26年間に渡って、毎年開催されているセクシャルマイノリティの映画祭があるってご存知ですか? 日本のLGBT関連のイベントでは、間違いなくもっとも長い歴史を持つこの映画祭は、
「第26回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」
です。
セクシャルマイノリティを題材にした世界各国の映画の中から、毎年習作を選び上映されます。
昨年から名称も変わりましたが、3年連続でシネマート新宿とスパイラルホールの2会場を使い、10日間にわたり全13プログラムが上映されるレインボー・リール東京の魅力をご紹介します。
■第26回レインボー・リール東京
会場:シネマート新宿、スパイラルホール
会期:シネマート新宿 ※連日19時より1プログラム上映
2017年7月8日(土)〜7月14日(金)
スパイラルホール
2017年7月14日(金)〜7月17日(月・祝)
主催:レインボー・リール東京運営委員会/NPO法人 レインボー・リール東京
レインボー・リール東京だからこその楽しみとは?
1)二度と見られない映画たちと一期一会の出会い
レインボー・リール東京で上映される作品はメジャーの配給会社が扱わないものがほとんどです。つまり、劇場公開も、DVDなどで発売される可能性も非常に少ないのです。
この会場で見なければ、(特に海外作品の場合は日本語字幕がついた状態では)一生見る機会がない作品がほとんどです。
一期一会の状況で見た映画が感性にフィットしたなら、その感動は必ずやあなたの心に深く刻まれることでしょう。
2)幅広いラインナップが創る映画を満喫する興奮
メジャーな配給会社が扱わない小さな作品=アート系の難しそうな映画、と思い込んでいる方も多いかもしれません。
でもレインボー・リール東京で上映される作品の幅はとても広いのです。
LGBT当事者だからこそ実感できる心の痛みを共有するものから、サスペンス、家族との関わりを描いたドラマ、みずみずしい青春時代を描くロマンス、興味深いドキュメント、秀作短編映画まで実に多種多彩。とりあげるセクシャリティも、また様々です。
当事者はもちろん、当事者の気持ちを理解したいと考えるアライの皆様にも、興味深く見ていただける作品が多いです。
3)同じ感覚・感性をもつ仲間たちと感動をシェアする喜び
例えば海外の映画の字幕版を劇場で見た時に、(字幕を読んでいるだけでは)ちっとも笑えない場面で場内の外国人が爆笑していた経験はありませんか? 生活環境や経験が異なると理解できないスラングやパロディなどがあるのは当然のこととはいえ、そんな時はなんだか悔しい思いを抱いてしまいますよね。
レインボー・リール東京で上映される映画には、LGBT当事者やアライだからこそ理解できたり、爆笑できる場面が必ずあります。その感覚を多くの人とシェアしながら楽しむ映画体験は、この会場以外ではなかなか味わうことができない、レインボー・リール東京の最高の喜びなのかもしれません。
映画館とホール、今年も2つの会場で上映されます
この3年間、映画祭はシネマート新宿と、青山スパイラルホールの2つの会場を使って開催されています。
海の日を挟んだ週末の連休に上映されるスパイラルホール会場は、ホール前のロビーにスポンサー企業のブースが立ち並ぶなど、まさにお祭りイメージを満喫できます。しかし、映画館とは異なるホールの椅子で、続けて何本も映画を見るのはしんどいと感じる方もいらっしゃるようです。
スパイラルホールに先駆けて前週の土曜日から毎晩19時より1プログラムずつ上映されるのがシネマート新宿。
かつては「シネマ1」という名称だった歴史ある映画館で、映画を見るための環境としては最高の劇場です。
両会場のプログラムを組み合わせて、無理なく予定を組むのがレインボー・リール東京をもっとも効率的に楽しむ方法ではないでしょうか。
■シネマート新宿での上映作品一覧
■スパイラルホールでの上映作品一覧
注目の全25作品ラインナップ
今年も世界の映画祭で話題となったセクシャル・マイノリティを題材とする珠玉のドラマやドキュメンタリー全13プログラムが揃いました。上映される作品の多くが日本初上映であり、レインボー・リール東京が最後の上映になる可能性が高い貴重な作品もあります。
今年は、世界の映画祭で話題を呼び日本初上映となる長編作品が数多くラインナップされています。
フランス映画「17歳にもなると」は、2016年ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品。
タイの映画祭に数多くノミネートされたファミリードラマ「ファーザーズ」(日本初上映)。
カナダ映画「アンダー・ハー・マウス」は、2016年トロント国際映画祭で「本年度、最もセクシーな映画」として絶賛。
