。

周りは誰も認めてくれない

時を同じくして、学校にカウンセラーがいたんだけどね、その人に相談したの。なんでも話せって言うし、守秘義務もあるからって。「ゲイです。死にたいです。でも死ねません。」ある日、部屋の鍵を閉められて、その先生が電話をかけだしたのね。「ん?」って思ったら、「君は非常に危ない状態です。あるレベルに達したら親に伝える決まりだから、親に連絡します。」いや、誰にも言わないからっていうから話したんじゃないですかって言ったら、「それが僕の仕事だから。」だって。先生からも裏切られた。もう逃げようって思って。「逃げたら警察が保護するから、もう知ってるから」って。
もうなんなんだこの世界はって思った。

その後もカウンセリングを続けたんだけど、それもとんちんかんでね。「先生これは治るの?」って聞いたら「治る」って言うの。あるとき試しに、「なんかゲイじゃないかも」って言ってみたら、「それは良かった!結果が出たな!」って反応してきた。「詐欺師め!」って感じだよね。それで退院はできた。でも、一度大丈夫って言ったらもう大丈夫って言うしかないから、フリをして生きてた。自分を責め続けながらね。親も認めてくれないし、世の中も認めてくれない。

あと、牧師の先生にも匿名で電話した。「それは間違ってます」って言われた。

自分が自分でいることを全員から拒絶されて、すごい傷を負っちゃったんだよね。

日本で、コミュニティができていく

18で高校を卒業して日本に帰って来た。その頃日本ではニューハーフがブームでね。お笑いとかドラマとかをやってて、嫌でも目に入るの。そのテレビを見ながら母親がね、「こうならないでね」っていうの。なんか勘違いしてるな・・・、って感じ。

さあ、日本ではどうしようってなって、そういう雑誌を買ったりした。でも、二丁目とかに行くのは怖かった。
行こうとはしたの、紙地図持ってなかったからさまよいにさまよったけど。「二丁目どこですか」って聞くのもはばかられるし。間違えて歌舞伎町二丁目に行っちゃったりして。まさかマルイを超えた先にあるとは思わないじゃない?
「誰かに会いたい誰かに会いたい」って気持ちだった。

そのあとは文通でコミュニティができていった。地元の飲み会があるから行こうよって誘われて行ったら、そこでもびっくり。「なんだこれー!いっぱいいるし、しかも怖くない!」そこで会った人の中に大学の先輩がいて、「同い年で今度大学に入る子がいる」って紹介されたの。ふたを開けてみたらなんと同じ学部、同じクラス。今の大親友なんだけどね。彼と一緒にいろんなことをするようになったの。ゲイである罪悪感は変わらなかったけど。

そのままを認めてくれる友達の存在

自分が自分でいることを認めてもいいのかもって思い始めたのは、20才になってからかな。その頃、ノンケの友達がものすごく増えたの。ゲイだと知ってるノンケの友達。これってありなんだって思ったの。「Mはそのままでいいじゃん!」って、そのままで認めてくれるゲイじゃない人たちがようやく現れて、「あ、いいんだー」って思えるようになった。
他のコミュニティも広がって行く。そこでもあまり隠さなかった。
嫌な想いをしたこともある。でも、これだけ友達がいてみんなが認めてくれるんならこのままでもいいかもって思った。

というか、ここまで来ても自分のセクシュアリティは変わらなかった。

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