差別ツイートで即日辞任
ギリシャの交通大臣補佐が、ホモフォビック(同性愛嫌悪)なツイートやユダヤ人に差別的なツイートをしたことで、任命してから1日以内に辞任した。
ギリシャ首相が交通大臣補佐として任命
今週ギリシャのアレクシス首相は、急進左派であるシリザ党が選挙で勝利したことを受け、連立政権が始まる所だった。しかし、アレクシス首相は連立政権において右派の政党にいたディミトリ・カムノスを交通大臣補佐として任命してしまっていた。ディミトリは、今までにも同性愛に差別的な発言や、ユダヤ人を差別する発言をしていた人物だったのにも関わらずである。
ギリシャプライドパレードを「酷い」と発言
既に削除されてしまったが、新大臣は公式ツイッターや公式facebookにてアテナプライドパレードを「酷いものだ」と発言。また別の投稿では、9/11に起きたアメリカ同時多発テロがユダヤ人による陰謀だという論を展開。「あの2つのタワーでは2,500人のユダヤ人が働いていたが、あの日だけは誰も仕事に来なかったんだ」などと発言した。
カムノスは当初、同性愛差別的な投稿やユダヤ人に差別的な投稿を「私ではない誰かがやった」と主張したが、辞任した。
カムノスは、これまでも議論の分かれるような発言を繰り返してきており、「ギリシャが経済的に困難な状況になったのは、アウシュビッツが関係している」などと発言し、ユダヤ系の組織が反発していた。ある政治分析家はこう語る。「この事件が表していることは、彼は細かなことにまで不注意が行き届かず、無神経であるということだ。もし自分でもそういった発言が無神経なものだと分かっているのにも関わらず、注目を集めるためなどであればもっと酷い。そして、失敗は1回目は人間だから許されるが、同じ失敗をするものはただの愚か者だという事実も、この事件からわかることだ。」
日本ではどうか?
日本では同性愛差別発言をしても辞任にはならない。例えば、以下は石原元都知事が行った、週刊ポスト(2012年1月13日)での吉田豪氏とのコラムでの発言だ。
やっぱり同性愛の人間っていうのはかわいそうなんだよ。(中略)大体男が、あの歳であんな格好で出てきやがってと思ってたけど、美輪も同時に気の毒になってきた。遺伝工学の先生に聞いたら、人間に限らず哺乳類ってどんな世界でも必ず何パーセントかは純粋なホモができちゃうんだと。それ以外にも、人間にはいろいろな意識があるから、何かのきっかけでホモセクシャルに耽溺(たんでき)する人も出てくるらしいんだ。
以下は2015年の6月24日に兵庫県の議員が発言した内容だ。
性的少数者(LGBT)支援に向け、兵庫県内初の基本方針策定を目指す宝塚市。24日の市議会定例会で、自民党議員団の大河内茂太議員が一般質問に立ち、「(支援条例が制定され)宝塚がHIV感染の中心になったらどうするのか」と発言。別の議員が「不適切」と取り消しを求め、議事が一時中断した。
大河内議員は「HIVは、特に男性間の性的な接触によって広がっている。条例ができた場合、話題性もあり、たくさんの人が集まり、HIV感染の中心になったらどうするのか、という議論が市民から出てくる」と発言。これに対し、北野聡子議員が取り消しを求め、議事が中断した。
以下は、同時期に兵庫県で起きた発言だ。
井上県議は「社会的に認めるべきじゃないといいますか、行政がホモの指導をする必要があるのか」などと発言したという。井上県議は取材に対し、発言したことを認めた上で、「偏った性嗜好(しこう)で本来ハイリスクは承知でやっている人たちのこと。他にも重要課題がある中、行政が率先して対応する必要はない」と述べた。発言の撤回などは考えていないという。
こういった発言をした議員は、欧州ではそういった発言をすると即日辞任になるという事実を知るべきではないだろうか。
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