ゲイの雑誌ってどんなの?主要なゲイ雑誌まとめ

「自分はゲイなのかも」「ゲイの世界って、どんな感じ?」「他のゲイの人たちは、どんなことに興味があるんだろう」

もっと情報が欲しいと思ったとき、今はインターネットで手軽に様々な情報が得られますが、玉石混淆の面もあります。

そんなときは、ゲイ専門の「ゲイ雑誌」を読んでみることもひとつの方法。

ここでは、国内外で有名なゲイ雑誌の数々をご紹介します。

どの雑誌もそれぞれに特徴があるので、選ぶときの参考になればと思います。

国内ゲイ雑誌(発刊中)

SAMSON

出典元:http://www.amazon.co.jp/dp/B008BOZY2Q

出典元:http://www.amazon.co.jp/dp/B008BOZY2Q

1982年7月創刊。かつては、太めの体型が好きな人向けの雑誌と言われていましたが、現在は60代以上のモデルがほとんどで、シルバー世代が好きな人中心の雑誌となっています。

もともと自社制作のビデオ、DVDの販促という面も強かったため、現在は動画配信にも力を入れています。

Badi

1994年11月創刊。

最初のキャッチコピー「強い男のハイパーマガジン」で始まり、紆余曲折あり「僕らのハッピーゲイライフ」というキャッチコピーになって名実共にTOPの雑誌に。

扱う内容は、堅い情報から柔らかいもの、アダルトまでバランス良く掲載。

表紙モデルは20代〜30代のスポーツマン、マッチョ、GOGOなどが多いことが特徴です。

ISmagazine

出典元:http://isonline.jp/shop.php

出典元:http://isonline.jp/shop.php

2015年に創刊。「ふつうのゲイがつくる、ふつうのゲイのためのライフカルチャー誌」として、等身大のゲイのイマを切り取った雑誌。

ゲイに関する情報だけでなく、LGBTに関するニュースやアンケート、インタビューなども豊富に載っています。

また多くの他ゲイ雑誌と違い、アダルト要素がまったくないことも特徴のひとつ。

国内ゲイ雑誌(休刊済)

G-men

1995年4月創刊。「男性らしさ」をテーマにしていたため、創刊当初は、髭やマッチョへのこだわりが強く、創刊数年後からは『SG スーパーガッチリ」を提唱。今ではよく使われるようになったガチムチ、GMPD、AsianBearの走りと言われています。

ゲイの中でも一定の層に深く愛されたG-menでしたが、2016年2月に21年間の幕を下ろしました。

現在は、ウェブサイト上で写真集や官能小説、成人向けマンガの配信をしています。

薔薇族

出典元:http://bungaku.cocolog-nifty.com/barazoku/2011/05/post-7b07.html

出典元:http://bungaku.cocolog-nifty.com/barazoku/2011/05/post-7b07.html

1971年創刊。日本で初めての商業目的のゲイマガジンと言われています。

熱い支持を得ていたものの、数度の休刊と復刊を繰り返したのち、2006年1月号を持って休刊しています。

初代編集長である伊藤文学さんのブログや、二代目編集長である竜超(りゅうすすむ)版『薔薇族』などもチェックしてみると新たな発見があるかもしれません。(下部「参考URL」を参照)

アドン

出典元:http://akaboshi07.blog44.fc2.com/blog-entry-1673.html?sp

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1974年創刊。編集長の南定四郎さんは、当時の「ゲイは隠すもの」という風潮からは珍しく同性愛の権利向上のための活動にも積極的に参加していたそうです。

80年代のアドンは、薔薇族、さぶと一線を画して「都会的」なイメージが強かったことが特徴的でした。

薔薇族に続く老舗雑誌でしたが1996年末に休刊しています。

さぶ

出典元:http://stat.ameba.jp/user_images/20151021/11/rerin1217/98/3e/j/o0450064713460610205.jpg

出典元:http://stat.ameba.jp/user_images/20151021/11/rerin1217/98/3e/j/o0450064713460610205.jpg

1974年11月創刊。70年代〜80年代前半まで表紙を担当した三島剛さんの描く、角刈りで目元がすっきりした男のイメージが強烈で、当時は角刈り短髪のゲイ男性は「さぶ」系と呼ばれていたそうです。

創刊当初は投稿小説誌であり、毎号多くの小説が掲載されていました。

80年代後半からは漫画にも力を入れ始め、田亀源五郎さん、戎橋政造さんなども「さぶ」への投稿が世に出るきっかけとなったのだとか。

2002年2月号で休刊しています。

あの有名なマツコ・デラックスさんはBadi編集部出身

バラエティ番組で大活躍のマツコ・デラックスは昔、雑誌Badiの編集部に在籍していました。

子供の頃から自分がゲイであることを自覚していたマツコ・デラックスは、高校卒業後に美容師になったものの「何か違う」と感じて、ゲイ雑誌編集の道へ飛び込んだのだとか。

20代後半に退職したのですが、編集者時代の記事を読んでいた小説家・中村うさぎがホストを務める対談集「人生張ってます」のゲストに指名。

「マツコ・デラックス」の芸名と卓越したトークスキルが注目され、世に出るきっかけとなったようです。

海外のゲイ雑誌

海外のゲイ雑誌の種類はさらに多岐にわたっていますが、その中でも大きく分けて「ライフスタイル系」、「フェチ系」、「フリーペーパー系」に分けられます。

特にアメリカは地域ごとのフリーペーパーが盛んで、地域のビジネスや出会いに関する情報、広告が多く入っており、それぞれの地域の色が醍醐味のひとつ。

アダルトコンテンツはフェチ系の雑誌に寄っており、ライフスタイル系にはほとんどその要素はありません。
そのため、ライフスタイル系の雑誌には有名企業からの広告も多く、市場の大きさを物語っています。

