カトリックとロシア正教会のトップが約1000年ぶりに会談
カトリック教会のトップであるローマ法王とロシア正教会のトップがキューバで歴史的会談を行った。カトリック教会とロシア正教会のトップが会談を行うのは、約1000年ぶりの出来事だという。そこで、両トップは同性婚に反対する立場を示す共同声明を発表したとGAY STAR NEWSは報じている。
両教会トップからの声明
2月12日、キューバにおいてローマ法王フランシスコとロシア正教会のキリル総主教が、両教会が11世紀に分裂して以来、約1000年ぶりに会談を行った。
共同声明の主なメッセージはカトリック教会とロシア正教会の和解についてであったが、貧困や戦争などにも触れていたという。そして、キリスト教会が宗教の自由を制限されているという話題になると、両教会のトップは同性婚を公然と非難した。
ローマ法王が読み上げた両トップからの声明は、以下のような内容となっていた。
「家族は、人間生活と社会の中心的存在である。私たちは、多くの国でこの家族が危機に直面していることを懸念している。」
「家族とは、結婚、つまり無償の行為と男女間の真の愛情に基づくものだ。愛情こそが、結婚を確固なものとし、お互いを大切な贈り物として受け入れることを教えてくれるものなのである。結婚は愛情や貞節について教育する場なのだ。」
「結婚における男女の明確な役割として、父性や母性のような、聖書の伝統を崇めるという考え方が、世間の良心から失われつつある。その一方で、この(同性婚という)別の共同生活の形が、この(男女の結婚という)共同体と同じレベルにまで上がってきたことを、私たちは残念に思っている。」
同性婚に対する意見
また、両教会のトップは、キリスト教会と宗教の自由についての論争には反対しているとして、以下のような考えを示した。
「キリスト教会は、正義や人びとの伝統、そして困っている全ての人ために真の結束する必要がある。」
「歴代のカトリック教会のトップの時代に比べ、LGBTについては更なる進歩が見られているにも関わらず、法王フランシスコは同性婚に繰り返し反対を訴えてきた。」
キリル総主教も一貫してLGBTの権利に反対しており、以前、
「同性婚を法的に認めることは『この世の終わりを示す非常に危険なサインだ』。」
と述べていた。ロシア正教会は、ロシアでの反同性愛法の強力な支持者だ。だが、キリル総主教はキリスト教の同性愛は罪であるという考え方に賛同している一方で、性的指向を理由に人を処罰することには反対しているという。
画像出典:Pink News