アイルランド映画「マッド・メアリー」は2017年アイルランド・アカデミー賞で最優秀映画賞を受賞。
スウェーデン・アメリカ合作の「キキー夜明けはまだ遠く」は、2016年ベルリン国際映画祭で、テディ賞最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。
また、毎年注目が集まる短編映画集は、アジア・太平洋地域でのLGBT映画支援を目的に2015年に設立されたAsia Pacific Queer Film Festival Alliance (APQFFA)に加盟する映画祭が推薦する6本の作品が『QUEER×APAC 〜APQFFA傑作選2017〜』として上映されます。
全13プログラム25作品のすべてをご紹介します。
17歳にもなると Quand on a 17 ans
ワガママなダミアンは 17 歳。母と一緒にフランスのピレネー山脈近くの街で軍人の父の帰りを待って いる。ダミアンと農家の養子トマは衝突を繰り返していたが、トマの母が入院したことで、ダミアンの 母がトマを一時的に引き取ろうと提案する。フランスの巨匠アンドレ・テシネが『トムボーイ』(第 20 回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭上映作品)の監督セリーヌ・シアマを脚本に迎えて手がけた⻘春ラブストーリー。
2016 年ベルリン国際 映画祭コンペティション部門出品。
『17 歳にもなると』
【英題】Being 17 【原題】Quand on a 17 ans
監督:アンドレ・テシネ
2016|フランス|116 分|フランス語、スペイン語
★日本初上映
『僕の世界の中心は』Die Mitte der Welt
サマーキャンプから帰ってきたフィルは、双子の姉妹と母の間に険悪な空気を感じ取る。家での居心地 が悪くなり、残りの夏休みを女友達のカットと遊び歩くフィル。新学期が始まると、そこには謎めいた 新入生のニコラスが。カットの忠告をよそに、フィルはニコラスと恋に落ちるが…。軽快でポップな演 出と重厚な家族のドラマが融合。
2015 年東京国際映画祭で最優秀男優賞(『ヒトラーの忘れもの』) を受賞したルイス・ホフマン主演。
『僕の世界の中心は』
【英題】Center of My World 【原題】Die Mitte der Welt
監督:ヤーコプ・M・エルヴァ
2016|ドイツ、オーストリア|115 分|ドイツ語、英語
★日本初上映
『ファーザーズ』Fathers
交際 13 年のプーンとユクは、孤児の少年を養子として引き取り育てている。小学校に上がった少年は、 同級生から父が二人いることをからかわれ、実の母について興味を持ち始める。そんな時、一家のもと に児童権利保護団体のスタッフが現れ、プーンとユクは少年のために大きな決断をすることを迫られる が…。偏見にさらされながら家族愛を貫こうとするカップルを描き、タイの映画賞に多数ノミネートさ れた感動のファミリードラマ。
『ファーザーズ』
【英題】Fathers
監督:パラトポル・ミンポーンピチット
2016|タイ|96 分|タイ語
★日本初上映
『迷い子たちの物語』Tale of the Lost Boys
妊娠した恋人をマニラに置いて台北を訪れたフィリピン人の整備工アレックスは、偶然出会った台湾人 の医大生ジェリーと意気投合する。二人は母との関係に悩んでいた。母に置き去りにされたアレックス と、ゲイであることを保守的な少数⺠族の両親に告げられずにいるジェリー。二人はジェリーの家族に 会いに彼の故郷・宜蘭へ向かうが…。
フィリピンのクィア映画界の革新者ホセリト・アルタレホスが国 際共同製作に初挑戦した野心作。
『迷い子たちの物語』
【英題】Tale of the Lost Boys
監督:ホセリト・アルタレホス
2017|台湾、フィリピン|90 分|英語、タガログ語、中国語、アタヤル語
★日本初上映
『アンダー・ハー・マウス』Below Her Mouth
屋根の修理工ダラスは数々の女性を渡り歩くプレイガール。ファッションエディターのジャスミンと出 会ったことで、彼女の人生は一変する。二人は目が合った瞬間から惹かれ合い、すぐに熱い情事へと発 展するが、ジャスミンにはフィアンセがいた…。トロント国際映画祭で「本年度、最も大胆でセクシー な映画」として絶賛された話題作が日本上陸。
女優でもあるエイプリル・マレンが監督を務め、すべて女性クルーによって製作された。
『アンダー・ハー・マウス』
【英題】Below Her Mouth
監督:エイプリル・マレン
2016|カナダ|92 分|英語 配給:シンカ
★日本初上映