OUT(アメリカ)

出典元:http://www.out.com/

出典元:http://www.out.com/

世界的にも有名なライフスタイル系ゲイ雑誌。
ゲイに関することだけでなく、LGBTに関する情報を幅広くとりあげており、ウェブメディアも運営しています。

毎号、旬なセレブリティなどが表紙を飾ることもその知名度の高さを感じさせます。

attitude(イギリス)

イギリス発のオシャレなライフスタイル系ゲイ雑誌。

ゲイやストレートの男性有名人が表紙になり、度々話題に。
中身は、男性グラビアから生活情報まで様々。

ゲイ雑誌に出てくる人たちって、どんな人?

英ゲイ雑誌attitudeの表紙を飾ったイギリスのウィリアム王子

最近では、イギリス王室のウィリアム王子がattitudeの表紙となり、世界中にそのニュースが伝えられました。

ウィリアム王子、ゲイ雑誌の表紙を飾る「自分を誇りに思うべき

表紙には、爽やかに笑うウィリアム王子の写真。その横には「セクシュアリティであれ他の理由であれ、いじめられることがあってはならない」という王子のメッセージが添えられています。

ウィリアム王子は5月12日にLGBTの人たちをケンジントン宮殿に招き、いじめにあった体験談を聞く機会を設けていたのです。

ウィリアム王子はマシュー・トッド編集長との対談の中で「セクシュアリティのせいでいじめを受けている人がこの記事を読んだら、信頼できる大人や友達、先生、支援団体に相談して欲しい。あなたがたは自分を誇りに思うべきで、恥じることは何もない」と語っています。

折しも、アメリカ・フロリダ州オーランドで同性愛者たちが集まるナイトクラブ「PULSE」が銃撃され、多くの死者が出るという痛ましい事件が起こったばかり。

ウィリアム王子は、キャサリン妃と共にロンドンのアメリカ大使館を訪れ、この事件の犠牲者たちへの哀悼の意を表しました。

ウィリアム王子の行動やメッセージは、世界中のLGBTにとってうれしい励ましになったのではないでしょうか。

トロイ・シヴァン(Troye Sivan)

若干20歳にして、アメリカ国内で代表的なゲイ雑誌OUTの「世界で最も影響力のあるゲイ」、TIME誌の「世界で最も影響力のあるティーン25人」に選ばれているトロイ・シヴァン。

音楽性も評価を受けており、2015年を代表するアーティストとしてローリング・ストーン誌の表紙にもなっています。

10代の頃から子役俳優として活動し、14歳のとき「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」に幼少期のウルヴァリン役で出演し、ブレイクを果たしました。

2013年にYouTubeでゲイであることをカムアウト。吸い込まれそうなブルーの瞳と、繊細で美しい顔立ち。透明感のある歌声にシンガーソングライターとしても人気の、注目株です。

どういうことが書かれてあるの?

具体的にどんな内容が掲載されているのか気になるところですが、官能小説や成人マンガ、セクシーな男性のグラビアなどでページが構成されています。

異性愛者の男性向け雑誌とは違い、ゲイのための生活情報といった記事も多く取り上げられているので、役立つ内容があるかもしれません。

また、かつては読者の文通仲介や、男性同性愛者同士が出会うことのできる場所の紹介など、ゲイにとって重要な「出会いの場」でもありました。

ですが、最近はSNSの普及も相まって、あまりこの役割は果たせていないようです。

ゲイ雑誌ってどうやって買うの?

ゲイ雑誌は、もちろん書店で買うことができますが、「本屋さんで手に取るのには、ちょっと勇気が…」という方には、ネットショッピングで入手するのがおすすめです。

休刊してしまった雑誌や古い号はまんだらけ通信販売にあるかも

https://order.mandarake.co.jp/order/

Amazon、楽天など大手通販サイトにもゲイ雑誌の品揃えはありますが、古い号や休刊してしまったものはなかなか手に入らないもの。
まんが専門の通販サイトだからなかなか見つけられないようなレアな漫画までみつけることができるのが魅力。まんだらけは店舗もあります。
なぜか、まんだらけ札幌店で薔薇族とさぶが大放出中だそう。(2016年7月現在

また、badi、ISmagazineなどは公式ホームページでの購入が可能です。

充実したコンテンツ盛りだくさんのゲイ雑誌

読者が楽しめるようエンターテイメントな芸能界の話題からアダルトなグラビアまで、盛りだくさんの内容で作られているゲイ雑誌。一度ページをめくってみたら、新たな発見があるかもしれません。

【参考URL】
Badi http://www.sbadi.jp/
ISmagazine http://isonline.jp/
Gmen official websit http://www.g-men.co.jp/
薔薇族初代編集長、伊藤文学のブログ http://bungaku.cocolog-nifty.com/barazoku/
竜超版『薔薇族』 http://xn--9fvy91edb.jp/
OUT(アメリカ)http://www.out.com/
Attitude http://attitude.co.uk/

READ  インドでゲイとして生きるということ