高齢ゲイカップル、バルコニーからのレインボーフラッグ撤去を命じられる
オーストラリアのメディアThe Ageは、ポート・メルボルンに住む高齢のゲイカップルがアパートのバルコニーからレインボーフラッグを撤去するよう命じられ、さもなければ法的措置をとると伝えられていたことを明らかにした。
メールの内容
先週7日、メルボルンの都心の不動産所有者を管理する株式会社がMurray Sheldrick氏(78歳)とJames Bellia氏(72歳)に対して、彼らを”不快にさせるような”メールを送った。そのメールには、レインボーフラッグを撤去するか、それに従わない場合はビクトリア朝の民事及び行政審判所において法的措置をとる、と書かれていたという。
このカップルが他の住人の「穏やかで楽しい生活」を侵害しており、これは所有者規則に違反しているということだった。また、「広告物を展示している」ことでも違反しているとのことだ。
ゲイカップルの意見
アパートを所有するBellia氏とSheldrick氏は、交際を始めてから50年がたっている。彼らは2月にレインボーフラッグを購入し、当分の間バルコニーにはそれを出していなかった。彼らは基本的に、オーストラリア・デーや女王の誕生日、そしてMidsumma Festival(オーストラリアのゲイフェスティバル)など、何か特別なことがあるときにフラッグを出していた。
この2人はこのメールが同性愛に対しての偏見にまみれていると確信している。
「僕たちは、これが明らかに同性愛に対して差別的であると考えていて、それにはもう疑う余地がない。なぜ彼らは僕たちに嫌がらせをするのだろう。フラッグはとても大きなテラスに置いてあって、別に誰かの景観を邪魔しているわけでもない。」
これに対して管理会社側は、建物の商業的な外見を強めたことに対する責任があると述べ、このカップルの主張を聞き入れなかった。「均一な外観は守られるべきだ。カーテン、ブラインド、作り付けの窓でさえも均一な性質のものになっているのだ」と主張している。
自分を表現する権利
Gay and Lesbian Rights LobbyのJustin Koonin氏は今回の件について、LGBTIの自分自身を表現する権利がひどく傷つけられる可能性があると話した。
「人々があるがままに誇りをもって生きることを妨害する行為を、もはや合法的に、かつ倫理的に正当化することはできない。」
「特に高齢のLGBTIの人は、偏見や周りに無視された状態を何十年にもわたって経験してきた。これは彼らのアイデンティティが原因で起きたことではない、彼らのアイデンティティを受け入れない社会に生きることが原因で起きたのだ。」
画像出典:The Age