「米国で最も嫌われている男」が詐欺容疑で逮捕
「米国で最も嫌われている男」とも呼ばれているマーティン・シュクレリ(Martin Shkreli)。彼はチューリング・ファーマシューティカルズの前CEOで、エイズ薬の権利を買収し、一夜にして価格を55倍に引き上げた。そんな彼が詐欺容疑で逮捕されたという。
エイズ薬の値上げ
シュクレリ容疑者が12月17日、証券詐欺の容疑でFBIに逮捕された。
彼は今年9月、自分が経営していた会社でダラプリムというエイズ薬の権利を買収し、1錠13.50ドルだった薬を1錠750ドルまで値上げして販売した。これによって彼のもとには世界中から批判が殺到していた。
このダラプリムという薬は、トキソプラズマ症という病気を治療するために用いられ、HIVに感染している人も含め、免疫不全の治療などに効果があるとされている。
シュクレリ逮捕への各方面からのコメント
彼は容疑を否認しており、無実を訴えているものの、チューリング・ファーマシューティカルズからは身を引いているようだ。
これについて、チューリング・ファーマシューティカルズは
「マーティン・シュクレリはCEOの役職を辞任し、取締役のロン・ティルズを一時的にCEOに任命する」
と発表している。
また、CEOに任命されたティルズ氏は以下のように述べている。
「チューリング・ファーマシューティカルズを現在のようなダイナミックリサーチに特化した会社にしてくれたことについて、私たちはマーティンに感謝したいと思う。マーティンの今後の活動の成功を祈っている。」
「同時に、チューリング・ファーマシューティカルズを引っ張って行く機会を与えられたことに、気持ちがとても高ぶっている。」
さらに、ヒューマン・ライツ・キャンペーンのダルトン(Olivia Alair Dalton)氏は、今回のシュクレリの逮捕について、以下のように述べた。
「マーティン・シュクレリが辞任したことで、チューリング・ファーマシューティカルズが生命を救うための治療に関連する無茶な値上げ行為をしなくなることを願っている。
一時的なCEOとなったロン・ティルズ氏は、50倍というケタ外れのダラプリムの値上げを早急に元の基準に戻し、妊娠している多くの女性やHIVに感染している人たちにとって必要な治療を行えるようにすべきだ。」