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あれ?季節の変わり目だから…?
Yさんと付き合いだしてから1ヶ月が経過した頃。
Aさんからのメッセージもそれっきり来なくなり、嫌がらせだったんだ、Yさんを信じて良いんだ、そう思っておりました。
当のYさんは仕事の関係で1か月毎に日本とタイを行き来していた為、タイに行ってしまっており、一人の部屋は非常に寂しく、孤独を感じていました。
愛しているとメールではやり取りはしているけども、離れているだけでこんなにも不安になるんだなあ、と思っていました。
そんなある日、ふと体調が悪いことに気がつきました。季節の変わり目だからだろう、そう初めは思っていました。
下がらない微熱
その頃はやたらと身体が重くとても怠い状態が続いており、微熱が下がらない状況が続いていました。
その時、Aさんからメッセージがきた際に、知識がないよりはと調べたHIVのことについて思い出していました。
HIVに感染した場合どういった初期症状が出るのか。
初期症状は風邪の様な症状が二週間ほど続きます。
そう記載されていたことを思い出しました。
今僕が置かれているこの状況・症状はまさに感染初期症状なんじゃないか……?いや、ただの風邪かもしれない。あんな良い人が嘘をつくはずがない。
そうだ、僕は風邪を引いたんだ。Yさんも僕もHIVではない。季節の変わり目だから風邪を引いたんだ。そう自分に言い聞かせていました。
「ただの風邪だよ。僕を疑っているの?」
それから1ヶ月し、Yさんは日本に帰国しました。久しぶりにあったYさんはやはり穏やかな笑顔で僕を包み込みました。念のため伝えとこうと思い、この1ヶ月、体調が悪かったことを伝えました。
『僕は病気じゃないって言ったよね?大丈夫だよ、ただの風邪だよ。それとも僕を疑っているの?』
いつもは穏やかなYさんがとても怒りに満ちた顔で僕に尋ねました。僕はどうしてもYさんがHIVではないということを確かめたい、だからこそ一緒に検査行きたいと思っていることを伝えました。
Yさんはそれを当初拒みました。
やましいことが無いのであれば検査に一緒に行くべきではないのか?そうYさんに何度も話し、やっと検査に行くことを了承してくれました。3ヶ月程経過していないと検査の結果は不透明な物になり判明することがないこともあるとのことで、少し間をあけてから検査を受けることにしました。
募る不信感、不安を酒でごまかす日々
Yさんのことを僕は信じていたいと頭では考えていました。ですが、検査の話をし、拒まれてから僕はYさんを心の底から信じることが出来なくなっていました。
検査を拒んだYさんに対する不信感と、HIVに感染したのではないかという不安にかられていました。Aさんは本当にYさんから感染したからこそ、僕に教えてくれたのではないか。Yさんは自分が病気だということを本当は知っているのではないか。もうすでに自分は感染しているのではないか。
色々なことが頭をよぎり、仕事も手につかず、彼といるよりも二丁目にいることが多くなりました。ほぼ毎日二丁目で泥酔し夜中か朝方に帰宅。
休みであれば、死んだように眠る。仕事であれば1・2時間睡眠を取り、仕事にいく。そんな日々が続いていましたが遂に検査の日を迎えました。
画像出典:食雑写記
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