LGBTアライな企業は収益性が高い?〜クレディ・スイスの提唱するLGBT270とは

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『寛容さ』を超えて、その先へと向かうアメリカ企業のLGBTへの取り組み

7月1日付の日本経済新聞電子版にて『米に広がるLGBTの輪』というタイトルで、現在のアメリカにおけるLGBTへの関心と経済の深い結びつきが紹介された。

Letibeeの過去記事でも取り上げられた、オバマ大統領によるストーンウォールの国定史跡指定宣言や、先のオーランドの悲劇的な事件、そしてそれに立ち向かうように盛り上がったプライド月間に行われたイベントの数々

それらとともに、この記事では「LGBT270」という耳慣れない言葉が紹介されている。

実はこれ、世界最大の金融機関 クレディ・スイスがこの春発表した調査報告で名付けられた、LGBTを積極的に支援している企業のこと。
全米上位企業はほとんどでLGBTに対する差別は禁じられているが、LGBT270はその中でもLGBTであることをオープンにしている役員がいたり、活動団体からLGBTフレンドリーだとお墨付きをもらった企業たちをさす。

「LGBTに対して寛容というだけではなく、LGBTを積極的に雇用していること」
とクレディ・スイスはLGBT270に選ばれた企業を説明している。

これら270社を他の企業と比べると、明らかな違いがあったのだ。

LGBTフレンドリー企業ほど業績が好調だという結果が調査結果で判明

まず、LGBT270の企業は、平均的な企業の株価を年3%上回っている
6年連続してだ。
また、過去12ヶ月で株式インデックスが平均6.9%下がったのに対して、LGBT270では5.1%しか下がっていない
また、調査期間での株式収益率や開発に対する利益もLGBT270は平均値より上回っていた

LGBTに対して意識的な企業が業績でも好調であるという調査結果がはっきりと出たのだ。

この理由について、
「LGBTを積極的に採用している企業のほうが、よりマネージメントが上手くいっているのではないか」
とクレディ・スイスは説明している。

クレディ・スイスが分析する理由はまだほかにもある。

それは、LGBTを積極的に採用することによって、企業はより多くの才能がある人々にアピールすることができるというもの。
LGBTコミュニティの学歴は平均すると高いという結果が出ているのだ。
※同性カップルの大卒率が48%に対して男女カップルは34%。

また、80年代~90年代に生まれた、アメリカでは「ミレニアルズ」と呼ばれる若い世代へのアピールも期待できる。
この年代のLGBT率は7%で、平均(3.8%)のなんと倍近いという統計結果が出ている。

そして、LGBTに対する意識の高さは、当事者だけでなくアライの人々にもとても良いアピールポイントになるだろう。企業の雇用者に対する平等さのわかりやすい物差しだからである。

LGBTを積極的に採用している企業が好調なのは、
そういう企業が基本的にいい会社だからだろうか?
それともLGBTが雇用者として有能なのだろうか?

 

この鶏が先か卵が先かのような命題に、クレディ・スイスはシンプルな答えを出している。

「両方だ」

まだ課題が残る企業のLGBT対策

ただ、LGBTの人材を流出させないためには、企業の意識がさらに高くならないといけないかもしれない。

LGBT雇用者が職場でクローゼットでいる率は41%、役員に限れば72%にもなる。
そして、クローゼットなLGBTはオープンな人よりも職場を一年以内に去る率が73%も高くなるという調査結果も出ている。

また、

レズビアンの24%、
ゲイの30%、
バイセクシャルの40%、
そしてトランスジェンダーの55%

 

が職場でカミングアウトすれば将来の出世に影響すると考えている。

自分の性アイデンティティをオープンにしていける職場づくりが雇用の継続において必要不可欠になってくるだろう。

巨大なLGBT市場の可能性

クレディ・スイスのレポートではLGBTフレンドリーな企業の好調さに、LGBT市場の巨大さを一番にあげている。

全世界のLGBT消費者が使うお金は世界でおよそ3.7兆円と見込まれている。
これはドイツの2015年のGDPとほぼ同じ額だ。

4人に1人のLGBTが、
ライバル会社の商品からLGBTフレンドリーな企業の商品に替えたことがあると言っている。
そして7割の人が、もっと安かったり手に入れやすい品を見つけても、その企業のサポートを意識的に続けると答えたのだ。

■参考記事
It Pays to Move Beyond Tolerance – The Financialist

■TOP画像引用元
https://www.credit-suisse.com/us/en/articles/articles/news-and-expertise/2013/10/en/theyre-here-theyre-investable-get-used-to-it.html

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