国際連合が記念切手でLGBTの権利向上を訴える
GAY STAR NEWSによると、国際連合の郵便組織である国際連合郵便(UNPA)が、記念切手としてLGBTの平等を世界に訴える国連切手を発行することを、2月4日に発表した。このような取り組みは初めてのことだという。
多様性を象徴する記念切手
国連の人権活動を主に担っている国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によって実施されている、世界レベルでLGBTの平等を求めるキャンペーン「UN Free & Equal」の一環として、6つの記念切手が発行される。これらは英国、フランス、ドイツで購入でき、“LGBTコミュニティの多様性を称える”目的があるという。
これらの切手には、同性カップルやトランジションしているジェンダーを象徴している蝶、バイセクシャルをイメージしているようにも見える赤と白で半分ずつ色づけられた人など、LGBTの人々がアーティスティックに描かれている。
国連のLGBTに関する立場
声明では以下のような説明がなされた。
「2016年2月5日、UNPAは、LGBTの平等を訴えるFree & Equalキャンペーンの一環として6つの記念切手を発行します。」
「これらの切手は、LGBTコミュニティの多様性を賞賛しており、LGBTをテーマとした記念切手の発行はUNPAとして初の取り組みとなります。」
「国連人権事務所の主導で、Free & Equalというホモフォビアやトランスフォビアによる暴力や差別についての関心を高めるための世界の教育キャンペーンを行っています。」
また国連は、平等は「人権の基本原則」であるとした上で、全ての国が「全ての人達の人権を促進し、保護するという法的義務がある」との立場を明らかにした。
デザイナーの思い
「結婚の平等やLGBTの平等を重要だと考えている(先進)国であっても、私たちはまだまだその達成には程遠い世界に生きています。」
この切手をデザインしたアーティストのセルジオ・バラダット(Sergio Baradat)氏はそう語った。
「今、世界には私たちの生き方が祝福されなかったり、尊重されなかったりするだけでなく、傷つけられたり、殺されてしまったりする現状があります。そして、考え方を変化させる手段として切手を使うことが、良い機会になるのではないかと私は考えました。」
バラダット氏はキューバ出身で、彼の芸術スタイルはフランスのアール・デコの影響を強く受けているという。彼は、LGBTの権利は人権であると強く信じており、すべての個人が法の下、平等で公平に扱われるべきだと考えている。
今回発行される記念切手は、OHCHRとUNPAに加え、様々な国が共同で提案して作られた。オンラインで購入することもできるという。
画像出典:The Guardian