同性婚ができないことで生じる問題とは?

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同性婚ができないことで様々な問題が発生

本日のお題は「パートナーに対して法的立場を得る方法」です。
同性婚が認められていない以上、養子縁組など特に何もしなければ、パートナーとは法的に「関係のない」立場になります。一緒に住んでいれば「同居人」とも言えますね。

元気で問題なく暮らしているうちは、特別に何か対処をしなくても問題はありません。

しかし、決定的に問題になる場面があります。それはどんな時だと思いますか?実際にあったケースから考えてみましょう。

■パートナーとの関係が決定的に問題になる場面とは?

【CASE 1】
一緒に暮らすパートナーが交通事故に巻き込まれ病院に収容されたらしいことを知り、病院へ行ったが「家族でない」ことを理由に病室にも入れず状態もわからないまま。その後パートナーが死亡。賃貸契約はパートナーがしていたので継続して入居することができなくなったうえに、一緒に貯めていた貯金はパートナー名義の口座にあったので、相続人に全て渡ってしまった。

個人情報保護のために、医療現場では家族以外は締め出されることが現実に起こっています。そして、どんなに長く共同で生活を営んでいても、パートナーが死亡すれば契約者でない同居人は部屋を退去しなければならず、特定の人に財産を遺す遺言がなければパートナーの財産は全てパートナーの法定相続人のものになります。それはパートナーに対して何ら法的な立場がなかったからです。

事故や病気などのリスクはいつ誰に起こるか予想できません。つい大丈夫という「思い込み」をしてしまいがちです。冒頭でお話した台風による浸水の話と同じで、現状ではリスクがあることに「気づく」ことがとても重要です。そうすれば、浸水しないように土嚢を使うという対処法を考えることができます。

■パートナーに対して法的立場を得る方法とは?

同性婚ができなくても、「万が一」の時に、事前に準備しておくことで、場合によってはパートナーに対して法的立場 を得る方法もあることをご存知ですか?今日は、その中の1つをご紹介します。

前述の【CASE 1】の医療現場からの締め出しについてです。問題なのは、本人に意識がない、主張ができない状態です。

個人情報保護法第23条は「本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」とあります。つまり、本来は家族であろうがなかろうが、本人の同意を得ない状態では誰にも話せないということなのですが、医療現場では家族であれば病室に入れますし、説明も受けられるという状態になっています。(ここは議論するポイントではありません。)

ポイントは「本人の同意を得ない」ということ。つまり「本人の同意」があれば、情報は提供して良いということです。意識がないのにどうやって?とお思いかもしれませんが、方法があります。それは、「事前に意思表示」しておくことです。(「臓器提供の意思表示」もそうですね!)

「医療における事前意思表示書」として、パートナーを病室に入れるようにしたり、パートナーに状態を説明することや、パートナーの意向を尊重するように意思表示しておくことができます。これが同性婚をしていなくてもパートナーに対して法的な立場を得る方法の1つです。

「意思表示書」の作成は私たち行政書士に依頼しても良いですし、さらに公正証書にすることもできます。パートナーがお互いにこれらを作成して交換しておきましょう。そうすれば本人の意思が明確にある状態ですので、病院側も対処できます。

ただし、一つだけご注意を。LGBTのみなさんのお話をお伺いすると、お互いのご両親と仲の良い方、まったく連絡を取っていない方など様々です。
病院でパートナーの家族と鉢合わせすることは多々ありますので、いかに本人の意思表示があっても駆け付けた家族が強固にノーといえば、そこで争いが生じるということは避けられません。ですから、日ごろからできるだけパートナーの家族ともコミュニケーションがとれる状態を模索してみてくださいね。

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