『フィニッシュ・ホールド』Signature Move
移⺠問題を扱うパキスタン系の弁護士ザイナブは、仕事と趣味のルチャリブレ(メキシコ式プロレス) のトレーニングで忙しい毎日を送っている。一方、未亡人であるザイナブの母は家から出ようとせず、 趣味といえばメロドラマを見ることと娘の結婚相手を探すことだけ。ある日、ザイナブはルチャリブレ の元レスラーの母を持つメキシコ系のアルマと出会い、急接近するが…。多⺠族都市シカゴを舞台にし たロマンティックコメディ。
『フィニッシュ・ホールド』
【英題】Signature Move
監督:ジェニファー・リーダー
2017|アメリカ|82 分|英語
★日本初上映
『たぶん明日』Baka Bukas
アレックスは20代の映像クリエイター。レズビアンであることをオープンにしているアレックスだが、 親友のジェスに対してだけは別だった。アレックスは子供の頃からひそかにジェスに恋心を抱いていた のだ。ところがジェスがレズビアンをテーマにしたアレックスの番組企画を知ってしまい、二人はお互 いへの気持ちに向き合うことになる。本作が⻑編デビューとなる新進監督サマンサ・リーが、マニラの 若者たちの日常を瑞々しく描く。
「たぶん明日」
【英題】Maybe Tomorrow 【原題】Baka Bukas
【監督】サマンサ・リー
2016|フィリピン|83 分|英語、フィリピノ語、タガログ語
協力:大阪アジアン映画祭
『マッド・メアリー』A Date for Mad Mary
ナイトクラブでの暴行により刑務所に半年間服役し、地元に戻ったメアリー。そこでは親友シャーリー ンが結婚式を控え、メアリーがブライズメイドを務めることに。式に同伴する相手がいないメアリーは 「ツレ」探しに奔走するが、結果はさんざん。孤独な気分を募らせるメアリーの前にミュージシャンの ジェスが現れて…。
2017 年アイルランド・アカデミー賞で最優秀映画賞を受賞した、イタイタしくも チャーミングな友情と恋のドラマ。
『マッド・メアリー』
【英題】A Date for Mad Mary
監督:ダレン・ソーントン
2016|アイルランド|82 分|英語
★日本初上映
『キキ ―夜明けはまだ遠く―』Kiki
現在のニューヨーク、セクシュアル・マイノリティの中でもマイノリティである有色人種の若者たちは、 社会の抑圧と闘いながら独自のパーティーシーン「キキ」を形成している。4 年間にわたって撮影され た本作は、圧巻のダンス映像に加え、数多くのインタビューからアンダーグラウンドのカルチャーに迫 る。2016 年ベルリン国際映画祭でテディ賞最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、世界の映画祭で高く 評価された必見の一作。
『キキ ―夜明けはまだ遠く―』
【英題】Kiki
監督:サラ・ジョルディノ
2016|スウェーデン、アメリカ|94 分|英語
★日本初上映
『私はワタシ 〜over the rainbow〜』
痛み、苦悩、ファンタジー、希望・・・。企画・キャスティング・プロデューサーの東ちづるさんをイ ンタビュアに、40 人以上のセクシュアル・マイノリティの人たちの言葉を紡いだ記録映画。ゲイ雑誌「バ ディ」や「G-men」の創刊や、現在も HIV 陽性者ネットワーク・ジャンププラス理事などで活躍しつ づける⻑谷川博史さんを軸に、ピーターさん、はるな愛さんなどの著名人や活動家たち、生きづらさを 感じる人たちのメッセージが心に染みる。
『私はワタシ 〜over the rainbow〜』
【英題】I am what I am. –Over the Rainbow-
監督 :増田玄樹
2017|日本|75 分|日本語
『きみは海』
ヘテロセクシュアルの大学生・は、バイト先で知り合ったと付き合って初めて本当の愛の存在を実感す る。しかし透子は、公園で出逢ったに胸のときめきを覚え、昔から女性へ特別な感情を持つ自分に改め て気付いてしまう。彼女の秘密を知った快人は、透子の気持ちを自分に留めるために様々な努力をする のだが…。セクシュアル・マイノリティ作品の新たな可能性を見せてくれる傑作。
【英題】You Are The Sea
監督:高橋知子
2016|日本|64 分|日本語
QUEER × APAC 〜APQFFA 傑作選 2017〜 ※海外短編集
アジア・太平洋地域での LGBT 映画の支援・振興を目的として 2015 年に設立された Asia Pacific Queer Film Festival Alliance (APQFFA)。
このアライアンスに加盟する映画祭が推薦する短編映画の中から 6 作品をピックアップして上映。各国の新しい才能に注目を!
