カミングアウトするか迷っているLGBTの学生へ
今回は、カミングアウトを迷っているセクシュアルマイノリティの学生に向けて、カムアウトをするかどうかを判断するための参考として、現役大学生でXジェンダーである筆者が自分のカミングアウト体験をご紹介します。
大学でXジェンダーとカムアウトした経緯
まず、私がどのようにして大学でカムアウトしたのかを説明します。
1年次: 全員にとりあえずカムアウトした
美大の実技授業では、芸術家として展覧会で発表するような作品を制作します。ジェンダーに関する作品を制作するためだったり、家族にセクシュアリティを認めてもらおうと既成事実が作りたくて、「社会でセクシュアル・マイノリティであることを、カミングアウトし、独り立ちしたい」と気負っていたのだと思います。
2年次: Xジェンダーとしてカミングアウトし直した
Xジェンダーですが、１年次に(周囲に分かりやすいように)「FTM」と周りにカミングアウトしたことが後を引いて色々と大変でした。ゲイの人が最初に「バイセクシュアル」とカムアウトする人がいると聞いたことがありますが、そういうことをすると後で訂正が大変です。また、誰にでもカミングアウトするのはやめました。言いたいと思った相手や、気づいてくれた方にはカミングアウトするようにしました。Xジェンダーをどう説明するか関してはこちらの記事をご覧ください。“Xジェンダー”を人に説明するにはまず○○○から話せ
カムアウトとして起きた嫌なこと3つ
1. 「Xジェンダー」と覚えてもらえない
美術の大学とはいえ、皆、若者です。LGBTに関する基礎知識のある人は多くないです。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。「『Xジェンダーとか思い過ごしだろ（笑）』と言われたら。」
2. アウティングされた
ものめずらしい大事な話題なのでしょうか。アウティングされたときに、もやもやした気持ちを飲み込んでいい顔をしてしまったのが後悔しています。やっぱり、アウティングしかり、こちらにとって心地よくないことがあった相手というのは、仲良くなれないです。逆も同じですよね。こういうときは、お互いに合わない縁だったのかな、と思うしか対処法がないです。
3. 異物扱いを受けた
外出先では男性としてパスすることもあります（生まれつきガタイが良いため）。女子大なので、校門の守衛さんに一応話しておこう･･･という余計なことをしたため、その後専攻の研究室に「なんか報告があったんですけど」と伝わったそうです･･･。気持ちのよくない思い出です。
カムアウトして実際に起きた嬉しいこと3つ
1. セクシュアリティについて情報が集まる
オナベバーに体験入店したり、LGBTフレンドリーNPOでインターンシップをしたり・・・こういう思い切ったことができるようになったのは、カミングアウトをして、周りに顔がバレてもなんでもいいと思えるようになったからだと思います。
2. 大学生のうちに、ライターになるという目標を達成
カミングアウト当初、周囲はセクシュアリティについて全く知識がなかったのもあり、理解をしてもらいたいという思いからブログを書いていました。そのブログや投稿動画はなかなか好評価を得ることが難しく、ライティングの難しさを思い知ります。何もせずいきなりライターになるのは難しいですがカムアウトしたことで、その経験が誰かにとってきっと役立つ”情報”となったので、私がずっとやりたかった執筆をするということに繋がったのだと思います。ライターになった経緯についても記事で触れています。
3. もう、嘘を付かなくていい！
自分をおおっぴらにしてしまえることから、最低限の嘘で生活していけるため、生活が楽です。家族、友達、みんなにもう嘘をつかずに正直に、私らしく生きていける。それだけでも、私はカムアウトをして本当に良かったと心から思っています。
カミングアウトには良いことも悪いこともある
いかがでしたでしょうか？カミングアウトは勇気がいります。実際良いことばかりではなく、嫌なこともあります。それでも私はカミングアウトをしたことで、私の人生がより開けて、より幸せに生活ができるようになったと思いますし、して良かったと心から思います。カミングアウトをするかどうかはあなた自身が決めることですが、ぜひこの私の経験が、あなたのその決定の一助になればと思います。また、家族へのカムアウトについてはこちらの記事が参考になるとおもいます。感動必至！”母をナメるな！”あるゲイのカミングアウトストーリー
img via: https://evanlaar2013.wordpress.com/2013/12/27/come-out/