『始まりの駅』★日本初上映
監督 :タオ・ジア 2016|アメリカ、中国|17 分|英語、中国語
『晴れ舞台』★日本初上映
監督:アミナ・マリク 2016|パキスタン|14 分|ウルドゥー語
『誕生日パーティー』★日本初上映
監督:ジャナ・パク・ムーア 2016|アメリカ|16 分|英語
『ある日』★日本初上映
監督:リカント・アナンスクリシュナン、ヴィクラント・ドテ 2016|インド|12 分|英
『モモ』★日本初上映
監督:チャン・ヨンジュ 2016|韓国|15 分|韓国語
『ダム』★日本初上映
監督:ブレンドン・マクドナルド 2016|オーストラリア|16 分|英語
レインボー・リール・コンペティション ※日本短編集
レインボーリール東京恒例、一般公募による日本の短編作品を集めたプログラム。来場した観客の皆さんの一票一票が、グランプリ(観客賞)を決定します!
『君と違う空は見たくない』
監督:⻑濱勇太 2016|日本|20 分|日本語
『いとしいひと』
監督:丸山夏奈 2016|日本|19 分|日本語
『染色体の恋人』
監督:矢野ほなみ 2017|日本|5 分|日本語
『お前、本当に梅吉か?』
監督:高山直美 2014|日本|23 分|日本語
『春みたいだ』
監督:志萱大輔 2017|日本|31 分|日本語
『カランコエの花』
監督:中川駿 2017|日本|39 分|日本語
チケット・インフォメーション
・1回券(日時指定券) 前売り:1,400円/当日:1,700円
・スパイラル4回券(日時指定なし・前売り限定・使用条件あり) 5,200円
※スパイラルホールでの上映回のみ使用可。シネマート新宿での上映回にはお使いいただけません。
・スパイラルパス引換券(限定100枚) 前売り:12,000円/当⽇:14,000円
※スパイラルホールでの上映回すべてをご覧いただけるフリーパスです。
【Pコード】
・1回券(シネマート新宿上映回) 557-104 販売期間:7月5日(水)まで
・1回券(スパイラルホール上映回)557-105 販売期間:7月11日(火)まで
・スパイラル4回券 467-289 販売期間:7月11日(火)まで
・スパイラルパス引換券 467-290 販売期間:7月11日(火)まで
【購入窓口】
・前売り購入窓口:チケットぴあ、スパイラル「MINA-TO」、ルミエール、チネチッタ、クラブチッタ
※シネマート新宿での前売り券の発売は行っておりません。
※ チネチッタ及びクラブチッタの通常窓口では購入できません。
・当日購入窓口:
①シネマート新宿会場内映画祭受付(各日18:20〜)
※シネマート新宿のチケット販売窓口では当映画祭のチケット発売は行っておりません。
②スパイラルホール会場内映画祭受付
【チケット問い合わせ先】
・ホームページ内問い合わせ contact01@rainbowreeltokyo.com
・チケットインフォ:070-1456-2300(平日:19時〜21時、土日祝:13時〜18時、映画祭開催中)
■レインボー・リール東京
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